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従順な犬は主の為に自らを淫猥に焦らし抜く

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「はっ、はぉっ、あぉっ、わぉぉんっ!」

指先から腕の付け根近くまでを覆う犬の足を模した白いグローブと、つま先から足の付け根までを包む白いブーツを履いた手足で恥部を守る効果を一切有していない犬の衣装を纏った裸体を支えながら、自らの意思で犬になりきった男は甘く濡れた鳴き声を荒く乱れた呼吸混じりに放ちつつ、主の指示に従って腰を一生懸命に往復させ続けていた。
柔らかな綿で手足を分厚く取り囲み指の使用を禁じる機構を携えたふわふわなグローブとブーツを脱ごうと試みることもせず、それどころかそれらが勝手に脱げないようにと衣装の上から施された白い毛を纏った幾本もの革ベルトが味わわせてくる圧迫に更なる興奮を絶えず掻き立てられながら、犬の男は自分を置いて地下室を去った主の命令通りに腰を休み無く動かしている。頭部にあてがわれた白い犬の耳飾りをひょこひょこと踊らせ、尻穴にねじ込まれた極太の張型から垂れ下がっている白い犬の尻尾飾りを腰の動きに合わせて揺らめかせながら、従順な犬の男は床から生えた太く短い金属製の柱の先に接続されている宙に固定された薄紫色のオナホールを用いた自慰に、絶対に射精には至るなという言い付けを遵守しつつの自慰に耽っている。

「はぉ、あぉ、んぉぉんっ!」

己を生殺しの苦悶に追いやりながら、淫らな犬はもどかしさ以上に幸福を感じさせる悲鳴を上げつつ腰を前後に運んでいる。
時折精液を漏らしてしまいそうになる己の男根に制止を呼びかけ、時々耐えきれずに腰振りの速度を著しく引き下げながら、淫猥な犬の男は傍から見たら無様以外の何物でもない自分に酔いしれつつオナホールに収めた脈打つ男根を夢中で摩擦し続ける。
普通であれば、何十という絶頂に達していても不思議では無い程の快楽を主への服従を糧にして耐え、射精せずに我慢し続けた犬。理性が吹き飛び、正気が霧散しても何もおかしくないくらいの忍耐を主好みに嬲られる至福を支えにして継続し、見た目と振る舞いのみならず魂の奥底までもを犬に染め上げた男。
そんな男が意識を朦朧とさせながら震える犬の手足で四つん這いの姿勢を裸体に保たせ腰を激しく振っている地下室に、扉の音が数時間ぶりに響いた。その男を耳にした犬の男は、いつものように自らを限界まで甘く痛め付ける自慰を切り上げると、痙攣する手足で扉を開いた存在である最愛の主の元へと歩み寄り、イくこと無く発情と欲望を溜めに溜め込んだ裸体がよく見える犬の芸の一つであるチンチンのポーズを主の眼下で取った。

「はぁ、はふ、わんぅ、ひゃぅぅん……っ!」

胴体の真横に添えられた両腕の間で、ビンと尖りきった乳首がその赤みと長さを存分に堪能出来る形で無防備に突き出される。
折り畳まれ大きく開かれた両足の間で、自分自身が分泌した先走りに濡れそぼり自分自身が課した責めで射精欲をはち切れんばかりに蓄積させた男根が主に媚びるかの如く滑稽に跳ね回る。
そして何より、甘えるように見上げられた可愛らしく惨めな犬の表情がこれ以上無い特等席で愉しめる。だらしなく舌を垂らし、潤んだ瞳で無自覚のおねだりを飛ばしながら黒いズボンを押し上げている男根に無意識の視線を小刻みに寄せている犬を鑑賞出来る。
最高の光景に目を細めた主は、人間を悦んで捨て自分に一切を捧げた犬への愛情を湧き上がらせながら淫蕩な欲望を加速させていく。たっぷりと己を焦らしながら良い子に待っていた犬をより焦らし抜きたいという意地悪な願望を塗り潰す勢いで膨らんでいく本能が、自分だけの犬を待ち望んだ悦楽に導きたいという本心を肥大化させていく。
故に主は、犬の男の眼前でズボンのファスナーに右手を寄せ、そのまま摘まんだ金具を下へと運び出す。抑えきれぬ期待で目を輝かせた年上の犬に笑いを零しつつ、飼い主に君臨する主は金具を下ろしきったことで出来た近道に右手を差し入れ、年齢にそぐわない凶悪さを持つ男根を取り出した。

「さぁ、ワンちゃん。おしゃぶりの時間だよ。思う存分そのお口で僕のおチ○チンをペロペロして、いつもみたいに自分のおチ○チンからも精液を垂れ流すんだよ?……よし」
「っ! はむっ、んむ、んちゅ、むふぅぅ……!!」

男根への奉仕を命じる言葉の直後に焦らしやからかいを挟むこと無く発せられた許可の言葉を認識した犬の男は、チンチンのポーズを解きつつ一回り以上年下である少年主の下半身に抱き付き、自分に雌の自覚を植え付けた愛しい男根を口内で刺激し始めた。

「んっ、んみゅ、ふみゅ、んぢゅぅっ」
「ふふっ、必死だね、ワンちゃん。僕のおチ○チンを美味しそうに加えて、なりふり構わずにむしゃぶりついて……凄くみっともなくて可愛いね、ワンちゃん?」

少年の手で躾けられた口が、焦らしの影響と重なり合ったことで普段以上の快楽を男根へと舌を這わせ吸い付く度に覚えていく。
少年の腰に回した手で男根を限界まで口内に引き寄せ、少年の足の間に位置する形となった男根を獣欲を剥き出しにした腰振りに合わせてぷるぷると震わせながら、犬の男は待ちに待った射精の瞬間へと口への刺激のみで上り詰めていく。

「んもっ、ぶもっ、ふむぅぅ!」
「あ、もうイきそうだね? 良いよ、イきなさい。上手にたくさんイきまくれたら、ご褒美としてお尻にもおチ○チンをあげるからね? 頑張るんだよ、ワンちゃん?」
「っも! みゅ……!!」

最後のとどめとして告げられた褒美の提示に全身を甘く痺れさせながら、犬の男は少年主の下半身に密着させた裸体を一際大きく痙攣させまだ射精には程遠い少年らしさとは無縁な逞しい男根に心地良さげな鳴き声の振動を注ぎつつ、少年の足の隙間に突き出した男根からやっと辿り着いた今日一回目の射精を祝福するかのような勢いを持った精液を、はしたなく噴き出させていくのだった。
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