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9】惚気た昼休み
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9】惚気た昼休み
「はぁ~。春樹への告白ラッシュ、落ち着いたかと思ったけど、全然そんなこと無いなぁ」
「まぁ、前よりは呼び出し減ったけどな」
「確かに。
昼ご飯を食べ終え、残る授業も少しだと落ちついた昼休み。今日も今日とて、春樹は呼び出されている。勿論、先生からじゃない。告白で、呼び出されている。残された俺は、ふと隣の席の田中に話しかけた。
「なぁ、田中」
「んー?」
「春樹ってさ、凄い天然タラシだよな」
「ぶはっ! ちょっ、葵! すげぇマジな顔で今更なこと言うじゃん! どうしたん?」
飲んでいたパックジュースを、少し咽ながら笑った田中。俺は真面目に言っているのに、笑ってくれるなと思いながら、ジト目で田中を見た。
「悪かったって。まぁ、でも分かる。春樹の奴、すげぇ天然のタラシだよな。何かモテようとしてやってないから、イケメンが更にイケメンになるから、そりゃモテるよな。俺も女子なら告白してると思うし」
「分かる」
ていうか、俺は女子じゃなくても好きなんだが。しかもかなり前から。現在進行形で好きなんだが? 最近あんなに悩んでいた自身の気持ちが、一周回って心の中でやたらと饒舌だ。
「てかさ、春樹はそんなに昔からモテてたん?」
「うん。春樹は俺が知る限り、ずっとモテてる」
「それで彼女作らないって、逆に凄いよな」
「俺もそう思う」
「葵しか知らん春樹ってある?」
「んー……」
ある。あるけど、何となく教えたくない。ちょっとした独占欲ってやつが、俺の奥でチラチラして再びパックジュースを啜りだした田中への答えを渋った。
「……ある。けど、教えない」
「何だよ~! フッ……って顔までして! 教えろよ~!」
「ほら、教えてまた春樹がモテたら、俺が怒られるし」
「なるほど」
ごめん、田中。納得してくれたところ悪いけど、これはただの俺の独占欲。渋った結果、教えるのが勿体ないが自慢はしたくて、フッとドヤ顔をしてしまった。
「あ! また田中が、葵と面白そうな話してる!」
告白が終わったらしく、春樹が教室に戻ってきたかと思えば、またすぐに俺のところへやって来た。こういうところも、俺しか知らない春樹だ。
「何なに? 何の話してたん?」
俺は知らないと顔を背ければ、「田中~!」と田中は春樹に呼ばれた。
「葵に春樹のことで惚気られただけだって」
「は!? 俺、別に惚気てないし!」
「え! 葵、俺のこと惚気たん? 葵、俺の事大好きじゃん」
「違う~!」
(違くないけど)
あはは、とまた笑っていれば昼休みが終わった。どうやら今回も、お断りしたらしい。ホッとした俺の横を通り席へと戻る時。春樹がそっと「今度俺に何で惚気たか教えてな」と囁いたので、俺の耳が赤くなった。
(言うわけないだろ)
*******
お気に入り・イイネ有難うございます
「はぁ~。春樹への告白ラッシュ、落ち着いたかと思ったけど、全然そんなこと無いなぁ」
「まぁ、前よりは呼び出し減ったけどな」
「確かに。
昼ご飯を食べ終え、残る授業も少しだと落ちついた昼休み。今日も今日とて、春樹は呼び出されている。勿論、先生からじゃない。告白で、呼び出されている。残された俺は、ふと隣の席の田中に話しかけた。
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「春樹ってさ、凄い天然タラシだよな」
「ぶはっ! ちょっ、葵! すげぇマジな顔で今更なこと言うじゃん! どうしたん?」
飲んでいたパックジュースを、少し咽ながら笑った田中。俺は真面目に言っているのに、笑ってくれるなと思いながら、ジト目で田中を見た。
「悪かったって。まぁ、でも分かる。春樹の奴、すげぇ天然のタラシだよな。何かモテようとしてやってないから、イケメンが更にイケメンになるから、そりゃモテるよな。俺も女子なら告白してると思うし」
「分かる」
ていうか、俺は女子じゃなくても好きなんだが。しかもかなり前から。現在進行形で好きなんだが? 最近あんなに悩んでいた自身の気持ちが、一周回って心の中でやたらと饒舌だ。
「てかさ、春樹はそんなに昔からモテてたん?」
「うん。春樹は俺が知る限り、ずっとモテてる」
「それで彼女作らないって、逆に凄いよな」
「俺もそう思う」
「葵しか知らん春樹ってある?」
「んー……」
ある。あるけど、何となく教えたくない。ちょっとした独占欲ってやつが、俺の奥でチラチラして再びパックジュースを啜りだした田中への答えを渋った。
「……ある。けど、教えない」
「何だよ~! フッ……って顔までして! 教えろよ~!」
「ほら、教えてまた春樹がモテたら、俺が怒られるし」
「なるほど」
ごめん、田中。納得してくれたところ悪いけど、これはただの俺の独占欲。渋った結果、教えるのが勿体ないが自慢はしたくて、フッとドヤ顔をしてしまった。
「あ! また田中が、葵と面白そうな話してる!」
告白が終わったらしく、春樹が教室に戻ってきたかと思えば、またすぐに俺のところへやって来た。こういうところも、俺しか知らない春樹だ。
「何なに? 何の話してたん?」
俺は知らないと顔を背ければ、「田中~!」と田中は春樹に呼ばれた。
「葵に春樹のことで惚気られただけだって」
「は!? 俺、別に惚気てないし!」
「え! 葵、俺のこと惚気たん? 葵、俺の事大好きじゃん」
「違う~!」
(違くないけど)
あはは、とまた笑っていれば昼休みが終わった。どうやら今回も、お断りしたらしい。ホッとした俺の横を通り席へと戻る時。春樹がそっと「今度俺に何で惚気たか教えてな」と囁いたので、俺の耳が赤くなった。
(言うわけないだろ)
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