【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】

彩華

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11】告白かと思ったら違ったらしい

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11】告白かと思ったら違ったらしい

 ここ暫く、春樹への告白ラッシュが落ち着き出し。春樹が告白されなければ、彼女が出来るかもと不安になることもない。俺の心も幾分平穏を取り戻しつつある頃。その日、俺にとって驚くことが起きた。

「あ、下級生だ」

田中が放課後の帰りがけに呟く。上級生のクラスには入りにくいのかな? と、田中の視線と同じく。入り口の方を見た。
確かに田中が言う通り、下級生がいる。だが、その顔は俺も知っている顔で、「うん?」
となった。同じ図書委員会の女の子だ。名前は加藤。真面目に委員会活動をして、本が汚れていたら修繕してくれたり、新しく在庫になった本なんかを、よく一緒に登録したりしている。委員会で話をしたことはあるが、その時と何となく顔立ちが違う。ソワソワした様子で、ピンときた。

(多分、告白するのかな)

となれば、俺たち三年で一番告白を受けるのは春樹だ。加藤も春樹が好きだったのか……と、何とも複雑な気持ちでクルリと後ろを振り向けば、帰り支度を始めている春樹。俺の視線に気づいて、「葵~」なんて呑気に言いながら、小さく手を振った。入口からは見えないように、言葉を出さず。

「春樹。まだ、帰るな」

「んぇ??」

残念ながら、俺の口パクは伝わらなかったらしい。なら入り口の加藤の存在に気づいて欲しい。モテたいとボヤきながら、気づたら行動へ移せる田中が「どうしたん?」と声をかけに行っていた。(その気遣いで、田中のことを好きな女子はいると思う)

まぁいい。田中がすぐに春樹の方に向かうだろう。俺はどうしようか。待っていた方が良いのか? と思ったが、視界の中に春樹に近づく田中が見えない。代わりに、トントンと肩を突かれ。振り返れば田中がいて、「葵、呼ばれてる」と言った。

「俺?」

「うん。葵先輩をお願いしますって」

「分かった」

あの感じだと、てっきり告白だと思ったのに。じゃあ、委員会で何かあったのか? と席を立って、廊下で待っている加藤の元へと向かった。

「加藤」

「葵先輩、お疲れ様です」

「どうしたんだ? 何か委員会の連絡とか?」

「あ、はい。ちょっと図書室に来て欲しくて」

「図書室? 分かった。先に言っててくれるか? すぐに俺も行くから」

「分かりました」

(もしかして、本が沢山あって重たかったりしたのか?)

大量の本は、結構重い。男の俺でも小分けにしないと根を上げるんだ。女の子には大変だろう。そこは可愛い後輩だ。俺を頼ってくれたのなら、力を貸すまで。

「春樹。俺、ちょっと図書室行ってくる。先に帰ってても良いぞ」

「んー……」

その一言だけ言って、俺は図書室へ向かった。



 「なぁ、春樹。葵、全然気づいてなかったけどさ。あれ、もしかして葵告白されるんじゃね?」

「……さぁ、どうだろうな」

そんな会話があったことを、俺は知らない。

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