転生下克上

第一話 下克上

　とある森の近くにある小さな家

「クローバー、昼ご飯よ！あれアリサ、クローバーは？」

「どうせ、またいつもの森でしょ？」

「またやってんのあの子は？明日魔法学校の入学式っていうのに」

近くの森で青年は木の枝に足をかけて腹筋をしていた。

「よっし、ノルマ千回達成！戻るか」

クローバーは家へ戻った。

「もう、クローバー遅いわよ。先に食べているわよ」

「ごめん、母さん。でもこれも強くなるためだから」

「明日、入学式なんでしょ？私は心配よ」

「大丈夫だよ。俺は絶対卒業する頃にはSクラスに上がってみせるから」

「でもお兄ちゃん、一番下のDクラスなんでしょ？しかもSクラスは貴族ばっかなんでしょ」

「だからこそ成り上がってみせるんだよ」

俺は、もう後悔しない。俺は前世でも同じ世界で生活していた。その時も今と同じ下民だった。とある理由で俺は死んでしまった。でも、もうあの時みたいにはならない！その為にも俺は今世で成り上がってみせる！

魔法学校入学式当日

「じゃあ行ってきます」

「たまには家へ帰ってくるのよ」

「うん！」

魔法学校マジックエレバーは三年制の全寮制である。クローバーは魔法学校に着く。すると門のまえに在校生が立っていた。

「新入生の皆さんはここをまっすぐ進んで入学式へ参加してください」

クローバーは入学式に参加する。席はクラスごとに分かれている。

「この魔法学校マジックエレバーの校長のレーズンだ。今日君たちはこの学校に入学することになる。君たちはこれからいろんな経験をして卒業する頃には立派な魔法使いになっていることを私は期待しておる」

校長の話が終わり、Dクラスの教室へ向かおうとする。すると近くで揉め事が起きていた。

「おい、Dクラスの下民が俺様の道を塞ぐな」

「おい別にクラスは関係ないだろ」

「あるに決まってるだろ！俺は貴族だぞ！」

クローバーは近寄り話しかける。

「何があったのか分からないけど、入学早々喧嘩はやめろよ」

「誰だ、お前？お前何クラスだ？」

「俺はDクラスだ」

「おいおい、Dクラスが俺に指図するな」

「関係ないだろ、やめろよそういうのは」

「関係あるに決まってるだろ！俺はAクラスだぞ！お前ら落ちこぼれは大人しく言うこと聞いてればいいんだよ！

「そんなにクラスが大事か？」

「当たり前だろ、クラスによってそいつの実力がわかる！お前らボコされてーのか！」

「あぁ、やってみろよ」

「君たち何してんだ！離れた離れた！さっさと教室へ向かいなさい」

「すいません、Dクラスの雑魚が突っかかってきたので」

「おい、あんたAクラスって言ったよな！じゃあ俺は卒業する頃にはSクラスになってやるよ！」

「ぶっはははは！お前何言ってやがる！Dクラスのお前がSクラス？無理に決まってんだろ」

「あぁ、そう言ってればいい。これは下克上だ。俺は絶対に成り上がる！じゃあな」

クローバーは教室へ移動する。教室の中へ入るともうみんな座っていた。

「あ、あのさっきはありがとう」

「あー、気にすんな。これからよろしく！俺はクローバー」

「僕はマルス！よろしく！」

教室の扉が開いた。担任が来た。

「お前らDクラスの担任のモグラだ。よろしく！Dクラスといえば、この学校の落ちこぼれだ。けどそんなの関係ない！俺は過去にDクラスから優秀な魔法使いが生まれたのを何人も見てきた。んーまぁとにかく頑張れ」

モグラの話が終わり今日は解散となった。クローバーは寮へと向かう。偶然にもマルスと一緒の部屋だった。

「よかったクローバーと一緒で」

「あぁ、俺もだよ」

「でもとうとう始まるんだね、明日から学校生活が」

「そうだね」

「でも明日から早速クラス対抗戦があるらしいよ」

「クラス対抗戦？」

「もしかして知らないの？クラス対抗戦っていうのは学年ごとにクラス対抗で模擬戦をするんだよ。僕たちDクラスには勝ち目がないのにね」

「んーまぁその可能性は高いけどやってみないと分からない」

「まぁ、そうだね。明日は頑張ろう」

「うん」

そしてクラス対抗戦が始まる。