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え?ハンカチは誰のもの!?姉様のもの!
しおりを挟む紺色髪の青年がアスラ王子の元へきた。
彼の名前はキル・レイモンド。サン国の貴族の一人でアスラの補佐役でもある彼はアスラに資料を渡し説明をした。
「アスラ王子頼まれていた資料です。やはり我が国によく咲いているスターローズは心臓や肝臓によく効く万能な薬になるらしいですね。これは他国との取引にも使えそうです」
「…成る程な。急にスター国の連中がすり寄ってきたのも、これ欲しさなわけか」
アスラはクスクス笑いながら資料を読んでいた。
ひょこっとピンク色の青年が面倒くさそうな顔をして出てきた。彼もまた従者の一人のラウル・パステイト。
「なあーこんな遠回りな事やめてさ、早くつぶそうぜ?スター国の奴俺好きじゃねーわ」
窓側に座っている忍者の格好をした青年はマスクなどを外し、髪は茶色のそばかす顔の従者、ゼン・アルテスもラウルに同意して頷いていた。
「私もスター国の奴は好きではないですね。アスラ王子に無礼な事をしたのですから!」
アスラはクスクス笑っていた。そんなアスラに三人は首を傾げる。
「最近機嫌が良いですが、あのマリア様という女性が気にいったようですね」
「アスラ王子はあーいうのが好みなのか?連れてくか?」
「あのクリスタルティーン家のマリア様は心臓のご病気で我々の国のスターローズが不可欠らしいですね」
「…成る程な。…彼女がね、私のこの瞳を綺麗だと褒めてくれたよ。
この血のような呪われた瞳を綺麗だとね…キル、ラウル、ゼンお前達も明日から学園を通う事になる。
今は誰も殺すようなことをするな。マリアとの学園生活を少し楽しみたいからな」
「「御意」」
三人が居なくなった部屋でアスラは空を眺めて
「スターローズの効能を早く知ってれば母上は生きていたかもしれないな…」
そう呟いた。
学園ではサン国の王子様が留学してきたと学校中どこも騒いでいた。
「サン国って以前戦争していた国で謎の国だよな」
「アスラ王子様とても素敵な方ですわー」
「…でもやはりサン国の者ですし…警戒しますわね」
うん、皆んな色々と思う事があるみたいだね。
うさぎさんが留学しに来てみんなソワソワしちゃってるからねえ。
「姉様姉様!見て!私お手製のハンカチよ。家庭科で習ったの」
私は先程家庭科の授業で習ったハンカチを姉様とクロに見せた。
「まあ、可愛らしい猫ね」
姉様!それ犬です!でも姉様が猫と思うなら猫でよし!
「流石はマリアお嬢様です。素敵な猫様ですね」
クロまでも猫に見えるとは!!
「マリアは基本的に手先は器用よね、料理はまあ…置いといて」
「んーちまちま作ったりするのは好きだからかな?」
もし、我が家が没落したら姉様を養うぐらい手に職を身につけるのもいいしね!うん!
「マリア嬢いた!もーいいかげんウロウロしないでよね!ほら教室戻るよ!」
レオ君が私を探して姉様達に手を振り教室へ戻ろうと廊下を歩いていたら、窓の外にはエリオスとスクアーロがいた。
周りに沢山の女子生徒に囲まれていた。
「エリオス様!先程私達ハンカチを作ってみたんですの!よ、よかったら受け取ってくださいまし!」
周りにいる女子生徒の数人はエリオスの婚約者候補と呼ばれている人達だっけ。私もその一人だけど…
「マリア嬢?」
レオ君に声をかけられて私はなんでもないと笑顔で答えた。
「あ、僕先生に本を渡さなきゃいけなかったんだ。マリア嬢、くれぐれも寄り道せず真っ直ぐ、まーすぐにその廊下を歩いて教室に戻ってね!」
そうレオ君は言いながら先生の元へ行った。
「はは、レオ君はオカンキャラだなー」
そう教室へ戻ろうとしたら
「マリア」
振り返るとうさぎさんだった。
うさぎさんの隣には、あの目立っていた三人達。
あ、忍者君らしき人物は普通に制服着ている。忍者姿なら忍者の極意を教えて欲しかったなあー。
ジッと三人を見る私にうさぎさんは紹介をしてくれた。
「あぁ、彼らは私の従者で右からキル、ラウル、ゼンだ」
「キル・レイモンドです。二学年になりますが、よろしくお願いします。マリア様」
「こんにちはーっと。俺はラウル。アンタと同じ一学年だから色々顔合わせるかもな」
「私はゼンです。よろしくおねがいします」
「私はマリア・クリスタルティーンです。
うさぎさんとは仲良くしてるけど、三人共私とお友達になれたら嬉しいです。よろしくね!」
ニコッと挨拶をする私に何故か三人はうさぎさんの顔色を伺っていた。なんでだろ?
うさぎさんは私の頭を撫でて
「マリアは何を持っているんだい?」
「あ!これ?ハンカチだよ!さっき家庭科で作ったの」
「へぇ。可愛い犬のハンカチだね」
犬だとわかってくれた一人がいたわ!うさぎさん貴方凄いわね!でもこれは犬のようで猫よ!さっき姉様がそう言ってくれたからね!
「このハンカチを私にくれないか?」
「へ?」
うさぎさんはどうやら犬のような猫のハンカチが欲しいみたい。んーどうしようか。
「…そのハンカチは僕が貰うけど?」
急にエリオスが現れた。隣にいるスクアーロは
「いや、それは俺がもらうわ!」
え、何皆んな欲しがってるの!?
なんだかエリオス、スクアーロ、うさぎさんは色々言い合っているようだけど…
「え?あげないよ?だってこれ姉様にあげるんだもの。ちゃんと綺麗にアイロンかけてプレゼントにするから無理だよ?」
そうなのだ。先程私は姉様に見せてからきちんとハンカチを綺麗にしてからプレゼントしようとしていた。
「とにかく喧嘩とかダメだよー?んじゃまたね!」
私は早く教室に戻っていった。
キルとラウルとゼン三人は固まっているアスラ王子をみて少し笑いを堪えていた。
同じくエリオスとスクアーロも固まっていた。
「マリアの一番は…姉のマリエ嬢なのか」
アスラはそうポツリと呟くとエリオスはアスラに
「とても手強い相手だよ。マリエ嬢はね」
「…マリアがますます欲しくなったな」
「何いってるんだい?あげないよ。絶対に」
エリオスは笑顔でそう告げた。
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