52 / 60
第4章 ちびっこ怪獣三匹、仲間と協力して戦利品を吟味する
8
しおりを挟む
結果からいって、魔法の鞄は優秀だった。
数えきれないほどあったドロップ品はあっという間に運び出され、内容物の詳細がわかる機能のおかげで、仕分けも簡単にできた。
いろいろ装備をもらった中で一番優秀なのではと思ってしまうくらい、便利機能満載だ。
対して、『ドロップ品』などと御大層な呼び名のついた品々の方はというと。
ほとんどがガラクタ。
武器、防具の大半は破損が激しく実用には耐えられないと出たし、魔導具も、経年劣化で使えなくなっているものばかり。
ありがたかったのは、生活雑貨と現金くらいなものである。
「ん~、地図があったのは助かったかなあ」
数ある雑貨の中から、ユーゴが大人の手のひらサイズの木枠を拾い上げ、陽にかざす。
なにやら複雑な彫刻のなされた木枠は、木製にしてはやたらと頑丈で、魔法の鞄によると、トレント素材でできているらしい。
つまり、トレントは素材として流通しているということで。
それを知った木本先生は、大内先生と金堂、女の子たちを引き連れ、先ほど斬り倒したトレントの回収に行ってしまった。
光太たちやんちゃ怪獣トリオは、引き続きドロップ品の整理である。
まあ要するに。
細々した作業が苦手なメンバーが肉体労働へと逃げ、作業のめんどくささより好奇心が勝ったメンバーが、仕分けに残っただけである。
「でもさ、ユーゴ。ココがドコだかわかんないと意味なくね?」
地図といっても、大雑把な世界地図のようなモノだ。
ありがたがるユーゴの背後から地図を覗き込んだ光太が、コクンと首を傾げる。
「まあそうなんだけど。この地図、魔導具なんだよね」
「魔導具? 地図が?」
「そ。見てて。こうやって魔力を通すと--ほら」
木枠のようなものにはめこまれた大人の手のひらサイズの大雑把な地図が、ユーゴの手の中でポッと光を灯す。
灯ったあかりは地図の中をぐるりと一周し、とある場所で止まる。
「ここが現在地。で、もう一度魔力を流すと--……」
「おお?」
「うお!」
地図から光が立ち上ぼり、空中にホログラムのような詳細な地図が浮かび上がる。
「使用者を中心にして、周辺の地図が浮かび上がる仕組み。しかも、使用者が移動すると地図も動くすぐれもの」
目の前に急にあらわれた地図に驚いて一歩下がった光太とケースケの周りを、ユーゴがぐるっと一周する。
すると、空中に浮かんだ地図もぐるりと動き、ユーゴを中心としたまま表示を変えていく。
右に歩けば地図も右にずれ、左に歩けば左にずれる。
常に使用者が中心になっているため、これがあれば森の中でも迷う心配はなさそうだ。
「お~」
「すごいな」
「拡大縮小も自由自在だし、コレはアタリかな」
そう言ってユーゴが指さしたのは、地図の端。
ここからそう遠くはない位置にある、小さな村だった。
数えきれないほどあったドロップ品はあっという間に運び出され、内容物の詳細がわかる機能のおかげで、仕分けも簡単にできた。
いろいろ装備をもらった中で一番優秀なのではと思ってしまうくらい、便利機能満載だ。
対して、『ドロップ品』などと御大層な呼び名のついた品々の方はというと。
ほとんどがガラクタ。
武器、防具の大半は破損が激しく実用には耐えられないと出たし、魔導具も、経年劣化で使えなくなっているものばかり。
ありがたかったのは、生活雑貨と現金くらいなものである。
「ん~、地図があったのは助かったかなあ」
数ある雑貨の中から、ユーゴが大人の手のひらサイズの木枠を拾い上げ、陽にかざす。
なにやら複雑な彫刻のなされた木枠は、木製にしてはやたらと頑丈で、魔法の鞄によると、トレント素材でできているらしい。
つまり、トレントは素材として流通しているということで。
それを知った木本先生は、大内先生と金堂、女の子たちを引き連れ、先ほど斬り倒したトレントの回収に行ってしまった。
光太たちやんちゃ怪獣トリオは、引き続きドロップ品の整理である。
まあ要するに。
細々した作業が苦手なメンバーが肉体労働へと逃げ、作業のめんどくささより好奇心が勝ったメンバーが、仕分けに残っただけである。
「でもさ、ユーゴ。ココがドコだかわかんないと意味なくね?」
地図といっても、大雑把な世界地図のようなモノだ。
ありがたがるユーゴの背後から地図を覗き込んだ光太が、コクンと首を傾げる。
「まあそうなんだけど。この地図、魔導具なんだよね」
「魔導具? 地図が?」
「そ。見てて。こうやって魔力を通すと--ほら」
木枠のようなものにはめこまれた大人の手のひらサイズの大雑把な地図が、ユーゴの手の中でポッと光を灯す。
灯ったあかりは地図の中をぐるりと一周し、とある場所で止まる。
「ここが現在地。で、もう一度魔力を流すと--……」
「おお?」
「うお!」
地図から光が立ち上ぼり、空中にホログラムのような詳細な地図が浮かび上がる。
「使用者を中心にして、周辺の地図が浮かび上がる仕組み。しかも、使用者が移動すると地図も動くすぐれもの」
目の前に急にあらわれた地図に驚いて一歩下がった光太とケースケの周りを、ユーゴがぐるっと一周する。
すると、空中に浮かんだ地図もぐるりと動き、ユーゴを中心としたまま表示を変えていく。
右に歩けば地図も右にずれ、左に歩けば左にずれる。
常に使用者が中心になっているため、これがあれば森の中でも迷う心配はなさそうだ。
「お~」
「すごいな」
「拡大縮小も自由自在だし、コレはアタリかな」
そう言ってユーゴが指さしたのは、地図の端。
ここからそう遠くはない位置にある、小さな村だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる