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第五章 懐かしい友との再会
第十九話 不機嫌な王子(下)
「え、あ……」
ルーシェはどうしようと思っていた。
(俺が他の世界から転生してきたなんて知ったら、王子は絶対に俺の事を「頭おかしい」と思う)
話したら、「頭は大丈夫か」と心配される。
医師の診断を受けようと、医師をわざわざ連れて来るかも知れない。
(ラノベみたいな、異世界転生の概念なんてこの世界にはないだろうし。素直に話しても理解してもらえない)
だからやっぱり話せない。誤魔化すしかない。
しかし、ごまかそうとするルーシェの考えを王子は予想していたように、ルーシェの体をきつく抱きしめ、そしてその耳元で囁いた。
「素直に話してくれないのなら、お前の体に聞くしかないのだぞ」
その台詞に、ルーシェはぎょっと自分を抱きしめる王子の顔を見つめた。
王子の顔は真剣だった。
そしてその指が、双丘の谷間を割り、つぷりとその蕾に入れられた時、ルーシェは「ヒェッ!!」と色気もない悲鳴を上げる。
ジタバタとするが、王子のもう一方の手はしっかりとルーシェの細い腰を抱きしめており、逃げることを許さない。
「子竜の姿に変わって逃げようとは考えないことだ、ルー」
その先の行動まで釘を刺されてしまう。
「お前が本当のことを話せばいいだけだ。それとも、私には教えられないと言うのか」
ルーシェはふるふると頭を振る。
そうしながらも、王子の不埒な指はなおもルーシェの中へと入り、彼を高ぶらせようと動き始める。愛しい王子の指をぎゅっと締め付けるが、その指は媚肉の中を進んで行く。
「王子、王子、だめ、それは。ああああっ」
指を曲げられ、いい所を掠められるとたまらずルーシェは甘く叫んでいた。
びくびくと反応する愛しい少年の様子に、アルバート王子はなおも耳朶を食み、もう片手でルーシェの前も可愛がり始める。
どこか苦しそうに眉を寄せ、身悶えするルーシェに王子は優しく、けれど執拗に彼を高ぶらせていく。
「ふ、ああん、あああ」
もう何度となく重ねてきた体であったから、どこをどう触れていけば、ルーシェが啼き声を上げるのか王子は知り尽くしていた。
ルーシェはしっとりと汗を浮かべ、その白い足の間の男根も張りつめさせているが、達く寸前で止められる。
「やぁ、やだ、王子」
達かせてもらえないことに苦し気に、大きな黒い瞳を潤ませて見上げてくるルーシェに、王子はなおも囁いた。
「なら、話すんだ、ルー」
「だって、だって王子が……王子が俺のこと」
ルーシェの目尻から涙が零れ、彼はその涙を拭いながら言った。
「バカだと思う。頭おかしいと思う。そういう風に思われたくないんだ!!」
「……ルー」
「思われたくないんだ、王子に!!」
「頭がおかしいなど、思うはずがないだろう、ルー」
チュッチュッとその頬に口づけを落とす。だが、ルーシェは「絶対に絶対に頭変な奴だと思う。王子は俺のことを思うんだ!!」と聞き分けの無い子供のように言い切っていた。
だから、アルバート王子は時間を掛けてルーシェを宥め、そして彼の求めるまま優しく抱いてやりながら言った。
「お前のことを愛しているんだ。絶対に頭が変だなんて思わない」
そう、まったくもって妙な愛の告白を言い、それでようやく、ルーシェは口を割ったのだった。
「俺、ここじゃない別の世界からこの世界の竜に生まれ変わったんだ。あの男に飛び付いたのは、あいつも俺と同じ世界から来た仲間だったからだ」
その告白を聞いて、アルバート王子は表情を変えなかった自分を褒めてやりたかった。
内心少し(ルーは、護衛から床へ叩きつけられた時、頭を強く打ったのかも知れない。頭が少しおかしくなっているのか)との思いが横切ったが、それを口にしてしまえば、これだけ自分に信じてもらえないことを恐れているルーシェは、二度と心の裡を教えてくれないだろう。
だから、アルバート王子はその言葉を飲み込み、更に、ルーシェに話の先を話すように促したのだった。
「それで、お前はどうしてこの世界へやって来たのだ。他の世界とはどういう世界だったのだ」と。
ルーシェは王子の腕の中で、ゆっくりと話し始めた。
別の世界では、十五歳の学生であったこと。
トラックという乗り物に跳ねられて、気が付いたら竜の卵の中にいたこと。
何故、この世界にやって来たのかは分からない。
でも、飛び付こうとした男は、自分と一緒にトラックに跳ねられた友人であったことも。
一通りルーシェは話し終わると、王子の顔をじっと見上げて、不安そうな声で言った。
「……俺の話、信じてくれる?」
王子はすぐに同意し、ルーシェの額に口づけた。
「お前の話を信じる」
王子には、ルーシェの話を聞いて、合点することがあった。
生まれたばかりであるはずの、小さな竜であったルーシェは、とても聞き分けがよくて賢く、周囲の人々を驚かせていた。竜の生態学者リヨンネもルーシェに会った時、小さな竜のあまりの賢さを異常に思っていた。
(それは、異世界ですでに年齢を重ねていた魂が、そのまま小さな竜の中に入ったからに他ならないのだろう)
「俺のことをおかしいと思わない?」
「思わない」
「王子!!!!」
ルーシェは感激してぎゅーと王子の体に抱き着いた後、いつものように頭をぐりぐりとアルバート王子の胸に押し付けてきた。
「王子が好きだ!!!! やっぱり俺の王子だ!!!! 最高だ!!!!」
と叫び声をあげて感激している。
その感激のまま、二人はすぐさま寝台の上で愛し合い、そして仲直りをしたのだった。
ルーシェはどうしようと思っていた。
(俺が他の世界から転生してきたなんて知ったら、王子は絶対に俺の事を「頭おかしい」と思う)
話したら、「頭は大丈夫か」と心配される。
医師の診断を受けようと、医師をわざわざ連れて来るかも知れない。
(ラノベみたいな、異世界転生の概念なんてこの世界にはないだろうし。素直に話しても理解してもらえない)
だからやっぱり話せない。誤魔化すしかない。
しかし、ごまかそうとするルーシェの考えを王子は予想していたように、ルーシェの体をきつく抱きしめ、そしてその耳元で囁いた。
「素直に話してくれないのなら、お前の体に聞くしかないのだぞ」
その台詞に、ルーシェはぎょっと自分を抱きしめる王子の顔を見つめた。
王子の顔は真剣だった。
そしてその指が、双丘の谷間を割り、つぷりとその蕾に入れられた時、ルーシェは「ヒェッ!!」と色気もない悲鳴を上げる。
ジタバタとするが、王子のもう一方の手はしっかりとルーシェの細い腰を抱きしめており、逃げることを許さない。
「子竜の姿に変わって逃げようとは考えないことだ、ルー」
その先の行動まで釘を刺されてしまう。
「お前が本当のことを話せばいいだけだ。それとも、私には教えられないと言うのか」
ルーシェはふるふると頭を振る。
そうしながらも、王子の不埒な指はなおもルーシェの中へと入り、彼を高ぶらせようと動き始める。愛しい王子の指をぎゅっと締め付けるが、その指は媚肉の中を進んで行く。
「王子、王子、だめ、それは。ああああっ」
指を曲げられ、いい所を掠められるとたまらずルーシェは甘く叫んでいた。
びくびくと反応する愛しい少年の様子に、アルバート王子はなおも耳朶を食み、もう片手でルーシェの前も可愛がり始める。
どこか苦しそうに眉を寄せ、身悶えするルーシェに王子は優しく、けれど執拗に彼を高ぶらせていく。
「ふ、ああん、あああ」
もう何度となく重ねてきた体であったから、どこをどう触れていけば、ルーシェが啼き声を上げるのか王子は知り尽くしていた。
ルーシェはしっとりと汗を浮かべ、その白い足の間の男根も張りつめさせているが、達く寸前で止められる。
「やぁ、やだ、王子」
達かせてもらえないことに苦し気に、大きな黒い瞳を潤ませて見上げてくるルーシェに、王子はなおも囁いた。
「なら、話すんだ、ルー」
「だって、だって王子が……王子が俺のこと」
ルーシェの目尻から涙が零れ、彼はその涙を拭いながら言った。
「バカだと思う。頭おかしいと思う。そういう風に思われたくないんだ!!」
「……ルー」
「思われたくないんだ、王子に!!」
「頭がおかしいなど、思うはずがないだろう、ルー」
チュッチュッとその頬に口づけを落とす。だが、ルーシェは「絶対に絶対に頭変な奴だと思う。王子は俺のことを思うんだ!!」と聞き分けの無い子供のように言い切っていた。
だから、アルバート王子は時間を掛けてルーシェを宥め、そして彼の求めるまま優しく抱いてやりながら言った。
「お前のことを愛しているんだ。絶対に頭が変だなんて思わない」
そう、まったくもって妙な愛の告白を言い、それでようやく、ルーシェは口を割ったのだった。
「俺、ここじゃない別の世界からこの世界の竜に生まれ変わったんだ。あの男に飛び付いたのは、あいつも俺と同じ世界から来た仲間だったからだ」
その告白を聞いて、アルバート王子は表情を変えなかった自分を褒めてやりたかった。
内心少し(ルーは、護衛から床へ叩きつけられた時、頭を強く打ったのかも知れない。頭が少しおかしくなっているのか)との思いが横切ったが、それを口にしてしまえば、これだけ自分に信じてもらえないことを恐れているルーシェは、二度と心の裡を教えてくれないだろう。
だから、アルバート王子はその言葉を飲み込み、更に、ルーシェに話の先を話すように促したのだった。
「それで、お前はどうしてこの世界へやって来たのだ。他の世界とはどういう世界だったのだ」と。
ルーシェは王子の腕の中で、ゆっくりと話し始めた。
別の世界では、十五歳の学生であったこと。
トラックという乗り物に跳ねられて、気が付いたら竜の卵の中にいたこと。
何故、この世界にやって来たのかは分からない。
でも、飛び付こうとした男は、自分と一緒にトラックに跳ねられた友人であったことも。
一通りルーシェは話し終わると、王子の顔をじっと見上げて、不安そうな声で言った。
「……俺の話、信じてくれる?」
王子はすぐに同意し、ルーシェの額に口づけた。
「お前の話を信じる」
王子には、ルーシェの話を聞いて、合点することがあった。
生まれたばかりであるはずの、小さな竜であったルーシェは、とても聞き分けがよくて賢く、周囲の人々を驚かせていた。竜の生態学者リヨンネもルーシェに会った時、小さな竜のあまりの賢さを異常に思っていた。
(それは、異世界ですでに年齢を重ねていた魂が、そのまま小さな竜の中に入ったからに他ならないのだろう)
「俺のことをおかしいと思わない?」
「思わない」
「王子!!!!」
ルーシェは感激してぎゅーと王子の体に抱き着いた後、いつものように頭をぐりぐりとアルバート王子の胸に押し付けてきた。
「王子が好きだ!!!! やっぱり俺の王子だ!!!! 最高だ!!!!」
と叫び声をあげて感激している。
その感激のまま、二人はすぐさま寝台の上で愛し合い、そして仲直りをしたのだった。
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