転生したら竜でした。が、マスターが性的に俺の上に乗っかろうとしています。

曙なつき

文字の大きさ
91 / 711
第五章 懐かしい友との再会

第十九話 不機嫌な王子(下)

「え、あ……」

 ルーシェはどうしようと思っていた。
 
(俺が他の世界から転生してきたなんて知ったら、王子は絶対に俺の事を「頭おかしい」と思う)

 話したら、「頭は大丈夫か」と心配される。
 医師の診断を受けようと、医師をわざわざ連れて来るかも知れない。

(ラノベみたいな、異世界転生の概念なんてこの世界にはないだろうし。素直に話しても理解してもらえない)

 だからやっぱり話せない。誤魔化すしかない。

 しかし、ごまかそうとするルーシェの考えを王子は予想していたように、ルーシェの体をきつく抱きしめ、そしてその耳元で囁いた。

「素直に話してくれないのなら、お前の体に聞くしかないのだぞ」

 その台詞に、ルーシェはぎょっと自分を抱きしめる王子の顔を見つめた。
 王子の顔は真剣だった。

 そしてその指が、双丘の谷間を割り、つぷりとその蕾に入れられた時、ルーシェは「ヒェッ!!」と色気もない悲鳴を上げる。
 ジタバタとするが、王子のもう一方の手はしっかりとルーシェの細い腰を抱きしめており、逃げることを許さない。

「子竜の姿に変わって逃げようとは考えないことだ、ルー」

 その先の行動まで釘を刺されてしまう。

「お前が本当のことを話せばいいだけだ。それとも、私には教えられないと言うのか」
 
 ルーシェはふるふると頭を振る。
 そうしながらも、王子の不埒な指はなおもルーシェの中へと入り、彼を高ぶらせようと動き始める。愛しい王子の指をぎゅっと締め付けるが、その指は媚肉の中を進んで行く。

「王子、王子、だめ、それは。ああああっ」

 指を曲げられ、いい所を掠められるとたまらずルーシェは甘く叫んでいた。
 びくびくと反応する愛しい少年の様子に、アルバート王子はなおも耳朶を食み、もう片手でルーシェの前も可愛がり始める。
 どこか苦しそうに眉を寄せ、身悶えするルーシェに王子は優しく、けれど執拗に彼を高ぶらせていく。

「ふ、ああん、あああ」

 もう何度となく重ねてきた体であったから、どこをどう触れていけば、ルーシェが啼き声を上げるのか王子は知り尽くしていた。
 ルーシェはしっとりと汗を浮かべ、その白い足の間の男根も張りつめさせているが、達く寸前で止められる。

「やぁ、やだ、王子」

 達かせてもらえないことに苦し気に、大きな黒い瞳を潤ませて見上げてくるルーシェに、王子はなおも囁いた。

「なら、話すんだ、ルー」

「だって、だって王子が……王子が俺のこと」

 ルーシェの目尻から涙が零れ、彼はその涙を拭いながら言った。

「バカだと思う。頭おかしいと思う。そういう風に思われたくないんだ!!」

「……ルー」

「思われたくないんだ、王子に!!」

「頭がおかしいなど、思うはずがないだろう、ルー」

 チュッチュッとその頬に口づけを落とす。だが、ルーシェは「絶対に絶対に頭変な奴だと思う。王子は俺のことを思うんだ!!」と聞き分けの無い子供のように言い切っていた。
 だから、アルバート王子は時間を掛けてルーシェを宥め、そして彼の求めるまま優しく抱いてやりながら言った。

「お前のことを愛しているんだ。絶対に頭が変だなんて思わない」

 そう、まったくもって妙な愛の告白を言い、それでようやく、ルーシェは口を割ったのだった。


「俺、ここじゃない別の世界からこの世界の竜に生まれ変わったんだ。あの男に飛び付いたのは、あいつも俺と同じ世界から来た仲間だったからだ」

 その告白を聞いて、アルバート王子は表情を変えなかった自分を褒めてやりたかった。
 内心少し(ルーは、護衛から床へ叩きつけられた時、頭を強く打ったのかも知れない。頭が少しおかしくなっているのか)との思いが横切ったが、それを口にしてしまえば、これだけ自分に信じてもらえないことを恐れているルーシェは、二度と心の裡を教えてくれないだろう。
 だから、アルバート王子はその言葉を飲み込み、更に、ルーシェに話の先を話すように促したのだった。

「それで、お前はどうしてこの世界へやって来たのだ。他の世界とはどういう世界だったのだ」と。
 
 ルーシェは王子の腕の中で、ゆっくりと話し始めた。
 別の世界では、十五歳の学生であったこと。
 トラックという乗り物に跳ねられて、気が付いたら竜の卵の中にいたこと。
 何故、この世界にやって来たのかは分からない。
 でも、飛び付こうとした男は、自分と一緒にトラックに跳ねられた友人であったことも。

 一通りルーシェは話し終わると、王子の顔をじっと見上げて、不安そうな声で言った。

「……俺の話、信じてくれる?」

 王子はすぐに同意し、ルーシェの額に口づけた。

「お前の話を信じる」

 王子には、ルーシェの話を聞いて、合点することがあった。
 生まれたばかりであるはずの、小さな竜であったルーシェは、とても聞き分けがよくて賢く、周囲の人々を驚かせていた。竜の生態学者リヨンネもルーシェに会った時、小さな竜のあまりの賢さを異常に思っていた。

(それは、異世界ですでに年齢を重ねていた魂が、そのまま小さな竜の中に入ったからに他ならないのだろう)

「俺のことをおかしいと思わない?」

「思わない」

「王子!!!!」

 ルーシェは感激してぎゅーと王子の体に抱き着いた後、いつものように頭をぐりぐりとアルバート王子の胸に押し付けてきた。

「王子が好きだ!!!! やっぱり俺の王子だ!!!! 最高だ!!!!」

 と叫び声をあげて感激している。
 その感激のまま、二人はすぐさま寝台の上で愛し合い、そして仲直りをしたのだった。
感想 277

あなたにおすすめの小説

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です! 表紙は、Pexelsさまより、Abdalrahman Zenoさまによる写真をお借りしました。ありがとうございます! 文章にはAIを使用しておりません。校正も自力です!(笑)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? 表紙は自作です(笑) もっちもっちとセゥスです!(笑)

【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……! 表紙は、Pexelsさまより、Julia Kuzenkovさまによる写真をお借りしました。ありがとうございます!

​転生したら最強辺境伯に拾われました

マンスーン
BL
現代日本人・東堂裕太が目を覚ますと、そこは異世界。クズな婚約者に魔力を限界まで搾取され、ボロボロになって森に捨てられる悲惨な青年・ルカに転生していた。 ​死を覚悟した裕太だったが、そんな彼を拾い上げたのは、帝国最強の武力を誇り「氷の死神」と恐れられる辺境伯・ラーク。