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第十六章 心地良い場所
第二十二話 降りかかる呪い
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あれから。
冬から春を迎え、あっという間に夏を迎えた。
緑も鮮やかなその季節、北方の竜騎兵団から、アルバート王子と小さな竜は王都のバンクールの屋敷にやって来ていた。
リヨンネの兄であるバンクール商会長ジャクセンの仲介で、彼は妹のマリアンヌと彼女の産んだ赤ん坊に会うことになったのだ。
マリアンヌは、昨年あった王都が魔族に襲撃された事件以来、元婚約者であるヴィシュー侯爵家レイモンドの元で生活を続けていた。彼女は、元王女たる身分が隠されたまま、ヴィシュー侯爵家で、まるまると太った健康な赤ん坊を産み落としていた。
今、バンクールの屋敷には、アルバート王子の母妃マルグリッドもいた。
客室でマルグリッド妃はアルバートと紫竜ルーシェを迎えた。その場には屋敷の主人であるジャクセンも同席している。
アルバート王子は、ジャクセンに会うなり礼を口にした。
「この度は、ジャクセン殿に仲介の労を尽くして頂き、ありがとうございました」
アルバート王子とマルグリッド妃が、王宮に出入りするバンクール商会の商会長ジャクセンから昼食に招かれることはおかしな話ではない。そしてその日、たまたまヴィシュー侯爵家の家人の女性が、ジャクセンの妻の元を訪ねることもおかしな話ではない。その二つの出来事を結びつけるものはいないだろう。
やがて、ジャクセンの妻ルイーズが、フードを目深に被った一人の女性を連れて部屋へ入ってきた。彼女がフードを下げると、金色の髪が零れ落ち、鳶色の瞳の美しい女性の顔が現れた。アルバート王子とマルグリッド妃は立ち上がり、母であるマルグリッド妃はすぐさまマリアンヌの元へ駆け寄ると、彼女の体を赤ん坊ごと抱きしめた。
マルグリッド妃はぎゅっとマリアンヌの細い体を抱きしめている。そしてマリアンヌもきつく母の体を抱きしめ返していた。何度か文は交わしていたが、こうして会うのは昨年以来である。
「お久しぶりです」
マリアンヌは護衛と侍女を伴っていた。
彼らは、彼女を匿っているヴィシュー侯爵家のレイモンドが、彼女の身の安全のために付けているものだろう。侍女はマリアンヌのまとっていた上着を受け取る。それでマリアンヌがその腕に抱いている赤ん坊が露わになった。レースたっぷりの真っ白い産着にくるまれた小さな赤ん坊だった。
マルグリッド妃は感激したように、その赤ん坊の顔を見つめていた。
「なんてかわいらしい赤ん坊なのでしょう」
幸いなことに、赤ん坊の瞳の色は鳶色で、髪の色は金色をしていた。
父親のザナルカンド王国の王家の血を伝える容姿をしていなかった。
そのことに、部屋の中の誰もが心の中で安堵の思いを抱いていたが、賢明にも口に出す者はいなかった。
小さな竜のルーシェもまた、アルバート王子の肩に留まったまま、マリアンヌの赤ん坊の顔を目を輝かせて見つめていた。
マリアンヌはソファーに座り、アルバート王子、マルグリッド妃も席につく。ジャクセンとルイーズ、マリアンヌの護衛と侍女は席を外した。親子兄妹水入らずにしようという配慮だった。
ふっくらとした赤ん坊の頬を、マルグリッド妃は白い指で優しくなぞり、うっとりとしていた。
赤ん坊は手も足もまるまるとして健康そうで、その体は上質のおくるみに包まれている。マリアンヌ自身も、綺麗に金髪を結い上げ、その細身を引き立てるような流行の型の美しいドレスをまとっている。レイモンドはマリアンヌと赤ん坊を大切にしてくれているようだ。
母と子らは、日常の生活ぶりを互いに報告し、しばらくの間、和気藹々とした雰囲気が続いていた。
マリアンヌの産んだ赤ん坊を、レイモンドは自分の子のように可愛がってくれているという。
その話をした後、マリアンヌは言った。
「わたくしとレイモンドは、来年には結婚するつもりです。あの方からの結婚の申し込みを受けました」
マルグリッド妃は手を合わせて嬉しそうに声を上げる。
「良かったわね!!」
「はい」
微笑みを浮かべて答えるマリアンヌ。
だが、マリアンヌは、マリアンヌという名で嫁ぐのではない。マリアンヌ姫はザナルカンド王国で亡くなり、ただのアンヌがヴィシュー侯爵家へ嫁ぐことになる。結局、彼女は、二度と、マリアンヌ姫に戻ることはないのだ。マリアンヌ自身、そのことを仕方のないことだと理解している。
そして、彼女が産み落とした男の赤ん坊は、レイモンドとの子として育てられるという。
ザナルカンド王国の、最後の生き残りの王子として生きていくことはない。
自身の子が、ザナルカンド王家の生き残りだと名乗りをあげるべきか、マリアンヌは随分と悩んだ。ザナルカンド王国の領土は、このラウデシア王国に併合されることが決まっている。ザナルカンド王家は断絶しているからだ。そこに「実は、ザナルカンド王家に嫁いだマリアンヌ姫は生きていて、王子を産みました」と出ていくことのリスクは大きく感じられた。名乗り出たからといっても、頼るべき相手のいない身の上である。周囲の者達の思惑により踊らさられる都合の良い駒になってしまうだろう。
それよりは、ヴィシュー侯爵家の嫡子として育てられることの方が、ずっと、赤ん坊の身の安全が計られるだろう。
そうしたマリアンヌの判断を、マリアンヌの兄アルバートも、母マルグリッドも尊重した。
妹姫とその子の、身の安全が計られ、周囲の人々に大切にされ、二人が心穏やかに生活できる場所にいられることこそ、兄も母も強く望んでいたからだ。
アルバート王子は、マリアンヌからその赤ん坊を抱かせてもらう。
おっかなびっくり、小さな赤ん坊を抱く兄王子を見て、マリアンヌもマルクリッド妃も笑っていた。アルバート王子の肩先に留まる小さな紫色の竜に向かって、その赤ん坊はキャッキャッと声を上げて両手を伸ばす。
「イシターは竜が好きみたいだな」
「きっと、自分を助けてくれた竜だとわかっているからです」
マリアンヌを、隣国ザナルカンド王国まで助けにやって来たアルバート王子と紫竜。
あの時、すでにマリアンヌの胎の中には、この赤ん坊の存在があった。
「お前とこの子が、これから先、どんな危機に遭ったとしても、何度だって私とルーは助けにいくさ」
そう、アルバート王子は小さな赤ん坊の顔を見つめながら言ったのだった。
この時、この場にいた誰一人として、赤ん坊の辿る、これから先の数奇な運命を知らなかった。
マリアンヌはその後、ヴィシュー侯爵家レイモンドの夫人として暮らし、三人の子をもうけた。
長子イシターはヴィシュー侯爵家のレイモンドの子として育てられたが、五つの年の春、第二王子アンリの養子に迎えられる。
男の騎士ハヴリエルと婚姻したアンリ王子は、自身の血を引く子をもうけることが出来なかったため、後継ぎとしてイシターを迎えることにしたのだ。
新王として即位したリチャードもまた、妃カミラとの間に子を一人として為すことが出来なかった。
そしてそれ以外の王族の者達もまた、誰一人として子を新たにもうけることが出来なかった(第三王子ダミアンと第五王子シルヴェスターはすでに王籍を離脱していてラウデシア王国の王族ではありません。マリアンヌ姫は亡くなったものとみなされています)。
自分の子世代のその先、孫世代の子が一人として誕生しない。前王は当然、そのことを不思議に思い、強い危機感を抱いた。彼は、高名な占星術師を王宮に呼びよせ、密かに占わせたところ、占星術師は顔色を青ざめさせ、こう述べたという。
「ラウデシア王家には強い呪いがかかっておられる」と。
その呪いのせいで、今いる王子達は新たに子を作ることができない。
王家を断絶させようとする強い呪いだという。
しかし、ラウデシア王家には“黄金竜の加護”があり、王族は攻撃魔法や呪いのたぐいを受けることはないはずである。
何故だという思いだけが前王の中にはある。
前王は、以前見た夢で、黄金竜と白銀竜がこの世から立ち去るという話を忘れてしまっていた。
目が醒めると、夢で話された話を何故か全て忘れてしまうからだ。
黄金竜達が去ってしまったために、ラウデシア王家には“黄金竜の加護”も“黄金竜の守護”も無くなっている。だから、これから新たに生まれる王族の子は、その身が守られることなく、最初から生まれることを許されないのだった。
連綿と続いてきたラウデシア王家は、その繁栄の光の部分とは別に、黄金竜の護りの裏で、多くの無辜の者達の怨嗟を受けていた。黄金竜が消え去れば、当然その呪いの声は顕在化する。長い長い時を経たが故に、それは黒々として濃くとめどもない呪いの力だった。
王族達にはそうした呪いがかかっているらしいという話を耳にしたリヨンネは、マルグリッド妃に頼み、王宮の外れにある、小さな湖のそばに祠を作ってもらった。呪いと聞いて、真っ先にリヨンネの頭の中に浮かんだのが、湖に沈められたあの紫竜の娘のことだった。
その頃には、リヨンネは、マルグリッド妃とイシターの母であるマリアンヌ(もといアンヌ)からの推薦を受け、イシターの養育係兼遊び相手として、イシターのそばに仕えるようになっていた。
リヨンネは、アンリ王子の養子に入ったイシターを連れて、頻繁に祠へお参りに行くようになった。
子の出来なかったリチャード国王は、リエット元王女の子を養子に迎えたが、養子は夭折してしまう。その後迎えた子も続いて夭折したことから、やはり呪いのせいかと、養子を迎えることを諦める。
王族の中で、養子といえども残っているのはイシターただ一人という有様だった。
リチャード国王は第二王子アンリの元へ養子に入っているイシターを、次期王太子に指名した。
冬から春を迎え、あっという間に夏を迎えた。
緑も鮮やかなその季節、北方の竜騎兵団から、アルバート王子と小さな竜は王都のバンクールの屋敷にやって来ていた。
リヨンネの兄であるバンクール商会長ジャクセンの仲介で、彼は妹のマリアンヌと彼女の産んだ赤ん坊に会うことになったのだ。
マリアンヌは、昨年あった王都が魔族に襲撃された事件以来、元婚約者であるヴィシュー侯爵家レイモンドの元で生活を続けていた。彼女は、元王女たる身分が隠されたまま、ヴィシュー侯爵家で、まるまると太った健康な赤ん坊を産み落としていた。
今、バンクールの屋敷には、アルバート王子の母妃マルグリッドもいた。
客室でマルグリッド妃はアルバートと紫竜ルーシェを迎えた。その場には屋敷の主人であるジャクセンも同席している。
アルバート王子は、ジャクセンに会うなり礼を口にした。
「この度は、ジャクセン殿に仲介の労を尽くして頂き、ありがとうございました」
アルバート王子とマルグリッド妃が、王宮に出入りするバンクール商会の商会長ジャクセンから昼食に招かれることはおかしな話ではない。そしてその日、たまたまヴィシュー侯爵家の家人の女性が、ジャクセンの妻の元を訪ねることもおかしな話ではない。その二つの出来事を結びつけるものはいないだろう。
やがて、ジャクセンの妻ルイーズが、フードを目深に被った一人の女性を連れて部屋へ入ってきた。彼女がフードを下げると、金色の髪が零れ落ち、鳶色の瞳の美しい女性の顔が現れた。アルバート王子とマルグリッド妃は立ち上がり、母であるマルグリッド妃はすぐさまマリアンヌの元へ駆け寄ると、彼女の体を赤ん坊ごと抱きしめた。
マルグリッド妃はぎゅっとマリアンヌの細い体を抱きしめている。そしてマリアンヌもきつく母の体を抱きしめ返していた。何度か文は交わしていたが、こうして会うのは昨年以来である。
「お久しぶりです」
マリアンヌは護衛と侍女を伴っていた。
彼らは、彼女を匿っているヴィシュー侯爵家のレイモンドが、彼女の身の安全のために付けているものだろう。侍女はマリアンヌのまとっていた上着を受け取る。それでマリアンヌがその腕に抱いている赤ん坊が露わになった。レースたっぷりの真っ白い産着にくるまれた小さな赤ん坊だった。
マルグリッド妃は感激したように、その赤ん坊の顔を見つめていた。
「なんてかわいらしい赤ん坊なのでしょう」
幸いなことに、赤ん坊の瞳の色は鳶色で、髪の色は金色をしていた。
父親のザナルカンド王国の王家の血を伝える容姿をしていなかった。
そのことに、部屋の中の誰もが心の中で安堵の思いを抱いていたが、賢明にも口に出す者はいなかった。
小さな竜のルーシェもまた、アルバート王子の肩に留まったまま、マリアンヌの赤ん坊の顔を目を輝かせて見つめていた。
マリアンヌはソファーに座り、アルバート王子、マルグリッド妃も席につく。ジャクセンとルイーズ、マリアンヌの護衛と侍女は席を外した。親子兄妹水入らずにしようという配慮だった。
ふっくらとした赤ん坊の頬を、マルグリッド妃は白い指で優しくなぞり、うっとりとしていた。
赤ん坊は手も足もまるまるとして健康そうで、その体は上質のおくるみに包まれている。マリアンヌ自身も、綺麗に金髪を結い上げ、その細身を引き立てるような流行の型の美しいドレスをまとっている。レイモンドはマリアンヌと赤ん坊を大切にしてくれているようだ。
母と子らは、日常の生活ぶりを互いに報告し、しばらくの間、和気藹々とした雰囲気が続いていた。
マリアンヌの産んだ赤ん坊を、レイモンドは自分の子のように可愛がってくれているという。
その話をした後、マリアンヌは言った。
「わたくしとレイモンドは、来年には結婚するつもりです。あの方からの結婚の申し込みを受けました」
マルグリッド妃は手を合わせて嬉しそうに声を上げる。
「良かったわね!!」
「はい」
微笑みを浮かべて答えるマリアンヌ。
だが、マリアンヌは、マリアンヌという名で嫁ぐのではない。マリアンヌ姫はザナルカンド王国で亡くなり、ただのアンヌがヴィシュー侯爵家へ嫁ぐことになる。結局、彼女は、二度と、マリアンヌ姫に戻ることはないのだ。マリアンヌ自身、そのことを仕方のないことだと理解している。
そして、彼女が産み落とした男の赤ん坊は、レイモンドとの子として育てられるという。
ザナルカンド王国の、最後の生き残りの王子として生きていくことはない。
自身の子が、ザナルカンド王家の生き残りだと名乗りをあげるべきか、マリアンヌは随分と悩んだ。ザナルカンド王国の領土は、このラウデシア王国に併合されることが決まっている。ザナルカンド王家は断絶しているからだ。そこに「実は、ザナルカンド王家に嫁いだマリアンヌ姫は生きていて、王子を産みました」と出ていくことのリスクは大きく感じられた。名乗り出たからといっても、頼るべき相手のいない身の上である。周囲の者達の思惑により踊らさられる都合の良い駒になってしまうだろう。
それよりは、ヴィシュー侯爵家の嫡子として育てられることの方が、ずっと、赤ん坊の身の安全が計られるだろう。
そうしたマリアンヌの判断を、マリアンヌの兄アルバートも、母マルグリッドも尊重した。
妹姫とその子の、身の安全が計られ、周囲の人々に大切にされ、二人が心穏やかに生活できる場所にいられることこそ、兄も母も強く望んでいたからだ。
アルバート王子は、マリアンヌからその赤ん坊を抱かせてもらう。
おっかなびっくり、小さな赤ん坊を抱く兄王子を見て、マリアンヌもマルクリッド妃も笑っていた。アルバート王子の肩先に留まる小さな紫色の竜に向かって、その赤ん坊はキャッキャッと声を上げて両手を伸ばす。
「イシターは竜が好きみたいだな」
「きっと、自分を助けてくれた竜だとわかっているからです」
マリアンヌを、隣国ザナルカンド王国まで助けにやって来たアルバート王子と紫竜。
あの時、すでにマリアンヌの胎の中には、この赤ん坊の存在があった。
「お前とこの子が、これから先、どんな危機に遭ったとしても、何度だって私とルーは助けにいくさ」
そう、アルバート王子は小さな赤ん坊の顔を見つめながら言ったのだった。
この時、この場にいた誰一人として、赤ん坊の辿る、これから先の数奇な運命を知らなかった。
マリアンヌはその後、ヴィシュー侯爵家レイモンドの夫人として暮らし、三人の子をもうけた。
長子イシターはヴィシュー侯爵家のレイモンドの子として育てられたが、五つの年の春、第二王子アンリの養子に迎えられる。
男の騎士ハヴリエルと婚姻したアンリ王子は、自身の血を引く子をもうけることが出来なかったため、後継ぎとしてイシターを迎えることにしたのだ。
新王として即位したリチャードもまた、妃カミラとの間に子を一人として為すことが出来なかった。
そしてそれ以外の王族の者達もまた、誰一人として子を新たにもうけることが出来なかった(第三王子ダミアンと第五王子シルヴェスターはすでに王籍を離脱していてラウデシア王国の王族ではありません。マリアンヌ姫は亡くなったものとみなされています)。
自分の子世代のその先、孫世代の子が一人として誕生しない。前王は当然、そのことを不思議に思い、強い危機感を抱いた。彼は、高名な占星術師を王宮に呼びよせ、密かに占わせたところ、占星術師は顔色を青ざめさせ、こう述べたという。
「ラウデシア王家には強い呪いがかかっておられる」と。
その呪いのせいで、今いる王子達は新たに子を作ることができない。
王家を断絶させようとする強い呪いだという。
しかし、ラウデシア王家には“黄金竜の加護”があり、王族は攻撃魔法や呪いのたぐいを受けることはないはずである。
何故だという思いだけが前王の中にはある。
前王は、以前見た夢で、黄金竜と白銀竜がこの世から立ち去るという話を忘れてしまっていた。
目が醒めると、夢で話された話を何故か全て忘れてしまうからだ。
黄金竜達が去ってしまったために、ラウデシア王家には“黄金竜の加護”も“黄金竜の守護”も無くなっている。だから、これから新たに生まれる王族の子は、その身が守られることなく、最初から生まれることを許されないのだった。
連綿と続いてきたラウデシア王家は、その繁栄の光の部分とは別に、黄金竜の護りの裏で、多くの無辜の者達の怨嗟を受けていた。黄金竜が消え去れば、当然その呪いの声は顕在化する。長い長い時を経たが故に、それは黒々として濃くとめどもない呪いの力だった。
王族達にはそうした呪いがかかっているらしいという話を耳にしたリヨンネは、マルグリッド妃に頼み、王宮の外れにある、小さな湖のそばに祠を作ってもらった。呪いと聞いて、真っ先にリヨンネの頭の中に浮かんだのが、湖に沈められたあの紫竜の娘のことだった。
その頃には、リヨンネは、マルグリッド妃とイシターの母であるマリアンヌ(もといアンヌ)からの推薦を受け、イシターの養育係兼遊び相手として、イシターのそばに仕えるようになっていた。
リヨンネは、アンリ王子の養子に入ったイシターを連れて、頻繁に祠へお参りに行くようになった。
子の出来なかったリチャード国王は、リエット元王女の子を養子に迎えたが、養子は夭折してしまう。その後迎えた子も続いて夭折したことから、やはり呪いのせいかと、養子を迎えることを諦める。
王族の中で、養子といえども残っているのはイシターただ一人という有様だった。
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