転生したら竜でした。が、マスターが性的に俺の上に乗っかろうとしています。

曙なつき

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外伝 ある護衛騎士の災難  第二章

第三話 解けない呪い ~sideアンリ王子

「お前が私を好いていることなど、とうに知っておる」

 私の言葉に、ハヴリエルは泣き笑いのような表情を見せた。

「そうですね……。殿下はお見通しでしたか」

「そうだ」

 今度は私が彼の頬に手をやり、その顔中に口付けの雨を降らせた。

「痩せてしまったな。また元のように戻らなければならないぞ。前の、健康で逞しいお前が私は好きだ」

 ハヴリエルはおかしそうに笑った。

「私は殿下が今までお好きだった侍従達のように華奢ではありません」

「お前の鍛えられた身体は素晴らしいではないか」

「あそこまで綺麗な顔もしていません」

「私の好きな顔だ」

「抱きやすい体とも思っておりません」

「なんだ、ハヴリエル。お前は私がこれまで付き合っていた侍従達に嫉妬しているのか」

 その私の言葉に、少し遅れてハヴリエルは頷いた。

「そうなのかも知れません」

「嫉妬して王宮を出ていったのか。意外とお前は悋気が強いのだな。だが、私にとってお前が唯一だ。もう私のそばを離れるな」

 侍従達に嫉妬して王宮を飛び出すなど、本当に愛い奴だと思い、私はハヴリエルの体をぎゅっと抱きしめた。
 その可愛さに免じて、王宮を飛び出したことを許してやろうと思った。

「お前を愛しているのだ」

「私もです。旅に出てから、空を見ながらも……想うのは殿下のことだけでした」

 彼は真剣な表情で、私の顔を見つめ、言った。

「殿下のことが、片時も忘れられませんでした」








 あまりにもハヴリエルが可愛いことを言うので、私は止まらなくなっていた。

「ハヴリエル、愛い奴め」

 チュッチュッと音を立ててハヴリエルの顔に口づける。
 
「……」

 愛い奴だと言われることに関しては、どうしても慣れないような、戸惑っているような様子をハヴリエルは見せる。
 私はそのままハヴリエルの近衛騎士の制服の前ボタンを外しにかかった。
 そのことに彼はギョッとしていた。

「殿下、まさか」

「よいではないか」

「ここは応接室です。扉の外には護衛の騎士が待機しているはずです」

「問題ない」

 ボタンをぷつぷつと次々と外していく。その素早さにもハヴリエルは唖然としていた。

「で……殿下」

 前のボタンを全て外し、下着をまくり上げ、その鍛えられた胸元に唇を寄せた。
 彼は困ったような顔をしながらも、久方ぶりの交歓にやがて熱く息を吐き始める。
 どこからか取り出したオイルを手にした私に、彼は苦笑していた。
 ハヴリエルはゆっくりと下着ごとズボンを脱ぐ。その秘められた場所にオイルを満たすと、私は彼を慎重に抱きにかかった。

 愛しいハヴリエルには決して痛みを与えたくなかった。
 ただ喜びだけを与えたかった。

 後ろから貫く。その行為に慣れていない彼は、後孔を満たされるというその充溢感に苦しそうに眉を寄せる。

「きついか」

 それで動きを止めようとする私に、彼は首を振り、切なげな表情で言った。

「止めないで下さい。殿下。……そのまま私を抱いて下さい」

 それでグンとハヴリエルの中に収めていたものが大きさを増した。あまりにも健気で可愛いことを言うので、自分の息子が大きく成長してしまったようだ。
 ハヴリエルはギョッとして後ろを振り返り、私の顔を見つめた。怒ったような口調で言う。

「殿下、あまり大きくしないで下さい!!」

「そなたが悪い」

 そう、ハヴリエルが悪い。
 可愛くて健気で、愛しい目の前のこの男が全て悪いのだ。

 この私に、解けることのない呪いを掛けた彼が。

 振り向いたハヴリエルに、私は深々と口づけて、文句を言うのを止めさせた。







 それから
 私は妃のアビゲイルと離縁した。

 アビゲイルは、近衛騎士のハヴリエルにずっと恋したままの私に驚き呆れ、最後には諦めた。
 彼女は何一つ文句を言わず、私と別れてくれた。

 そのことにはアビゲイルに感謝している。
 (しかし、私と別れて半年もしない内にアビゲイルが再婚したことには驚いた。彼女が結婚した相手は、アビゲイルにずっと昔から想いを寄せていた貴族の男だという話だ)


 そして父や母には反対されたが、私はハヴリエルを伴侶として迎えることを決めた。
 彼は私の求婚を受け入れてくれた。

 婚姻を結んだ後も、時折、ハヴリエルは私の“呪い”がいつか解けてしまうのではないか、そうなれば、今のハヴリエルに対する私の想いは消え去ってしまうのではないかと恐れる様子を見せた。彼と過ごす毎日があまりにも幸せなので、それが杞憂であることを私は知っていた。彼を好きだという想いは尽きることがない。その尽きることがない想いが“呪い”なのだから。
 彼がもう、そんな不安を言わぬようになるまで、その耳元で甘く愛を囁き続けるのだった。
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