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EP:54 情事の行き末

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 もそ。

 もぞぞ。

(っこ、これはあんまりじゃないか!)

 背中越しに伝わるゲイリーの寝息に。
 腹の中の煮え返るような怒りを安住は感じていた。
 
 ことの原因は安住自身のではないのだとは。
 分かっている。
 そのはけ口にされたことだとも。
 分かってはいるーーのだけども。

(こ、っこんなのはあんまりじゃないのー~~!?)

 一度でもあの熱と快楽を知ってしまえば。
 もう、溜まらず。

(っこ、こんなに切なぃー~~ッ)

 身体にも甘い熱が蓄積され。
 欲しくなってしまう。
「アズミー~~」
「! っげ、ゲイリーッ! ぉ、起きてるのか?!」
「もぉーそんなに咥えてぇ~~♡」
 寝言だったが。
「っちょ! どんな夢見てんだよ‼ おぉ゛いい‼」
 あまりの寝言に、安住も言い返してしまう。
 寝ている人間に、背中越しに、
「ゲイリー! 起きろ! そんな夢見るなよ‼」
 寝息を立てる人間に。

「ゲイリー~~‼」

 ◆

『ほしぃーぺにす、ほしぃいーー』

 ちゅぷ。

 ちゆぽ。

「っふ」

 携帯を握り締めながらセスナが。
 フレディから送られてきた動画を見ていた。
 股間にはイザベラがしゃがみ込み。
 彼のペニスを咥え誉めていた。
「ふは♡ ぉ、っきぃじゃないのぉ♡」
 そう話すイザベラを無視しながら、その動画を見続けた。

『っつ! あんまり、っふ…がっつかな、ァ゛! も、…っく!』

 時折、動画に入るフレディの声に、苛立ちも芽生えてしまうが。
 こうして送ってくれた以上は、無視するほかない。

 なのだが。

(戻ったら殴ってやるからなァ゛! フレディいいイイッッ?!)

 かなり入るフレディの騒音ボイスに。
 少し萎えてもしまい、恨み節しか出てこない。
『‼ っぶ、ぉあ゛おォ゛! んンん゛!』
 そして、場面が大量に入る口腔内の精液ザーメンに、せ返るゲイリーのシーンだった。

「あ。戻し戻し」

 喜々として携帯を弄るセスナの茎を咥えていたイザベラが、
「っは! ぃい加減に射精きなさいよ! 顎が痛いわよ!」
 そうセスナに吠えた。
 彼女だって幼馴染というだけで、セスナとの性交渉も無料タダで行っている。
 どんなに言い合っても、罵り合っても。

 関係に亀裂が入ることのない――友情以上の姉弟のようなもの
 年季もあるだろうが。
「その動画もなんなのよ! それ!」
 しかしながら、さすがのイザベラが、その動画の趣向を問い正した。

「男同士じゃないの! 私は大好物だけどね!」
「――…腐女子」
 携帯から目を離し、股間のイザベラを見た。
「その部類かよ。手前は」
「コピー頂戴よ♡ それ♡」

 じゅ。

 じゅぷぷ。

 扱く手をそのままに、イザベラがセスナに聞く」
 だが、それをセスナも一蹴する。
「嫌だね! こいつは――…????」
 しかし、言葉が止まってしまう。

 バク。

 バクバク――……。

『…ねーイれて、ほしぃー~~♡ も、イれてよー』

 動画には画面一杯にゲイリーのとろけた顔が映し出されている。
 その頬にはフレディの手が添えられている。

「!」

「もぅ! 馬鹿ケチ‼」
 ぱく、っとイザベラがセスナの茎を咥え直した。
 彼女の舌は巧みに、彼のいいところを攻め誉める。
「っく! っざ、ベらァ゛! っの、急によォ゛!」
「ふぁらあみらさい♡ ふぇらさい♡」
(っざまぁ~~みなさい♡ さぁ、射精きなさい♡)
 イザベラに愛撫され、セスナ自身も放出の瞬間を待ちわびる。

『これ以上ーガマン、なんてぇー…ぃ、やだよォう~~』

 ビク。

 泣くじゃぐってしまうゲイリーの顔に。
 セスナの心も泡立ってしまう。
「ぁ゛」
 イザベラの口腔の茎も張っていく。
「♡♡♡♡♡」
「っつ! っく、ぅ゛!」

『おかしくーなっちゃうよー~~っ!』

 びくびく。

 びゅ!

 びゅるるるる~~‼

「っは! はァ、はァ~~…くっそ」
「濃っっっっい♡♡♡♡ ね? 最後までする?」
 イザベラは履いていたスカートをたくし上げて行く。
「っし、しねぇ~~よ! この売春婦ビッチが!」

「っはー~~! だと思ったわよ‼」

 口元を拭いながらイザベラが、セスナの手から携帯を抜き取った。
「!? ぉ、おい‼ って、手前っっ‼」
「あら? この男の子…どこかで、会ったこと」
「こら! 手前、返せ‼」
 腕を伸ばすセスナから、イザベラが身体を翻す。
「!? っだ、ぁああっ‼」

 どっすん!

 バランスを崩したセスナは椅子から落ちてしまう。

「イーザーベー~~ラぁーー~~っっ?! 手前っっ‼」

 首を傾げて動画を見る彼女。
「おい! いい加減に‼」
「だってーアタシーこの子、どっかでー~~」

『…ごめん。ゲイリー…ごめん』

 少し、静かになった空間に。
 フレディの掠れた声が響く。

『! ごめんじゃなくてー~~おねがいー~~おねがいだよぉおう~~』
 涎を垂らしフレディに懇願するゲイリー。
「ぅ、わ…っか、可愛い!」
「? 可愛いだァ゛? あァ゛」
 イザベラがしゃがみ込み。
 停止させた画像を見せた。

 顔を紅潮させ、涎を垂らす、惚けた表情ののゲイリー。

「――…ふん!」

 セスナが再生を押す。
 懇願するゲイリーに謝り続けるフレディの声が聞こえる。

『…――~~ごめん!』

「アンタ。本当に」
「? あんだよ」
「ろくな死に方出来なそう」

「っう、せぇー~~よ! ブスが!」

最低サイテーぇー…』
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