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其の72 純愛*出刃亀

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 ごっくん!

 ビトーの喉が鳴った。
「の、んだの?? ひょっとして」
「ああ。甘いな」
「!? あああ、ぅあ!」
 恵比寿の顔が真っ赤になってしまう。
「? タカラ、どうかしたのかい??」
 恵比寿の額に口づけをする。
 ビトーを睨む。
「飲むもの、なんかじゃないのに~~」
 肩に担かれている足が、じたばたと動く。
 飲まれたことも、そうだが。
 舐められたことにも、羞恥心がある。
「飲みたかったんだよ。君の味を知りたかったんだ」
「‼ ……飲むとき、言って欲しいな。恥ずかしいから」
 顔に腕を置き、ビトーの視界を遮る。

「ああ。分かった、そうしょう」

 にこやかに、はにかむビトー。

「ああ。タカラ」
「な、何??」
「挿れてもいいかい? アナルも、いい具合だよ」
 ビトーは指を二本、三本と挿入れ、動かしていた。

 わなわなー~~ッッ‼

「馬鹿! ビトーの馬鹿ぁ~~‼」

 大きく泣き声を漏らす恵比寿。
「?! な、っやぱり、嫌なのかい??」
「もう! 嫌なら、くく、咥えさせたりしないよ?? 俺だって!」
「タカラ」

 ビトーが自身のペニスを取り出し、当てがった。
 大きく脈打つそれに、恵比寿も息を飲んだ。
(お、っきぃよ~~う!? ぅ、う゛うう゛~~)
 その様子に、ビトーは口づけをし。
 ゆっくりと、挿入れていく。

「ひぐ! ぁ、っは……ぁああ゛ぁ゛♡」

「好きだよ」

 っぐ!

「ひゃ゛♡ ぁあ゛♡」

 ずぷぷぷ――……。

 ずぽ。

 ずぷぷぷ。

 ゆっくりと、傷つけないように出し入れをする。
 性急にならないように、自制心をかけるビトー。
「っく! ぁ、っふ……タカラ!」
 額に、汗が浮かび。
 滴っていく。

「あ゛、ぁ゛ぁ♡ ビトー~~、いい!」
「! タカラッッ! も。すまない」

 ビトーが腰を荒く突き上げだす。
「?! び、と、ォ♡♡ ぅひ、ぁ゛あンんん‼」

 グチュ、グピュ!

 ぐちゃ、ぐぷぷ――……。

「タカラ! っく、ぅ――……ッッ‼」

 腰を振りがピタリと止まり。
 びゅるるるるる! と勢いよく。
 恵比寿の中に、ビトーが射精ってしまう。

 大量の精液が、奥に吐き出される。

「ぁ、っは♡ ぁづ、ぃい♡ っはぁあああ♡♡」

 それと同時に。
 恵比寿も射精し、ビトーの腹部。
 そして、顔に飛ばした。

 白濁とした精液が、ビトーの顔を伝い、落ちる。
 それを指先で拭い。

 ちゅぽ。

 ビトーは舐めた。

「また、舐める~~」
「勿体ないからね」
「もー~~」

 にこやかに話す二人。
 穏やかな空気が溢れた。

「も。満足したかい? タカラ」
「ぁ、う……うん」
 そう聞くも。
 ビトーは、足を下ろす素振りも、茎を抜く素振りもない。

「僕は、りたいよ」

 真正面から、そう熱く言われ。

「うん。俺も、言おうとしたとこだよ」

 恵比寿も素直に言った。

 ◆

「お、じさ♡ も、やめ」
 とらは馬乗りになり、三好を突き上げていた。
「なんでー?? まだ、まだだよー」

 ッズ!

「ひゃ゛♡」
(も、無理だよ~~♡)
 耳元で、荒く吐くとらの吐息が当たる。
 それすらも、敏感に捉えてしまう。
 シーツを固く握り、すがりつく。

 ガチャ!

「「??‼」」

 その最中に、扉が開いた。
 開けたのは。

「なんだ取り込み中か」

 ドロヌトクロトファーだ。

「何? クロちゃん」
「ドロヌトクロトファーだ」
 そんな出羽亀の、彼をとらが睨んだ。
「そんなに邪険にするな」
「出て行けよ」

「仲間に入れてくれてもいいだろう? ドレッド」

 ドロヌトクロトファーと、とらがいがみ合う。

「敵対しているのに、意味が分かんないよ。クロちゃん」
「ドロヌトクロトファーだ」

 ズクズク。

 ズク。

 思いがけない事態に。
 三好も硬直してしまう。

(鍵、つけよっかなぁ~~はぁ)

 小さく、そうため息を漏らした。
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