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其の103 喜*隣の恋人たち

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 三好の隣の部屋。
 恵比寿とビトーはソファーに腰かけていた。

「ね~~ビトー」

 ゲームのコントローラーを握りつつ、
「とらって、宇宙人なの~~?」
 恵比寿が背中の彼に聞く。
「僕はそうだよ。でも、あいつのことは、よく、分からないんだよ。あ。そこ!」
 ビトーも、ゲーム画面を見ながら返す。
「《魔法少女》の、としか、認識をしていなんだよ」
 ビトーは、恵比寿の頬に、軽く口づけをする。
「! ビトー、そこだけ~~??」
 口づけされた頬が、朱に染め、唇を突き出す恵比寿。
 視線は、テレビの中のゲーム画面を見ている。
「まだ、セーブしていないだろう? タカラ」
「うん。まだ、してない」
「じゃあ、それまではお預けだ」

 さわ。

「! ビトー~~??」

 さわ。

 さわさわ。

「悪戯はするよ」

 ビトーの手が、恵比寿のシャツの下に突っ込まれ、肌を厭らしく触る。
 脇に腹筋、へそや――胸を。

「ぅ、っは、ぁ……び、とぉ」
「ん? ほら、早くセーブしないとダメだろう」
「ビトー、も、とら、と……した、の?」

 ビトーの目が、大きく見開らかれた。
 徐々に、顔が恵比寿から逸らされていく。
 その様子に、恵比寿も意味が分からずに、きょとんとしてしまうが。
 すぐに、察した。

「は?!」

 顔が青ざめていく。

 ビトーと恵比寿。
 恋人たちの表情が、曇っていく。

 言葉もなくなり、空気が重くなっていくのが分かる。
 
「……色々と、昔はあってだよ。恋人とかではない、敵対勢力だからね。そもそも、あいつが仕掛けたことだ。あのハマジとか言う狂ってる科学者が、始めた《正義の味方プロジェクト》だ。こちらもかなりの悪だが。初めに絡んで来たのは、ハマジと、その創造物でもある《魔法少女》のとらだよ」

 ビトーも早口に、淡々と喋っていく。
 早く、疑惑を解きたいという想いが強い。
「あいつはただの《性人形》だ。性を、命を吸い滅ぼすようにシステムを入れられている、哀れな奴だ」
「?? 感情はないの?」
「感情、か。今のような表情はなかったよ。恐らくは障害バグか、自発的な自我が目覚めたのかもね」
 目を伏せていたビトーの頬に、何かが押し当てられた。
 間近に恵比寿の顔が、息が触れる距離にあった。
ったの? られたの? どっち!」
「《魔法少女》自体、そのシステムは入れられていない。僕は犯られてなんかいないよ」
 はにかむビトーに、恵比寿が抱き着き、顔を肩でぐりぐりとさせた。
 その恵比寿の行為に。

 じわ。

 じわじわわ。

「セーブ、しなくて大丈夫なのかい?」
「うん」
 ビトーが恵比寿のお尻を揉み扱き、半ズボンの裾から太ももを掌で摩る。
「えっちしょうよ。ビトー」
「ああ。抱くよ」

 ◆

「本当に、可愛いよー大樹ー」

 とらは心を弾ませていた。
 下で喘ぐ三好を見て。

 ごきゅり。

「本当に、可愛いったら」

 三好の身体からは、濃い体臭フェロモンが溢れ出始めていた。
 吸うとらは、顔を紅潮させ、
「孕ませたい♡」
 勢いよく、ペニスを挿入れた。
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