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遠く離れた辺境の地から、国王の元へ密書が届けられた。
「……これは、どう判断したらいいんだ?」
宰相から王妃達と相談して決めるようにと、丸投げされたマクスウェルは、三人の妻達の前のテーブルに、密書を置いた。
「……は?グレイン殿の妻が死亡?しかも、墜落死?原因が男との最中に、不審に思った侍女達が入室したから逃げようとしてって…。これ、あっちでどうなってるんだ?」
手にした文書を読み上げたイザベラが、理解できないとエリアナに顔を向けた。
「…どうなってますの?」
三人の妻の視線が、一斉にマクスウェルに向けられる。
「…グレインいわく、事故として処理してだな。その…許されるなら、再婚したいとの事だ…」
「再婚…ですか?相手は分かっておりますの?」
マクスウェルの言葉に、例の子爵令嬢だろうなぁと思っている二人とは別に、知らされていないエリザベスは、心配そうに尋ねている。
「うむ…。使用人として同行していた子爵令嬢らしいのだが…。子爵家的には、未婚の娘を嫁がせても良いものだろうか?」
こちらも同じく事情を知らないマクスウェルが、眉間にシワを寄せながら話す。
「…穏便に済ませる方法が、一つありますわよ…」
エリアナの言葉に、二人は縋るような目を向ける。
「……遡及離婚させれば良いのです。どうせ、死んだ事も屋敷内に止めているのでしょう?婚姻前に生家からも籍を抜かれてるのです。『白い結婚』を強要しながらの不貞です。死者といえど情けなど必要ありません。優先されるべきは、罪なき生者の方でございましょう?」
「……確かにそうですわね。それならば、子爵家的にも納得はしていただけそうですわね…」
ホッと息を吐くエリザベスを、チラリと横目で見たイザベラは、にやけそうになる口元を必死で堪えた。
「私、子爵家に打診して参りますわ!ちょうど、今日のユエインの参加する茶会に、子息を連れて参加するはずですもの!」
急ぎで手配をしようと部屋を出ていくエリザベスを見送り、二人の妃は夫に目を向けた。
「…で?マクスはどう処理するつもりでしたの?」
にっこりと笑うエリアナに、マクスウェルは体を縮こまらせた。
どうもこうもない。どうすれば最善なのか、思いつかないから、ここに来たのだから。
ついでに言うなら宰相に至っては、エリアナに詳しい情報が集まっているはずだから、対応を任せることにしたのだが、そんな事はマクスウェルには思い当たる余裕がない。
「…お任せしようかと…」
「……お任せですか、そうですか…」
「…お前、丸投げはダメだろ…。それくらいはワタシでも分かるぞ?」
今日も国王は自身の最愛の妻を、自分よりも可愛がる二人の妻達によって、にこやかな笑みの元、立派な国王となるために教育されるのであったーー。
[完]
※※※※※※※※
お読みいただき、ありがとうございます。
今後は、『にこ断』本編の後に、番外編としてアディエルとカイエンがどうして婚約したかの話を、今週末には公開する予定です。←頑張るしかないw
夏までには好評なので頑張って、続編もしくは、完全版として、『にこ断』をまた書きたいと思います。
よろしければ、気長にお待ちくださいませ。
「……これは、どう判断したらいいんだ?」
宰相から王妃達と相談して決めるようにと、丸投げされたマクスウェルは、三人の妻達の前のテーブルに、密書を置いた。
「……は?グレイン殿の妻が死亡?しかも、墜落死?原因が男との最中に、不審に思った侍女達が入室したから逃げようとしてって…。これ、あっちでどうなってるんだ?」
手にした文書を読み上げたイザベラが、理解できないとエリアナに顔を向けた。
「…どうなってますの?」
三人の妻の視線が、一斉にマクスウェルに向けられる。
「…グレインいわく、事故として処理してだな。その…許されるなら、再婚したいとの事だ…」
「再婚…ですか?相手は分かっておりますの?」
マクスウェルの言葉に、例の子爵令嬢だろうなぁと思っている二人とは別に、知らされていないエリザベスは、心配そうに尋ねている。
「うむ…。使用人として同行していた子爵令嬢らしいのだが…。子爵家的には、未婚の娘を嫁がせても良いものだろうか?」
こちらも同じく事情を知らないマクスウェルが、眉間にシワを寄せながら話す。
「…穏便に済ませる方法が、一つありますわよ…」
エリアナの言葉に、二人は縋るような目を向ける。
「……遡及離婚させれば良いのです。どうせ、死んだ事も屋敷内に止めているのでしょう?婚姻前に生家からも籍を抜かれてるのです。『白い結婚』を強要しながらの不貞です。死者といえど情けなど必要ありません。優先されるべきは、罪なき生者の方でございましょう?」
「……確かにそうですわね。それならば、子爵家的にも納得はしていただけそうですわね…」
ホッと息を吐くエリザベスを、チラリと横目で見たイザベラは、にやけそうになる口元を必死で堪えた。
「私、子爵家に打診して参りますわ!ちょうど、今日のユエインの参加する茶会に、子息を連れて参加するはずですもの!」
急ぎで手配をしようと部屋を出ていくエリザベスを見送り、二人の妃は夫に目を向けた。
「…で?マクスはどう処理するつもりでしたの?」
にっこりと笑うエリアナに、マクスウェルは体を縮こまらせた。
どうもこうもない。どうすれば最善なのか、思いつかないから、ここに来たのだから。
ついでに言うなら宰相に至っては、エリアナに詳しい情報が集まっているはずだから、対応を任せることにしたのだが、そんな事はマクスウェルには思い当たる余裕がない。
「…お任せしようかと…」
「……お任せですか、そうですか…」
「…お前、丸投げはダメだろ…。それくらいはワタシでも分かるぞ?」
今日も国王は自身の最愛の妻を、自分よりも可愛がる二人の妻達によって、にこやかな笑みの元、立派な国王となるために教育されるのであったーー。
[完]
※※※※※※※※
お読みいただき、ありがとうございます。
今後は、『にこ断』本編の後に、番外編としてアディエルとカイエンがどうして婚約したかの話を、今週末には公開する予定です。←頑張るしかないw
夏までには好評なので頑張って、続編もしくは、完全版として、『にこ断』をまた書きたいと思います。
よろしければ、気長にお待ちくださいませ。
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