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第二章 伯爵家は幸運を引き寄せる
伯爵夫人は暗躍する
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「ほんっとーにごめん!謝って済むとは思わないけど、でも謝らせて!!」
帰宅するなり二人きりで話があると言われたマリアステラは、包み隠さずに話した夫に呆気に取られていた。
「…あの方、ほんとーに懲りませんのね。それよりも、相手の方は全く覚えてませんの?」
「マリアと同じ匂いと目の色しか覚えてない…。意識が朦朧としてて、それで君と勘違いしちゃってて……」
両手で頭を抱えるアベルを眺めながら、マリアステラは考え込んだ。
夫に媚薬を盛った連中は、実家のエイベル商会から圧力をかければどーとでもなる。
だが、問題は相手の女性だ。
ナンシーでないのはとても喜ばしい。
相手が自分に似ていたからと言われると、複雑ながらも許せてしまうのは、恐らく相手も予想外の出来事だったと思われるからだ。
むしろ、うちの夫が純潔を奪ってしまって申し訳ないと謝らなければと思っている。
ーーうん。とりあえずストラディック家は陛下の許可貰って潰しましょう♪
自分の中で結論を出し、マリアステラはアベルを見た。
「アベル。もし、相手の方が妊娠してたらどうします?わたくしは是非とも産んでいただきたいのだけど…」
ーー男の子産んでくれたら、なお宜しい!!
そんな本音を隠して、マリアステラは夫を誘導するのであったーー。
※※※※※※※※
「クロード。貴方の事だから、相手の方の目星は付けているのではなくて?」
落ち込むアベルを宥めて仕事に戻し、代わりにとクロードを呼び、マリアステラは単刀直入に切り出した。
「…それがですね、お嬢……。オレもナンシー嬢を旦那様のとこに行けないようにするんで、手一杯だったんですよ…。なんで、急ぎで呼んだ連中に、該当する女性達を見張らせてはいます……」
視線を合わさないように話すクロードに、マリアステラは首を傾げた。
「……達?」
「…達です、お嬢。旦那様が反応した香りって、多分お嬢ご愛用の石鹸だと思われます……」
「……あれ、エイベルの一般向け商品じゃない……」
ひくっとマリアステラの口の端が引き攣った。
「そうです。エイベルの一押し商品です。上は王族から下は庶民までご愛用の石鹸です…。なんで、とりあえずお嬢の目の色と同じ、若しくは近い色の人物で当たらせましたところ…」
言葉を詰まらせたクロードに、視線だけで先を促すと、彼はゴクリと唾を飲み込んだ。
「件の屋敷勤めだけでも14人。人手が足りないと近くの村から集められていた女性達で18人でした……」
「…そーよねー。私の目って、何処にでもいる色だしねぇ…。あー。どーしよっかなぁ……」
テーブルに肘をつき、組んだ両手に頭を乗せて唸る。
「時にお嬢。もしかしたらってだけですし、候補の目星付いたんだから、症状出てか「あの人、こないだ《必中》生えたのよねぇ……」」
クロードの言葉に被せるように言われた内容に、彼はにっこり微笑んで首を傾げた。
「……生えたんすか、《商人》スキルなのに……」
「…生えちゃってたのよ。《商人》なのに、何故か……」
「それは…。お嬢、めちゃくちゃ喜んでますね、この件……」
遠い目をしながら尋ねるクロードに、マリアステラは神妙な顔をして見上げた。
「…正直に言ってもいい?」
「どぞ」
「産まれてきたのが男だったら!わたくし、自分の持ってるエイベルの権利、渡しても良いくらいに大っ歓っ迎っ!!」
グッと拳を握りしめて言い切ったマリアステラに、クロードは納得した。
マリアステラの痛みから逃げようとする根性を、彼は誰よりも知っている。
「ついでに、可愛い女の子も産んでくれたら、一生お世話する自信もあるの!」
「最愛の夫に浮気推奨って、ないわぁ……」
自分の代わりに出産するかもしれない女性に対し、どれだけの事をしようと思っているかを熱く語り出したマリアステラに、クロードはドン引いていたーー。
帰宅するなり二人きりで話があると言われたマリアステラは、包み隠さずに話した夫に呆気に取られていた。
「…あの方、ほんとーに懲りませんのね。それよりも、相手の方は全く覚えてませんの?」
「マリアと同じ匂いと目の色しか覚えてない…。意識が朦朧としてて、それで君と勘違いしちゃってて……」
両手で頭を抱えるアベルを眺めながら、マリアステラは考え込んだ。
夫に媚薬を盛った連中は、実家のエイベル商会から圧力をかければどーとでもなる。
だが、問題は相手の女性だ。
ナンシーでないのはとても喜ばしい。
相手が自分に似ていたからと言われると、複雑ながらも許せてしまうのは、恐らく相手も予想外の出来事だったと思われるからだ。
むしろ、うちの夫が純潔を奪ってしまって申し訳ないと謝らなければと思っている。
ーーうん。とりあえずストラディック家は陛下の許可貰って潰しましょう♪
自分の中で結論を出し、マリアステラはアベルを見た。
「アベル。もし、相手の方が妊娠してたらどうします?わたくしは是非とも産んでいただきたいのだけど…」
ーー男の子産んでくれたら、なお宜しい!!
そんな本音を隠して、マリアステラは夫を誘導するのであったーー。
※※※※※※※※
「クロード。貴方の事だから、相手の方の目星は付けているのではなくて?」
落ち込むアベルを宥めて仕事に戻し、代わりにとクロードを呼び、マリアステラは単刀直入に切り出した。
「…それがですね、お嬢……。オレもナンシー嬢を旦那様のとこに行けないようにするんで、手一杯だったんですよ…。なんで、急ぎで呼んだ連中に、該当する女性達を見張らせてはいます……」
視線を合わさないように話すクロードに、マリアステラは首を傾げた。
「……達?」
「…達です、お嬢。旦那様が反応した香りって、多分お嬢ご愛用の石鹸だと思われます……」
「……あれ、エイベルの一般向け商品じゃない……」
ひくっとマリアステラの口の端が引き攣った。
「そうです。エイベルの一押し商品です。上は王族から下は庶民までご愛用の石鹸です…。なんで、とりあえずお嬢の目の色と同じ、若しくは近い色の人物で当たらせましたところ…」
言葉を詰まらせたクロードに、視線だけで先を促すと、彼はゴクリと唾を飲み込んだ。
「件の屋敷勤めだけでも14人。人手が足りないと近くの村から集められていた女性達で18人でした……」
「…そーよねー。私の目って、何処にでもいる色だしねぇ…。あー。どーしよっかなぁ……」
テーブルに肘をつき、組んだ両手に頭を乗せて唸る。
「時にお嬢。もしかしたらってだけですし、候補の目星付いたんだから、症状出てか「あの人、こないだ《必中》生えたのよねぇ……」」
クロードの言葉に被せるように言われた内容に、彼はにっこり微笑んで首を傾げた。
「……生えたんすか、《商人》スキルなのに……」
「…生えちゃってたのよ。《商人》なのに、何故か……」
「それは…。お嬢、めちゃくちゃ喜んでますね、この件……」
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「…正直に言ってもいい?」
「どぞ」
「産まれてきたのが男だったら!わたくし、自分の持ってるエイベルの権利、渡しても良いくらいに大っ歓っ迎っ!!」
グッと拳を握りしめて言い切ったマリアステラに、クロードは納得した。
マリアステラの痛みから逃げようとする根性を、彼は誰よりも知っている。
「ついでに、可愛い女の子も産んでくれたら、一生お世話する自信もあるの!」
「最愛の夫に浮気推奨って、ないわぁ……」
自分の代わりに出産するかもしれない女性に対し、どれだけの事をしようと思っているかを熱く語り出したマリアステラに、クロードはドン引いていたーー。
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