40 / 53
・神奈川県小田原市 勇者オケヤの実家に行こう
しおりを挟む
ナタネ教授は落ち着いたワンピース。
クローディアは露出の高いジーンズ生地のホットパンツとキャミソール。
夏らしい格好となった同居人と、先日は沼津港で飯を食い、水族館に寄り、買い物をした。
自分、お金持ちですから!
1ヶ月で2000万円稼いだ月収10万ドルプレイヤーですから、浪費が楽しいです!
家に帰ったらテレビを見たり、1つのノートパソコンを運んでアニメを見たり、豪快払い損のサブスクサービスに感謝したくなったりした夜が過ぎ、そして今日がきた。
不思議ものだね。
ナタネ教授が同じ部屋にいると、クローディアも借りてきた猫みたいにおとなしいもので、てか実際猫になってナタネ教授のお腹で眠って起き出してはこなかった。
そんな夜、俺はノートパソコンの前で夜更かしして旅の予定を立てた。
このまんま、こっちとあっちを行き来する生活も悪くない、狭いけど心地よい夜だった。
ま、そんなわけで、本日。
騒がしい彼女たちに起こされた俺は、朝っぱらから白米と刺身のホリデーな朝食を平らげながら、念押しした。
「近所までなら許すけど、遠出は禁止な? お前ら実質、不法滞在者みたいなもんだから」
「わたしたち、子供じゃない……」
「何かとめんどくせーんだよ、この世界は! はい、この画面見て! これ、ケーサツカン!」
ノーパソで警察官の画像を見せた。
「何度も聞いた……倒せば、いいんでしょ……?」
「よくねーよっ!? この人たちに『ちょっとよろしいですか?』と、言われたら、暴力ダメ、絶対……! 速やかに眠らせて退散、これね!?」
「睡眠の魔法が使えない私はどうすれば?」
「シペラスは『すみません、急いでいますので』と、伝えて全力ダッシュで逃げろ。とにかく抵抗するな、不法滞在者だと気付かれるな」
ナタネ教授はわかってくれた。
しかしシペラスとクローディアは納得がいかないようだ。
ケーサツカンなんて倒せばいいだろうとか、そういう異世界式の考え方が抜け切れていない。
「わかった……。じゃ、ヤマデーン電気・オンラインストア……使って、いい……?」
「お前順応はえーな……。いいぞ、けど限度額は5万までな」
「……エロ動画も、見ていい……?」
「それは言わんでよろしいっ!」
なんかメチャメチャ不安が残る……。
残るが、俺のこの世界に帰ってきたのは自分と仲間たちのためだ。
俺は同行者シペラスの手を引いて、自宅アパートを出て、バスで沼津駅に向かった。
同乗者もキャミソとスカート姿のその美少女が異世界の民とは誰も思わないだろう。
沼津駅に着くと、そこからはJRの鈍行だ。
俺たちは殺風景な駅のホームで、東海道線の到着を待った。
「ガスコンロ」
「ん、どうした、シペラス?」
「あれを、付けっぱなしのまま、私たちの世界に飛ばされたのですか……」
「ははは、そうだぜ。それが勇者パーティで最も悲惨な男、オケヤ・ミフウに起きた悲劇だ」
「なんと、怖ろしい……。貴方がここまでしてこの世界に帰ってきたことの意味、やっとわかりました!」
「あんま、アイツの実家には希望とか持たない方がいいかもな……。奇跡でも起きん限り、詰んでるし……」
これから俺たちはオケヤの実家のある隣県神奈川・小田原市に行く。
意外と俺たち、そう遠くないところで暮らしていたんだな。
東海道線の上りがくると、俺たちは電車に乗り込んで車内の吊革を握った。
ちなみに電車の存在は予行演習済みだ。
ガキみたいに外国人風のシペラスが目を輝かすところもまあ、想定内だった。
「すごいですっ、これだけの人間を馬よりも早く遠くに運ぶ仕組み! 私、感動しました!」
「実際すげーよな、電車って」
「はいっ! あ、ここを行くと、デンシャの前の方に行けるのですか!? 一番前に行ってみたいです」
「乗り鉄かよ。ま、いいんじゃねーか」
サラリーマン風のおっさんに、平日から『イチャイチャしてんじゃねーよ、ウザッ!』って顔をされたけど気にしない。
どうせ捨てる世界だ。
世間体なんて捨てることにしていた。
「この先に、勇者様生誕の地があるのですね……! どんなところなのですかっ!?」
「ああ、小田原? 結構でかい都会だな。昔はでかい城があった。あと、カマボコが食える」
「城塞都市ですかっ、それは気になりますっ」
三島、函南、そして熱海。
鈍行である東海道線は熱海で乗り換えになる。
そこからJR本線に乗り換えたら、後は小田原まで一直線だ。
「温泉ですって、ミフネ様!」
「そりゃ熱海だしな。時間あったら帰りに寄ってもいいな」
「え……っ、い、一緒に、ですか……?」
「混浴じゃねーよ……」
男子高校生が羨望の目で俺たちを見ていた。
ああ、わかるよ、俺も混浴がよかったよ。
引き続き乗り鉄状態のシペラスと電車の旅を続けた。
次はどこの駅?
あといくつで小田原?
そう聞かれると、子供の相手をしているような気持ちになったけど、案外それも悪くなかった。
クローディアは露出の高いジーンズ生地のホットパンツとキャミソール。
夏らしい格好となった同居人と、先日は沼津港で飯を食い、水族館に寄り、買い物をした。
自分、お金持ちですから!
1ヶ月で2000万円稼いだ月収10万ドルプレイヤーですから、浪費が楽しいです!
家に帰ったらテレビを見たり、1つのノートパソコンを運んでアニメを見たり、豪快払い損のサブスクサービスに感謝したくなったりした夜が過ぎ、そして今日がきた。
不思議ものだね。
ナタネ教授が同じ部屋にいると、クローディアも借りてきた猫みたいにおとなしいもので、てか実際猫になってナタネ教授のお腹で眠って起き出してはこなかった。
そんな夜、俺はノートパソコンの前で夜更かしして旅の予定を立てた。
このまんま、こっちとあっちを行き来する生活も悪くない、狭いけど心地よい夜だった。
ま、そんなわけで、本日。
騒がしい彼女たちに起こされた俺は、朝っぱらから白米と刺身のホリデーな朝食を平らげながら、念押しした。
「近所までなら許すけど、遠出は禁止な? お前ら実質、不法滞在者みたいなもんだから」
「わたしたち、子供じゃない……」
「何かとめんどくせーんだよ、この世界は! はい、この画面見て! これ、ケーサツカン!」
ノーパソで警察官の画像を見せた。
「何度も聞いた……倒せば、いいんでしょ……?」
「よくねーよっ!? この人たちに『ちょっとよろしいですか?』と、言われたら、暴力ダメ、絶対……! 速やかに眠らせて退散、これね!?」
「睡眠の魔法が使えない私はどうすれば?」
「シペラスは『すみません、急いでいますので』と、伝えて全力ダッシュで逃げろ。とにかく抵抗するな、不法滞在者だと気付かれるな」
ナタネ教授はわかってくれた。
しかしシペラスとクローディアは納得がいかないようだ。
ケーサツカンなんて倒せばいいだろうとか、そういう異世界式の考え方が抜け切れていない。
「わかった……。じゃ、ヤマデーン電気・オンラインストア……使って、いい……?」
「お前順応はえーな……。いいぞ、けど限度額は5万までな」
「……エロ動画も、見ていい……?」
「それは言わんでよろしいっ!」
なんかメチャメチャ不安が残る……。
残るが、俺のこの世界に帰ってきたのは自分と仲間たちのためだ。
俺は同行者シペラスの手を引いて、自宅アパートを出て、バスで沼津駅に向かった。
同乗者もキャミソとスカート姿のその美少女が異世界の民とは誰も思わないだろう。
沼津駅に着くと、そこからはJRの鈍行だ。
俺たちは殺風景な駅のホームで、東海道線の到着を待った。
「ガスコンロ」
「ん、どうした、シペラス?」
「あれを、付けっぱなしのまま、私たちの世界に飛ばされたのですか……」
「ははは、そうだぜ。それが勇者パーティで最も悲惨な男、オケヤ・ミフウに起きた悲劇だ」
「なんと、怖ろしい……。貴方がここまでしてこの世界に帰ってきたことの意味、やっとわかりました!」
「あんま、アイツの実家には希望とか持たない方がいいかもな……。奇跡でも起きん限り、詰んでるし……」
これから俺たちはオケヤの実家のある隣県神奈川・小田原市に行く。
意外と俺たち、そう遠くないところで暮らしていたんだな。
東海道線の上りがくると、俺たちは電車に乗り込んで車内の吊革を握った。
ちなみに電車の存在は予行演習済みだ。
ガキみたいに外国人風のシペラスが目を輝かすところもまあ、想定内だった。
「すごいですっ、これだけの人間を馬よりも早く遠くに運ぶ仕組み! 私、感動しました!」
「実際すげーよな、電車って」
「はいっ! あ、ここを行くと、デンシャの前の方に行けるのですか!? 一番前に行ってみたいです」
「乗り鉄かよ。ま、いいんじゃねーか」
サラリーマン風のおっさんに、平日から『イチャイチャしてんじゃねーよ、ウザッ!』って顔をされたけど気にしない。
どうせ捨てる世界だ。
世間体なんて捨てることにしていた。
「この先に、勇者様生誕の地があるのですね……! どんなところなのですかっ!?」
「ああ、小田原? 結構でかい都会だな。昔はでかい城があった。あと、カマボコが食える」
「城塞都市ですかっ、それは気になりますっ」
三島、函南、そして熱海。
鈍行である東海道線は熱海で乗り換えになる。
そこからJR本線に乗り換えたら、後は小田原まで一直線だ。
「温泉ですって、ミフネ様!」
「そりゃ熱海だしな。時間あったら帰りに寄ってもいいな」
「え……っ、い、一緒に、ですか……?」
「混浴じゃねーよ……」
男子高校生が羨望の目で俺たちを見ていた。
ああ、わかるよ、俺も混浴がよかったよ。
引き続き乗り鉄状態のシペラスと電車の旅を続けた。
次はどこの駅?
あといくつで小田原?
そう聞かれると、子供の相手をしているような気持ちになったけど、案外それも悪くなかった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる