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第5章:幻惑の白拍子、試される魂
第2話:男装の陰陽師は美人白拍子に惑わされる2
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その時だった。
寂れた古い神社の前を通りかかった僕たちの耳に、どこからともなく、女の人の歌う声が聞こえてきた。
それは今様――この時代に都で流行ってる歌謡曲みたいなやつ、だった。
その声がなんとも言えず艶っぽくて、聞く人の心を掴んで離さないような、不思議な響きを持っていた。
「……お、良い歌だな。どこからだ?」
真白が足を止めて、耳を澄ませた。
歌声は、夜の静けさを破ってるのに、不思議と耳に心地いい。
まるで、魂を直接誘いかけてくるような、抗えない魔力みたいなものを秘めてる感じだった。
僕もまた、その声に強く惹きつけられて、声がする方に視線を向けた。
声は、神社の奥から聞こえてくるみたいだ。
暗闇の中にぼんやりと浮かぶ神社は、かなり荒れ果ててる。
境内には人の気配もない。
廃墟同然の神社から響いてくるっていうのに、その歌声は、逆に神秘的な雰囲気すら漂わせていた。
僕たちは、まるで何かに誘われるみたいに、自然と神社の鳥居をくぐって、苔むした石段を登っていった。
ちょっと怖いけど、気になる……!
境内は静まり返っていて、草木の影が、風に不気味に揺れてる。
古い木々の枝が、まるで「来るな」って言ってるみたいにザワザワ揺れて、見えない何かが潜んでるような錯覚に陥りそうだった。
(うぅ、雰囲気ありすぎ……)
石段を登りきった先に、簡素な舞殿があった。
その真ん中で、一人の白拍子が、月明かりをスポットライトみたいに浴びながら、舞っていた。
歳は……二十二、三くらいかな?
異国の血を引いてるっぽい、健康的な褐色の肌。
暗闇の中でもキラキラと輝く猫みたいな金色の瞳。
白の水干と緋色の袴っていう、艶やかな舞衣装を身に纏ってる。
扇を操る手つき、滑らかな足の運び、しなやかな身体の動き――。
その全てが、完璧に計算し尽くされてるみたいで、でも、同時にどこまでも自然で美しい。
見惚れちゃう……
この、とんでもない歌と舞で僕たちを魅了する舞姫こそ、今、都でめちゃくちゃ評判の白拍子、雅さんだった。
こっちの気配に気づいたのか、雅さんは舞をピタッと止めて、猫みたいにしなやかな動きで、僕たちの方へと向き直った。
その鋭い視線が、僕を捉えた瞬間、背筋にゾクッ!と戦慄が走った。
(……この人、ただの舞姫じゃない!)
暗闇でも光を失わないその瞳に、魂の奥底まで見透かされそうな錯覚を覚えた。
ヤバい、なんか見抜かれてる気がする……!
無意識のうちに身構えていた僕は、咄嗟に警戒の色を隠そうとした。
でも、雅さんはその変化を見抜いたのか、形の良い唇をニィッと歪めて、妖しく微笑んだ。
わ、その笑顔、逆に怖い!
一方、真白はというと……雅さんの美しさに完全に心を奪われちゃってた。
おい、真白!しっかりしろ!
“すごい……美人すぎる……”って、顔に書いてある。
デレデレじゃん。
なんかムカつく。
月下の境内っていう、これ以上ないくらい神秘的なシチュエーション。
そこで歌い、舞い踊る姿は、まさに夢か幻か。
彼の心は、雅さんの艶やかな舞姿の余韻にどっぷり浸っちゃってて、その危険なオーラを察知できてないみたいだった。
コイツ大丈夫か……?
呆けた横顔を睨んで、ちょっとほっぺたをつねってやった。
「……いててっ!朔夜、何すんだよ!?」
「ボーっとしてるからだ。気を抜くなバカ」
僕は小さく囁いた。
「へいへい……」
不満顔で頬を擦る真白から視線を雅さんに戻す。
境内の空気は、舞が終わった後も不思議な熱気に包まれてる。
草木の隙間を縫って吹いてくる夜風さえ、なぜか温かく感じられる。
月明かりが舞殿に幾何学的な影を描く中、僕の体に備わってる霊的なセンサーが、異質な気配をキャッチしていた。雅さんの微笑みは、獲物を前にした、飢えた獣のそれに似ていた。
食べられちゃうの!?僕ら!
「あら、こんな時分に。物好きな方たちねえ」
雅さんの声は、夜の空気に溶け込むように、艶っぽく響いた。
その声色には、人を惑わす不思議な力が込められてる。
聞いてるとクラクラしてくる……
言葉の端々から感じられる挑発的な響きが、僕の神経をジリジリと刺激する。
ゆっくりと歩み寄ってくる雅さんの一挙手一投足を、僕は注意深く観察した。
水面を滑るような、なめらかな足取り。
足音ひとつ、立てない。
まるで妖か幽鬼みたい。
僕の心臓が、ドクドクと激しく鼓動する。
圧倒的な存在感に、得体の知れなさがプラスされて、もう恐怖しかない。
じっと見つめる蠱惑的な瞳に、まばたきすらできない。
金縛りにあったみたい……
手のひらに、じっとりと冷たい汗が滲んできた。
静寂の中、風に揺れる木々のざわめきと、遠くで鳴く夜鷺の声だけが響いてる。
僕の神経は、極限まで研ぎ澄まされていた。
いつでも動けるようにしとかないと……!
次の瞬間、何の前触れもなく。
雅さんの身体から、ふわりと、目には見えない“何か”が放たれた。
(しまった!)
僕は咄嗟に身構えようとしたけど、もう遅い。
雅さんの得意とする幻術が、すでに僕たち二人を、優しく、しかし確実に包み込んでいたんだ。
(うわ、これ幻術!?)
その術の威力は、僕が今まで経験したどんな術とも比べ物にならないくらい強力だった。
レベルが違う……!
まるで、真綿に包まれるような感覚が全身を覆って、意識が急速に曖昧になっていく。
ヤバい、眠く……
「う……なんだ、これ……急に、眠……」
真白は雅さんの術に抗う間もなく、ふらりと身体を揺らして、その場に崩れるようにして眠り込んじゃった。
(おいこら、しっかりしろーー!! )
その顔には、安らかな眠りについた人特有の、穏やかな表情が浮かんでる。
呑気な顔して寝てる場合か!
僕は真白を守ろうと必死に抵抗した。
でも、雅さんの術は、巧妙に僕の精神のスキマに入り込んできて、抵抗する気力そのものを奪っていく。
くっ……ダメだ、抗えない……!
「さあ、見せてちょうだい、"お嬢ちゃん"。アンタの魂の奥底を……」
雅さんの囁きが、遠のいていく僕の意識に響いた。
(お嬢ちゃん……!?)
その声は、悪魔の誘惑みたいに甘くて、そして、ぞっとするほど恐ろしく響く。
雅さんが、僕の正体――僕が女だってことを見抜いているのは、もはや疑いようもなかった。
なんで……バレてる!?
「貴女は、僕の正体を……!?」
何とかそれだけを絞り出したけど、身体はまるで底なし沼に引きずり込まれるみたいに、雅さんが作り出した幻術の世界へと、完全に飲み込まれていった。
そこで、僕は自分の本質を試されることになる。
僕の魂が、今、幻惑の試練に晒されようとしていた。
この白拍子、一体何者なんだ!?
なんで、僕の正体を知ってるの!?
その疑問の答えを知る間もなく、僕の意識は、幻想世界の深淵へと、深く、深く沈んでいった……
◇◇◇
【あとがき】
カオス会議:第5章第2話「男装の陰陽師は美人白拍子に惑わされる」編
登場人物
朔夜:謁見の疲れが取れないうちに、今度は怪しすぎる舞姫とご対面。今回も胃に穴があきそう。
真白:朔夜ガチ勢な番犬男子。尾行からしれっと合流。美人登場に秒でデレてつねられた。
夜刀:朔夜ガチ勢な忠犬式神。出番はなくともあとがきまで主を見守り隊。真白とは今日も火花全開。
雅:謎の白拍子。美貌、歌、舞、幻術、全部乗せ。強キャラ感ありありのお姉さま。
朔夜(げっそり):
「……いやホント、次から次へと事件が……胃に優しくないんだけど……」
真白(心配そうに):
「大丈夫か、朔夜? 胃薬持ってこようか?」
朔夜(ギロリ):
「今さら気を遣っても騙されないよ?デレッデレで頼りにならなかったの、忘れてないからね?」
真白(必死に取り繕いながら):
「ち、違うんだって!あのシチュエーションは誰だって油断するだろ!?な、なぁ!?(汗)」
朔夜(ジト目):
「真白も守らなきゃいけなくなって、気が逸れた隙に僕も幻術につかまったわけですが。そのへん、自覚あります?」
真白(冷や汗):
「う……悪かったって!!」
夜刀(どこからともなくスッと登場):
「主が幻術に囚われた、ですと?……真白殿、貴方はいったい何をしていたんですか?」
真白:
「うわっ!?どっから沸いた!?てか、ぜんぶ俺のせいかよ!?いや、たしかにちょっとは見惚れてたかもしんねぇけど……」
夜刀(目を細めて):
「……甘い。主を守るつもりならば、いかなる時も有事に備えるべきです」
真白:
「ぐっ……今回ばかりは反論できない……(ガクリ)」
朔夜(ため息):
「もういいよ……胃も心も削れてるんだよ僕は……しかも、あの人、僕の性別に気づいてたかもっていう……」
真白(驚愕):
「……は!?お、お前、女ってこと、アイツにバレてたのか!?なんで!?」
夜刀(ピクリと反応):
「それが真実なら、捨て置けませんね。主の“秘密”に踏み込もうとする者は、例外なく……」
朔夜(焦って):
「ちょっ、夜刀!お願いだから過剰防衛しないで!?あと、毎度このパターンになるのやめれる!?」
雅(舞殿の影からしれっと登場):
「ふふ……そんなに警戒しないでちょうだいな。可愛いからって寝込みを襲ったりしないわよ?……たぶん(ニッコリ)」
朔夜(体を抱きしめて):
「ひいっ!!いきなり発言が不穏!!」
夜刀(刀に手をかけ):
「主に仇なすならば、女子といえど容赦はしません」
雅(大げさに驚いて):
「あら、怖い。いやねえ、冗談よ、じょ・う・だ・ん♡(ウインク)」
真白(ドキドキ♡妄想中):
(び、美人なお姉さまに寝込み襲われるって……な、何されるんだ?)
雅(妖艶な流し目):
「ふふ……そっちのボウヤは何を期待しているのかしら?」
朔夜(再びのジト目):
「真白……不潔」
真白(滝汗):
「え!?いやいやいや、べ、別にオレは何も!?誤解だって!!」
夜刀(抜刀再び):
「不埒な輩は、主の前から未来永劫消えなさい」
真白:
「うおい!!マジで殺気向けんなって!!」
朔夜(絶望顔):
「ああもう、お願いだから誰か僕に休息を……せめて一話、何も起きない話をください……」
◇◇◇
謎の白拍子・雅、果たして敵か味方か?
次回――幻惑の中で、朔夜は何を見るのか?
お楽しみに!
♡やブクマ、コメントでの応援が、朔夜の正気を保つカギです(笑)よろしくお願いします!
寂れた古い神社の前を通りかかった僕たちの耳に、どこからともなく、女の人の歌う声が聞こえてきた。
それは今様――この時代に都で流行ってる歌謡曲みたいなやつ、だった。
その声がなんとも言えず艶っぽくて、聞く人の心を掴んで離さないような、不思議な響きを持っていた。
「……お、良い歌だな。どこからだ?」
真白が足を止めて、耳を澄ませた。
歌声は、夜の静けさを破ってるのに、不思議と耳に心地いい。
まるで、魂を直接誘いかけてくるような、抗えない魔力みたいなものを秘めてる感じだった。
僕もまた、その声に強く惹きつけられて、声がする方に視線を向けた。
声は、神社の奥から聞こえてくるみたいだ。
暗闇の中にぼんやりと浮かぶ神社は、かなり荒れ果ててる。
境内には人の気配もない。
廃墟同然の神社から響いてくるっていうのに、その歌声は、逆に神秘的な雰囲気すら漂わせていた。
僕たちは、まるで何かに誘われるみたいに、自然と神社の鳥居をくぐって、苔むした石段を登っていった。
ちょっと怖いけど、気になる……!
境内は静まり返っていて、草木の影が、風に不気味に揺れてる。
古い木々の枝が、まるで「来るな」って言ってるみたいにザワザワ揺れて、見えない何かが潜んでるような錯覚に陥りそうだった。
(うぅ、雰囲気ありすぎ……)
石段を登りきった先に、簡素な舞殿があった。
その真ん中で、一人の白拍子が、月明かりをスポットライトみたいに浴びながら、舞っていた。
歳は……二十二、三くらいかな?
異国の血を引いてるっぽい、健康的な褐色の肌。
暗闇の中でもキラキラと輝く猫みたいな金色の瞳。
白の水干と緋色の袴っていう、艶やかな舞衣装を身に纏ってる。
扇を操る手つき、滑らかな足の運び、しなやかな身体の動き――。
その全てが、完璧に計算し尽くされてるみたいで、でも、同時にどこまでも自然で美しい。
見惚れちゃう……
この、とんでもない歌と舞で僕たちを魅了する舞姫こそ、今、都でめちゃくちゃ評判の白拍子、雅さんだった。
こっちの気配に気づいたのか、雅さんは舞をピタッと止めて、猫みたいにしなやかな動きで、僕たちの方へと向き直った。
その鋭い視線が、僕を捉えた瞬間、背筋にゾクッ!と戦慄が走った。
(……この人、ただの舞姫じゃない!)
暗闇でも光を失わないその瞳に、魂の奥底まで見透かされそうな錯覚を覚えた。
ヤバい、なんか見抜かれてる気がする……!
無意識のうちに身構えていた僕は、咄嗟に警戒の色を隠そうとした。
でも、雅さんはその変化を見抜いたのか、形の良い唇をニィッと歪めて、妖しく微笑んだ。
わ、その笑顔、逆に怖い!
一方、真白はというと……雅さんの美しさに完全に心を奪われちゃってた。
おい、真白!しっかりしろ!
“すごい……美人すぎる……”って、顔に書いてある。
デレデレじゃん。
なんかムカつく。
月下の境内っていう、これ以上ないくらい神秘的なシチュエーション。
そこで歌い、舞い踊る姿は、まさに夢か幻か。
彼の心は、雅さんの艶やかな舞姿の余韻にどっぷり浸っちゃってて、その危険なオーラを察知できてないみたいだった。
コイツ大丈夫か……?
呆けた横顔を睨んで、ちょっとほっぺたをつねってやった。
「……いててっ!朔夜、何すんだよ!?」
「ボーっとしてるからだ。気を抜くなバカ」
僕は小さく囁いた。
「へいへい……」
不満顔で頬を擦る真白から視線を雅さんに戻す。
境内の空気は、舞が終わった後も不思議な熱気に包まれてる。
草木の隙間を縫って吹いてくる夜風さえ、なぜか温かく感じられる。
月明かりが舞殿に幾何学的な影を描く中、僕の体に備わってる霊的なセンサーが、異質な気配をキャッチしていた。雅さんの微笑みは、獲物を前にした、飢えた獣のそれに似ていた。
食べられちゃうの!?僕ら!
「あら、こんな時分に。物好きな方たちねえ」
雅さんの声は、夜の空気に溶け込むように、艶っぽく響いた。
その声色には、人を惑わす不思議な力が込められてる。
聞いてるとクラクラしてくる……
言葉の端々から感じられる挑発的な響きが、僕の神経をジリジリと刺激する。
ゆっくりと歩み寄ってくる雅さんの一挙手一投足を、僕は注意深く観察した。
水面を滑るような、なめらかな足取り。
足音ひとつ、立てない。
まるで妖か幽鬼みたい。
僕の心臓が、ドクドクと激しく鼓動する。
圧倒的な存在感に、得体の知れなさがプラスされて、もう恐怖しかない。
じっと見つめる蠱惑的な瞳に、まばたきすらできない。
金縛りにあったみたい……
手のひらに、じっとりと冷たい汗が滲んできた。
静寂の中、風に揺れる木々のざわめきと、遠くで鳴く夜鷺の声だけが響いてる。
僕の神経は、極限まで研ぎ澄まされていた。
いつでも動けるようにしとかないと……!
次の瞬間、何の前触れもなく。
雅さんの身体から、ふわりと、目には見えない“何か”が放たれた。
(しまった!)
僕は咄嗟に身構えようとしたけど、もう遅い。
雅さんの得意とする幻術が、すでに僕たち二人を、優しく、しかし確実に包み込んでいたんだ。
(うわ、これ幻術!?)
その術の威力は、僕が今まで経験したどんな術とも比べ物にならないくらい強力だった。
レベルが違う……!
まるで、真綿に包まれるような感覚が全身を覆って、意識が急速に曖昧になっていく。
ヤバい、眠く……
「う……なんだ、これ……急に、眠……」
真白は雅さんの術に抗う間もなく、ふらりと身体を揺らして、その場に崩れるようにして眠り込んじゃった。
(おいこら、しっかりしろーー!! )
その顔には、安らかな眠りについた人特有の、穏やかな表情が浮かんでる。
呑気な顔して寝てる場合か!
僕は真白を守ろうと必死に抵抗した。
でも、雅さんの術は、巧妙に僕の精神のスキマに入り込んできて、抵抗する気力そのものを奪っていく。
くっ……ダメだ、抗えない……!
「さあ、見せてちょうだい、"お嬢ちゃん"。アンタの魂の奥底を……」
雅さんの囁きが、遠のいていく僕の意識に響いた。
(お嬢ちゃん……!?)
その声は、悪魔の誘惑みたいに甘くて、そして、ぞっとするほど恐ろしく響く。
雅さんが、僕の正体――僕が女だってことを見抜いているのは、もはや疑いようもなかった。
なんで……バレてる!?
「貴女は、僕の正体を……!?」
何とかそれだけを絞り出したけど、身体はまるで底なし沼に引きずり込まれるみたいに、雅さんが作り出した幻術の世界へと、完全に飲み込まれていった。
そこで、僕は自分の本質を試されることになる。
僕の魂が、今、幻惑の試練に晒されようとしていた。
この白拍子、一体何者なんだ!?
なんで、僕の正体を知ってるの!?
その疑問の答えを知る間もなく、僕の意識は、幻想世界の深淵へと、深く、深く沈んでいった……
◇◇◇
【あとがき】
カオス会議:第5章第2話「男装の陰陽師は美人白拍子に惑わされる」編
登場人物
朔夜:謁見の疲れが取れないうちに、今度は怪しすぎる舞姫とご対面。今回も胃に穴があきそう。
真白:朔夜ガチ勢な番犬男子。尾行からしれっと合流。美人登場に秒でデレてつねられた。
夜刀:朔夜ガチ勢な忠犬式神。出番はなくともあとがきまで主を見守り隊。真白とは今日も火花全開。
雅:謎の白拍子。美貌、歌、舞、幻術、全部乗せ。強キャラ感ありありのお姉さま。
朔夜(げっそり):
「……いやホント、次から次へと事件が……胃に優しくないんだけど……」
真白(心配そうに):
「大丈夫か、朔夜? 胃薬持ってこようか?」
朔夜(ギロリ):
「今さら気を遣っても騙されないよ?デレッデレで頼りにならなかったの、忘れてないからね?」
真白(必死に取り繕いながら):
「ち、違うんだって!あのシチュエーションは誰だって油断するだろ!?な、なぁ!?(汗)」
朔夜(ジト目):
「真白も守らなきゃいけなくなって、気が逸れた隙に僕も幻術につかまったわけですが。そのへん、自覚あります?」
真白(冷や汗):
「う……悪かったって!!」
夜刀(どこからともなくスッと登場):
「主が幻術に囚われた、ですと?……真白殿、貴方はいったい何をしていたんですか?」
真白:
「うわっ!?どっから沸いた!?てか、ぜんぶ俺のせいかよ!?いや、たしかにちょっとは見惚れてたかもしんねぇけど……」
夜刀(目を細めて):
「……甘い。主を守るつもりならば、いかなる時も有事に備えるべきです」
真白:
「ぐっ……今回ばかりは反論できない……(ガクリ)」
朔夜(ため息):
「もういいよ……胃も心も削れてるんだよ僕は……しかも、あの人、僕の性別に気づいてたかもっていう……」
真白(驚愕):
「……は!?お、お前、女ってこと、アイツにバレてたのか!?なんで!?」
夜刀(ピクリと反応):
「それが真実なら、捨て置けませんね。主の“秘密”に踏み込もうとする者は、例外なく……」
朔夜(焦って):
「ちょっ、夜刀!お願いだから過剰防衛しないで!?あと、毎度このパターンになるのやめれる!?」
雅(舞殿の影からしれっと登場):
「ふふ……そんなに警戒しないでちょうだいな。可愛いからって寝込みを襲ったりしないわよ?……たぶん(ニッコリ)」
朔夜(体を抱きしめて):
「ひいっ!!いきなり発言が不穏!!」
夜刀(刀に手をかけ):
「主に仇なすならば、女子といえど容赦はしません」
雅(大げさに驚いて):
「あら、怖い。いやねえ、冗談よ、じょ・う・だ・ん♡(ウインク)」
真白(ドキドキ♡妄想中):
(び、美人なお姉さまに寝込み襲われるって……な、何されるんだ?)
雅(妖艶な流し目):
「ふふ……そっちのボウヤは何を期待しているのかしら?」
朔夜(再びのジト目):
「真白……不潔」
真白(滝汗):
「え!?いやいやいや、べ、別にオレは何も!?誤解だって!!」
夜刀(抜刀再び):
「不埒な輩は、主の前から未来永劫消えなさい」
真白:
「うおい!!マジで殺気向けんなって!!」
朔夜(絶望顔):
「ああもう、お願いだから誰か僕に休息を……せめて一話、何も起きない話をください……」
◇◇◇
謎の白拍子・雅、果たして敵か味方か?
次回――幻惑の中で、朔夜は何を見るのか?
お楽しみに!
♡やブクマ、コメントでの応援が、朔夜の正気を保つカギです(笑)よろしくお願いします!
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