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第8章:帝都鳴動、荒神顕現
第2話:男装の陰陽師は囚われの月となる2
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意識が戻った時、僕はひんやりとした硬い石の床の上にいた。
薄暗い、だだっ広い部屋。
儀式でもする場所なのかな。
ゆっくり体を起こして、自分の姿を見て息を呑んだ。
雪のように真っ白な、女性の装束。
嘘でしょ、これって婚礼衣装じゃないか……!
本気で僕を嫁にする気なの、あの男……!?
床には僕の力を封じるための禍々しい紋様が描かれてて、紫の怪しい光を放つ帯が檻みたいに僕を取り囲んでる。
それに、なんだか鼻の奥に絡みつくような、甘ったるい香りが部屋に満ちてて……。
「……うっ……」
濃厚すぎる匂いに吐き気がして、思わずえずいてしまった。
その時、階段の上から、楽しげな声が降ってきた。
「……目が覚めたか、我が花嫁よ」
「……誰が、花嫁だ!」
睨みつける僕に、玄道は歪んだ笑みを浮かべる。
このままじゃ、本当に結婚させられる…‥。
でも、もう少し待てば、きっと夜刀たちが助けに来てくれる。
なんとかして時間を稼がないと!
僕は脳みそをフル稼働させた。
そして、ふとイザナミ母様の言葉を思い出した。
「……あなたは、我が師、清晄と、清耀兄様を恨んでいたのか?」
僕が訪ねると、玄道はニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
「萩壺から聞いたか。……いかにも。あの男どもは邪魔だった」
彼は語り始めた。
彼の祖神たるスサノオを封じた師への憎しみ。
その才能と人柄から人望も厚く、次期陰陽頭と期待されていた兄様への嫉妬。
特に、帝の御前での力比べの際の出来事が、玄道のプライドをズタズタにしたらしい。
「勝負に勝ったのは私だった!」
玄道は自慢げに声を張り上げる。
でも次の瞬間、その顔は屈辱に歪んだ。
「……だが、帝が称賛したのは、術に巻き込まれた蝶なんぞを助けて負傷した、あやつだった!」
勝負より命を大切にする。
いかにも優しい兄様らしいエピソード。
それを理解している帝もやっぱり素晴らしい御方だ。
でも、力に溺れ、それしか見ていない玄道には、それが理解できなかった。
そして、二人への恨みを募らせた玄道は、邪魔者を消すためにイザナミ母様と手を組んだ。
強力な妖魔を作り上げて、二人を死に追いやったんだ……。
「ふふ……イザナミは良い隠れ蓑になってくれた。私に利用されているとも知らずに……」
満足そうに笑う玄道に、怒りがこみ上げる。
そんな……そんなくだらない理由で、僕の大切な師匠と兄様は殺されたっていうの──?
許せない、絶対に許せない!
「なぜ……そこまでして地位を、力を、求める……?」
「決まっているだろう。復讐と、世直しのためだ」
彼は、自分が三貴神の一柱であるスサノオの末裔であること、そのせいで一族が不遇をかこってきたことを語った。
スサノオ……海神であり、その粗暴さから荒神とも言われる、僕──ツクヨミの弟神。
まさかここでその名前を聞くとは思わなかった。
驚く僕を置き去りに、玄道はこの腐った世界を一度壊して、自分の手で正しく再生させるんだって、狂気じみた野望まで語った。
部屋に満ちる玄道の霊力は、彼が興奮するにつれてどんどん濃くなってくる。
(このままじゃ、あいつの思うつぼだ……)
だけど、何とかしなきゃと焦る僕の隙を突いて、彼は禍々しい光の檻の中に入り込み、抵抗する僕を軽々と抱き寄せた。
「……この、離せ!」
「気乗りがせぬなら婚礼は今でなくとも良い。だが、まずはその力、少し借りるぞ」
そう囁くと、玄道は自分の人差し指を噛み切り、その血で僕の額に呪印を描いた。
「ぐっ……ぁ……!」
瞬間、体から力が抜けて、眩しい光が溢れ出す。
ツクヨミの神力が、無理やり引き出されていく……!
ぐったりと彼の腕に抱かれる僕を、玄道は愛おしそうに見下ろし、額に口づけた。
やめて……触らないで……!
「……もはや、逃がしはせぬ。共に世界を統べようぞ」
僕から放たれた光は一筋の柱になって、天井を突き抜け、北の空を指し示した。
「ほう、そこに御座しましたか、我が祖神よ。今こそそのお力、貰い受けに参りましょう……」
玄道の高笑いが、この牢獄みたいな部屋に不気味に響き渡った。
でもその時、祭壇に据えた大鏡に人影が映った。
「ふむ、どうやらネズミどもが入り込んだようだ」
そこに映し出されたのは、真白と夜刀だった。
きっと僕が残した霊符を見つけて、助けに来てくれたんだ……!
でも、喜んだのもつかの間、二人は屋敷の周りに張られた結界が破れず、立ち往生していた。
真白が霊符を叩きつけても、びくともしない。
「……ふふ。私の結界はそう簡単に破れぬよ」
そう言って、玄道は僕を抱く腕に力を籠めると、片手で髪を梳いた。
(だから、触るなって!)
恍惚とした表情で見つめながら、何度も髪を梳く手のいやらしさに総毛立つ。
我慢も限界になってきた時、鏡の中の夜刀が、ふと動きを止めた。
何か呟いたみたいだけど、鏡から伝わる音は小さすぎて、聞き取ることはできなかった。
息を詰めて見守る僕の視線の先で、彼は目を閉じ、深く息を吐く。
次の瞬間、夜刀の体から凄まじい神気が溢れ出し、その姿は白銀の鱗を輝かせる巨大な蛇へと変わった。
は!? どういうこと!?
初めて見る夜刀の姿に、僕は動揺を隠せなかった。
真白も驚いて固まっているのが、鏡越しに見て取れる。
白い大蛇は、その巨体で激しく突進し、結界をいともたやすく粉砕した。
え、夜刀……すごすぎない!?
そんな隠し玉、聞いてないんだけど!
◇◇◇
【あとがき】
カオス会議:第8章第2話「男装の陰陽師は囚われの月となる」編
登場人物
朔夜: 絶賛囚われ中の姫ポジ主人公。玄道にお触りされてSAN値が地の底。夜刀の姿にちょっと引いてる。
真白: 屋敷に入れずウロウロする姿はまさにワンコ。怒りのボルテージは最高潮なので次話に期待。
夜刀: 主を救うため本当の力を解放。狼系かと思いきや、まさかの蛇系。でも性格的には“それな”感。
玄道: 愛しのツクヨミ(朔夜)の拉致に成功し、ご満悦の黒幕。結界の外で騒ぐネズミどもを優雅に高みの見物中。
真白 (結界の前で右往左往) :
「くそっ! なんだよこの結界、硬すぎだろ! 朔夜ァ! 今助けに行くからなー!」
夜刀 (一周回って冷静) :
「……真白殿、無駄に叫ぶのはおやめなさい。ここは私がなんとかします」
真白 (オロオロ):
「なんとかって、どうすんだよ!?」
玄道 (儀式の間の祭壇で、朔夜の髪を弄びながら):
「ふふ……聞こえるか、朔夜。外で犬が二匹、けたたましく吠えているぞ」
朔夜 (顔を背けながら):
「……触るな、気色悪い!」
夜刀 (聞こえてきた声に驚いて):
「……主!?」
真白 (心配そうに):
「朔夜!?大丈夫か!?」
朔夜 (ゲッソリ):
「だいじょぶだけど、だいじょばない……助けてド〇えもん……」
玄道 (余裕の笑み):
「ふふ……嫌がる姿もまた一興」
朔夜 (“G”を見るような目で):
「マジでキモイ……」
夜刀 (何かを決意して):
「くっ……できればこの手は使いたくなかったのですが、やむを得ません」(深紅の瞳が輝く)
朔夜 (驚愕して):
「え、夜刀!?」
夜刀 (大声で叫びつつ決めポーズ):
「チェーンジ!ダイジャマン!!」(神気を放って大蛇に変化)
朔夜 (顔を引きつらせて):
「ダサッ! 昭和でもそれは無いわってくらいダサッ!!あとダイジャマンていうか、ただの大蛇じゃん!」
玄道 (面白そうに):
「おや? 朔夜は私よりも式神の方が気になるか?」
朔夜 (水晶を指差して):
「いやいや、気にならない方がおかしいでしょ!? セリフもポーズもでっかい白蛇になってんのも何もかも!え、何なの!?神気ってことは夜刀も神の転生体ってこと!?」
夜刀“大蛇ver.” (キリッ):
『詳細はWebで』
朔夜 (困惑して):
「Webでって何!?蛇でキメ顔やめれる!?なんか怖い!」
真白 (キャパオーバーでパニック中) :
「……え、え、ダイジャマン!?Web!?どゆこと!?」
玄道 (心底愉しそうに):
「ククク……あの式神、あのような力を隠し持っていたか。だが、無駄なことだ。この結界は破れんよ。朔夜、もう諦めて、私だけのものになると誓うがいい」
朔夜 (睨みつけて):
「死んでもヤダ!」
真白(気を取り直して) :
「ふさげんな、玄道! 朔夜に指一本でも触れてみやがれ!ボッコボコにしてやんよ!」
玄道 (心底楽しそうに耳に唇を寄せて):
「ふふ……もはや触れているどころではないのだが。なあ、朔夜?」
朔夜 (全身トリ肌):
「ぎゃあああ!やめろヘンタイいいい!!」
真白 (焦って):
「朔夜!?玄道、てめえ、朔夜に何してんだ!?」
夜刀“大蛇ver.” (シャーッと威嚇音を響かせながら) :
『……我が主に狼藉を働いた罪、死をもって償わせてやる。覚悟せよ』(と言いつつ、結界に猛烈アタック)
\パリーーーン/
真白 (口をあんぐり開けて):
「……マジかよ。あの結界が一撃で粉々に……」
玄道 (まだ余裕の表情で):
「ほう、あれを破るか。だが、まだ罠は何重にも張ってある。果たしてここまで辿り着けるかな?」
夜刀“大蛇ver.”(怒りを堪えつつ) :
『……当然です。主、すぐにお助けいたします。もう少しご辛抱ください』
朔夜 (スンッ):
「……あ、うん。ありがとう。けど、人型になってから来て?今更だけど、僕、爬虫類NGなんだよ……」
夜刀“大蛇ver.”(大ショック) :
『……な、なんと!?』
朔夜 (ガクブル):
「遠目ならなんとかなるけど、至近距離はマジで無理……」
真白 (同情的な目で):
「……ドンマイ、夜刀。てか、さすがにそのサイズはオレでもビビるわ」
夜刀 (速攻で変化を解いて何事もなかったかのように):
「……主、あなたは夢を見たのです。ほら、私はいつもどおりのイケメン式神ですよ?」
朔夜 (ジト目):
「いや、今さら夢にはできないよ?あと、確かにイケメンだけど、自分で言っちゃう?」
夜刀 (ニコニコ):
「お褒めにあずかり光栄です」
朔夜 (呆れながら):
「いや、褒めてないけどね!?」
夜刀 (そ知らぬ顔で):
「さあさあ、真白殿。さっさと行きましょう」
真白 (焦って追いかける):
「ちょっと待てって、夜刀!ひとりで先に行くな!」
玄道 (優雅なため息):
「ふう……まったく、騒がしいネズミどもだ。朔夜、周りに置く者はもっと選んだほうが良いぞ?」
朔夜 (キレ気味に):
「“自分は常識人です”みたいな顔すんな!あんたが一番ヤバい奴だからね!?」
◇◇◇
まさかの爬虫類NGに夜刀涙目。
がんばれ夜刀!
「こんなカオス会議とかSSが読みたい」などご要望があればぜひ!
コメント、評価、よろしくお願いします!
薄暗い、だだっ広い部屋。
儀式でもする場所なのかな。
ゆっくり体を起こして、自分の姿を見て息を呑んだ。
雪のように真っ白な、女性の装束。
嘘でしょ、これって婚礼衣装じゃないか……!
本気で僕を嫁にする気なの、あの男……!?
床には僕の力を封じるための禍々しい紋様が描かれてて、紫の怪しい光を放つ帯が檻みたいに僕を取り囲んでる。
それに、なんだか鼻の奥に絡みつくような、甘ったるい香りが部屋に満ちてて……。
「……うっ……」
濃厚すぎる匂いに吐き気がして、思わずえずいてしまった。
その時、階段の上から、楽しげな声が降ってきた。
「……目が覚めたか、我が花嫁よ」
「……誰が、花嫁だ!」
睨みつける僕に、玄道は歪んだ笑みを浮かべる。
このままじゃ、本当に結婚させられる…‥。
でも、もう少し待てば、きっと夜刀たちが助けに来てくれる。
なんとかして時間を稼がないと!
僕は脳みそをフル稼働させた。
そして、ふとイザナミ母様の言葉を思い出した。
「……あなたは、我が師、清晄と、清耀兄様を恨んでいたのか?」
僕が訪ねると、玄道はニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
「萩壺から聞いたか。……いかにも。あの男どもは邪魔だった」
彼は語り始めた。
彼の祖神たるスサノオを封じた師への憎しみ。
その才能と人柄から人望も厚く、次期陰陽頭と期待されていた兄様への嫉妬。
特に、帝の御前での力比べの際の出来事が、玄道のプライドをズタズタにしたらしい。
「勝負に勝ったのは私だった!」
玄道は自慢げに声を張り上げる。
でも次の瞬間、その顔は屈辱に歪んだ。
「……だが、帝が称賛したのは、術に巻き込まれた蝶なんぞを助けて負傷した、あやつだった!」
勝負より命を大切にする。
いかにも優しい兄様らしいエピソード。
それを理解している帝もやっぱり素晴らしい御方だ。
でも、力に溺れ、それしか見ていない玄道には、それが理解できなかった。
そして、二人への恨みを募らせた玄道は、邪魔者を消すためにイザナミ母様と手を組んだ。
強力な妖魔を作り上げて、二人を死に追いやったんだ……。
「ふふ……イザナミは良い隠れ蓑になってくれた。私に利用されているとも知らずに……」
満足そうに笑う玄道に、怒りがこみ上げる。
そんな……そんなくだらない理由で、僕の大切な師匠と兄様は殺されたっていうの──?
許せない、絶対に許せない!
「なぜ……そこまでして地位を、力を、求める……?」
「決まっているだろう。復讐と、世直しのためだ」
彼は、自分が三貴神の一柱であるスサノオの末裔であること、そのせいで一族が不遇をかこってきたことを語った。
スサノオ……海神であり、その粗暴さから荒神とも言われる、僕──ツクヨミの弟神。
まさかここでその名前を聞くとは思わなかった。
驚く僕を置き去りに、玄道はこの腐った世界を一度壊して、自分の手で正しく再生させるんだって、狂気じみた野望まで語った。
部屋に満ちる玄道の霊力は、彼が興奮するにつれてどんどん濃くなってくる。
(このままじゃ、あいつの思うつぼだ……)
だけど、何とかしなきゃと焦る僕の隙を突いて、彼は禍々しい光の檻の中に入り込み、抵抗する僕を軽々と抱き寄せた。
「……この、離せ!」
「気乗りがせぬなら婚礼は今でなくとも良い。だが、まずはその力、少し借りるぞ」
そう囁くと、玄道は自分の人差し指を噛み切り、その血で僕の額に呪印を描いた。
「ぐっ……ぁ……!」
瞬間、体から力が抜けて、眩しい光が溢れ出す。
ツクヨミの神力が、無理やり引き出されていく……!
ぐったりと彼の腕に抱かれる僕を、玄道は愛おしそうに見下ろし、額に口づけた。
やめて……触らないで……!
「……もはや、逃がしはせぬ。共に世界を統べようぞ」
僕から放たれた光は一筋の柱になって、天井を突き抜け、北の空を指し示した。
「ほう、そこに御座しましたか、我が祖神よ。今こそそのお力、貰い受けに参りましょう……」
玄道の高笑いが、この牢獄みたいな部屋に不気味に響き渡った。
でもその時、祭壇に据えた大鏡に人影が映った。
「ふむ、どうやらネズミどもが入り込んだようだ」
そこに映し出されたのは、真白と夜刀だった。
きっと僕が残した霊符を見つけて、助けに来てくれたんだ……!
でも、喜んだのもつかの間、二人は屋敷の周りに張られた結界が破れず、立ち往生していた。
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そう言って、玄道は僕を抱く腕に力を籠めると、片手で髪を梳いた。
(だから、触るなって!)
恍惚とした表情で見つめながら、何度も髪を梳く手のいやらしさに総毛立つ。
我慢も限界になってきた時、鏡の中の夜刀が、ふと動きを止めた。
何か呟いたみたいだけど、鏡から伝わる音は小さすぎて、聞き取ることはできなかった。
息を詰めて見守る僕の視線の先で、彼は目を閉じ、深く息を吐く。
次の瞬間、夜刀の体から凄まじい神気が溢れ出し、その姿は白銀の鱗を輝かせる巨大な蛇へと変わった。
は!? どういうこと!?
初めて見る夜刀の姿に、僕は動揺を隠せなかった。
真白も驚いて固まっているのが、鏡越しに見て取れる。
白い大蛇は、その巨体で激しく突進し、結界をいともたやすく粉砕した。
え、夜刀……すごすぎない!?
そんな隠し玉、聞いてないんだけど!
◇◇◇
【あとがき】
カオス会議:第8章第2話「男装の陰陽師は囚われの月となる」編
登場人物
朔夜: 絶賛囚われ中の姫ポジ主人公。玄道にお触りされてSAN値が地の底。夜刀の姿にちょっと引いてる。
真白: 屋敷に入れずウロウロする姿はまさにワンコ。怒りのボルテージは最高潮なので次話に期待。
夜刀: 主を救うため本当の力を解放。狼系かと思いきや、まさかの蛇系。でも性格的には“それな”感。
玄道: 愛しのツクヨミ(朔夜)の拉致に成功し、ご満悦の黒幕。結界の外で騒ぐネズミどもを優雅に高みの見物中。
真白 (結界の前で右往左往) :
「くそっ! なんだよこの結界、硬すぎだろ! 朔夜ァ! 今助けに行くからなー!」
夜刀 (一周回って冷静) :
「……真白殿、無駄に叫ぶのはおやめなさい。ここは私がなんとかします」
真白 (オロオロ):
「なんとかって、どうすんだよ!?」
玄道 (儀式の間の祭壇で、朔夜の髪を弄びながら):
「ふふ……聞こえるか、朔夜。外で犬が二匹、けたたましく吠えているぞ」
朔夜 (顔を背けながら):
「……触るな、気色悪い!」
夜刀 (聞こえてきた声に驚いて):
「……主!?」
真白 (心配そうに):
「朔夜!?大丈夫か!?」
朔夜 (ゲッソリ):
「だいじょぶだけど、だいじょばない……助けてド〇えもん……」
玄道 (余裕の笑み):
「ふふ……嫌がる姿もまた一興」
朔夜 (“G”を見るような目で):
「マジでキモイ……」
夜刀 (何かを決意して):
「くっ……できればこの手は使いたくなかったのですが、やむを得ません」(深紅の瞳が輝く)
朔夜 (驚愕して):
「え、夜刀!?」
夜刀 (大声で叫びつつ決めポーズ):
「チェーンジ!ダイジャマン!!」(神気を放って大蛇に変化)
朔夜 (顔を引きつらせて):
「ダサッ! 昭和でもそれは無いわってくらいダサッ!!あとダイジャマンていうか、ただの大蛇じゃん!」
玄道 (面白そうに):
「おや? 朔夜は私よりも式神の方が気になるか?」
朔夜 (水晶を指差して):
「いやいや、気にならない方がおかしいでしょ!? セリフもポーズもでっかい白蛇になってんのも何もかも!え、何なの!?神気ってことは夜刀も神の転生体ってこと!?」
夜刀“大蛇ver.” (キリッ):
『詳細はWebで』
朔夜 (困惑して):
「Webでって何!?蛇でキメ顔やめれる!?なんか怖い!」
真白 (キャパオーバーでパニック中) :
「……え、え、ダイジャマン!?Web!?どゆこと!?」
玄道 (心底愉しそうに):
「ククク……あの式神、あのような力を隠し持っていたか。だが、無駄なことだ。この結界は破れんよ。朔夜、もう諦めて、私だけのものになると誓うがいい」
朔夜 (睨みつけて):
「死んでもヤダ!」
真白(気を取り直して) :
「ふさげんな、玄道! 朔夜に指一本でも触れてみやがれ!ボッコボコにしてやんよ!」
玄道 (心底楽しそうに耳に唇を寄せて):
「ふふ……もはや触れているどころではないのだが。なあ、朔夜?」
朔夜 (全身トリ肌):
「ぎゃあああ!やめろヘンタイいいい!!」
真白 (焦って):
「朔夜!?玄道、てめえ、朔夜に何してんだ!?」
夜刀“大蛇ver.” (シャーッと威嚇音を響かせながら) :
『……我が主に狼藉を働いた罪、死をもって償わせてやる。覚悟せよ』(と言いつつ、結界に猛烈アタック)
\パリーーーン/
真白 (口をあんぐり開けて):
「……マジかよ。あの結界が一撃で粉々に……」
玄道 (まだ余裕の表情で):
「ほう、あれを破るか。だが、まだ罠は何重にも張ってある。果たしてここまで辿り着けるかな?」
夜刀“大蛇ver.”(怒りを堪えつつ) :
『……当然です。主、すぐにお助けいたします。もう少しご辛抱ください』
朔夜 (スンッ):
「……あ、うん。ありがとう。けど、人型になってから来て?今更だけど、僕、爬虫類NGなんだよ……」
夜刀“大蛇ver.”(大ショック) :
『……な、なんと!?』
朔夜 (ガクブル):
「遠目ならなんとかなるけど、至近距離はマジで無理……」
真白 (同情的な目で):
「……ドンマイ、夜刀。てか、さすがにそのサイズはオレでもビビるわ」
夜刀 (速攻で変化を解いて何事もなかったかのように):
「……主、あなたは夢を見たのです。ほら、私はいつもどおりのイケメン式神ですよ?」
朔夜 (ジト目):
「いや、今さら夢にはできないよ?あと、確かにイケメンだけど、自分で言っちゃう?」
夜刀 (ニコニコ):
「お褒めにあずかり光栄です」
朔夜 (呆れながら):
「いや、褒めてないけどね!?」
夜刀 (そ知らぬ顔で):
「さあさあ、真白殿。さっさと行きましょう」
真白 (焦って追いかける):
「ちょっと待てって、夜刀!ひとりで先に行くな!」
玄道 (優雅なため息):
「ふう……まったく、騒がしいネズミどもだ。朔夜、周りに置く者はもっと選んだほうが良いぞ?」
朔夜 (キレ気味に):
「“自分は常識人です”みたいな顔すんな!あんたが一番ヤバい奴だからね!?」
◇◇◇
まさかの爬虫類NGに夜刀涙目。
がんばれ夜刀!
「こんなカオス会議とかSSが読みたい」などご要望があればぜひ!
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