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第9章:烏兎相剋、神々の奸計
第3話:男装の陰陽師は策を練る2
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(……はぁ……)
道場で一人、鍛錬に打ち込みながらも、僕はため息をこぼした。
戦いを前に、僕の心は別の悩みに支配されていたんだ。
魂をぶつけるような真白の情熱的な告白。
そして、宴の席で告げられた、夜刀の静かで熱い想い。
二つの真剣な愛情の板挟みになって、僕は激しく揺れていた。
(しっかりしろ、僕。今はそんなことを考えている場合じゃない)
そう思っても、すぐに頭の中が二人のことでいっぱいになってしまう。
男として生きると決めた日から、恋だの愛だの、考えないようにしてきた。
それが急にこんなことになって、どうしたらいいかわからなくなってる。
そんな僕の相談相手になってくれたのは、紅子さんだった。
真白は紅子さんの初恋の君だ。
今も時々、真白のことを切なそうに見つめていることがある。
だから、紅子さんに相談しようなんて微塵も思ってなかったし、何なら告白されたこと自体バレないようにって思ってたんだけど……。
紅子さん、この間の宴の時に、僕と真白の間に何かあったことに気付いてたみたい。
宗近さんのところから戻ってきてからは、もっと空気感が変わったって。
さすがの洞察力と言うべきか、恋のなせる業なのか。
賢いし、美人だし、オシャレだし、よく気が付くし。
めちゃくちゃ女子力高いんだよね。
ホント、真白は何で僕を好きになってくれたんだろう……。
そんな素敵な女の子に
「真白様とのことでしたら、お気遣いなく」
とニッコリ微笑みながら言われてしまって。
結局、話を聞いてもらうことになってしまったんだ。
その日、僕は人目を忍んで彼女の私室を訪ねていた。
「……その、今こんなことを考えてる場合じゃないのは、わかってるんだけど……」
「大丈夫ですわよ。どんなお話でも、喜んでお聞きします」
紅子さんの優しい言葉に促され、僕はぽつりぽつりと話し始めた。
「……真白の想いは、すごく嬉しい。でも、今の僕にあんな真っ直ぐな想いを受け止める資格があるのか……それに、夜刀はずっと僕を支えてくれている大事な式神で……彼の想いをどう受け止めたらいいのか……」
湯呑を両手で弄びながら、僕はため息をついた。
「そもそも、神の転生体である僕が、人として誰かを愛して生きていくことなんて、本当に許されるのかな……」
紅子さんは静かに茶を一口すすると、諭すように言った。
「焦って答えを出す必要などありませんわ」
紅子さんはそこで言葉を切って、窓の外に目をやった。
物思いにふけるような仕草に、心がざわつく。
いくらいいって言われても、やっぱり無神経だったんじゃ……。
せっかく気を許せる女友達ができたのに、こんなことで失いたくない。
不安になってチラチラと顔色を盗み見ていたら、それに気づいた紅子さんが優しく微笑んでくれた。
「……ふふ。大丈夫ですわよ」
「でも……」
「朔夜様は本当に優しいのですね」
「そんなこと……それを言うなら、紅子さんこそだよ」
ものすごく申し訳ない気持ちになってきた。
うつむいて湯呑を握り締める。
その手を、紅子さんの白くてきれいな手がそっと包み込んだ。
「確かに、わたくしは今でも真白様に心惹かれておりますわ」
「……っ!」
「……でも、同じくらい、朔夜様のことも大好きですのよ?」
「紅子さん……」
「真白様の気持ちは、きっとこれから先もずっと変わらない。貴女が彼を選ばなかったとしても」
「それは……」
「でも、それならそれでいいの。そういうところに惹かれたんだから」
しっかりとした口調で、紅子さんは言い切る。
「それでも、わたくしは彼を想い続けるし、そして同時に、朔夜様の幸せも心から願うわ」
「欲張りでしょう?」といたずらっぽく言う穏やかな声が、却って僕の心を締め付ける。
「そんなの、貴女が辛いだけじゃないか……」
「そんなことない……とは言えませんけれど、これがわたくしの生き方なのですわ」
そう言って微笑む紅子さんは、凛としていて美しかった。
「……紅子さんは、すごいな」
「頑固者なだけですわ」
紅子さんは苦笑して、ひとつ咳払いをした。
「さて、話が逸れてしまいましたけれど。改めてお聞きすますわ」
「……はい」
僕は思わず背筋を伸ばした。
「朔夜様にとって、守りたいもの、譲れないものは何ですの?そして、ご自身は、これからどう生きていきたいのですか?」
「……それは……」
「まずは、ご自身がどうありたいのかを考えるのです。その生き方を選んだ時、お二方とどんな関係でいたいか。そうすれば、自ずと答えは見えてくるはずですわ」
紅子さんの理知的なアドバイスが、ごちゃごちゃになった僕の心を解きほぐしていく。
「そもそも、神だの人だの、資格だの、あの方たちは気にしませんわよ。そんな次元を超えて、朔夜様を愛していらっしゃるのですから」
「……そう、だよね。ありがとう、紅子さん」
僕は心から感謝を述べた。
解決したわけじゃないけど、迷いは晴れたかも。
これで心置きなく、戦いに集中できる。
「……もう、どんなお話でもとは申しましたけれど、惚気はほどほどにお願いいたしますわ?」
拗ねたふりで頬を膨らます紅子さんにつられて、僕も晴れやかな気持ちで微笑んだ。
***
そして、ついに夏至が訪れた。
太陽が天のど真ん中に達した、その時。
世界が強烈な光に白く染まる。
やがて光が収まると、空が裂け、そこからまばゆい光を纏った女神がゆっくりと降りてきた。
太陽神アマテラス。
姉様が現世に顕現したんだ!
空を漂いながら内裏へと向かうのが見えた。
今頃、帝や上位貴族が慌てふためきながら姉様の元へ向かっているのだろう。
(やっぱり、私と戦うおつもりなのですね。姉様……)
準備はしてきた。
でも、できることなら戦いたくない。
そんな想いも空しく、宮廷からの使者が僕の参内を命じる手紙を持って、屋敷にやって来た。
「……ついに、来たか」
手紙を読み終えた僕は、静かに顔を上げる。
集まった仲間たちが、固唾を呑んで僕を見守っていた。
みんなの顔を見渡して、僕は覚悟を決めた。
仲間たちを、そして現世の人々を守りたい。
僕は月影刀を手に取り、ゆっくりと立ち上がった。
内裏のある北の空を真っ直ぐに見据えて。
「姉様。……いま、参ります」
決意を込めた呟きに、仲間たちも覚悟を決める。
最終決戦の幕が、今、静かに切って落とされた。
◇◇◇
【あとがき】
カオス会議:第9章第3話「男装の陰陽師は策を練る」編
登場人物
朔夜:伝説級の刀を手に入れたチート系ヒロイン男装陰陽師。女子力アップさせるべきか悩み中。
紅子:美人でオシャレで気の利く女子力高い系宮廷女官。朔夜の心友かつ恋のライバル?
雅:美人で戦闘力も高いデキる女系白拍子。女子でもドキドキしちゃう妖艶なお姉さま。
狛:可愛くしっかり者の子犬系式神。毛のお手入れには余念がなく、いつもフワフワのツヤツヤ。大食いなのが悩み。
雅 (投げキッスしつつ登場):
「チュッ♡ は~い、読者のみんな!第3話、楽しんでもらえたかしら?」
朔夜 (真っ赤になりつつ):
「み、雅姐さん、のっけから刺激強すぎですって!」
紅子 (呆れ):
「あまり下品にならないよう、お気を付けくださいませ?」
雅 (不満顔しつつ狛をぎゅっと抱きしめて頭ナデナデ):
「もう、二人とも真面目なんだから!……ね、狛ちゃん?」
狛 (呼吸困難になって):
「はわわわ!く、苦しいのですううう!」
雅 (デレデレになりつつ尻尾をさわさわ):
「ホント、狛ちゃんの毛並み、最高だわ~♡」
狛 (真っ赤になって):
「ひゃあああ!しっぽはダメですうううう!」
朔夜 (ワタワタ):
「わー!姐さん!気持ちはめちゃくちゃわかるけど、狛を離してあげてえええ!」
紅子 (ため息をついて):
「はあ……せっかく男子が居ないのに、賑やかですこと」
朔夜 (ハッとして):
「……そう!そうなんだよ!今回のあとがきはなんと、女子会です!」
雅 (楽しそうに):
「可愛い女の子に囲まれるのも、悪くないわねえ♡」
紅子 (冷静に):
「なぜ雅さんのハーレムみたいな扱いになっているのかしら?」
狛 (首をコクコクさせながら):
「ですです!」
雅 (ニッコリ):
「細かいことは気にしないの♡」
朔夜 (咳払いしつつ):
「こほん……えー、みなさま!今回ついに、アマテラス姉様が顕現してしまいました」
紅子 (お茶を一口啜って):
「……唐突に本題に入りましたわね。でも、確かに大事件ですわ」
雅 (急に真面目な顔で):
「準備したとはいえ、相手は神界の支配者ですもの。正直、相当厳しい戦いになるわね」
狛 (心配そうに耳をペションとさせて):
「……朔夜様、大丈夫ですか?」
朔夜 (狛に優しく微笑みながら):
「狛、ありがとう。大丈夫だよ。僕にはみんなが付いてるからね!」
紅子 (穏やかに微笑んで):
「ええ、もちろんですわ。全力でお支えしましてよ?」
狛 (耳と尻尾をピンと立てて):
「わたしも頑張ります!!」
雅 (艶やかにウインクしつつ):
「アタシも全力を尽くすわ。……ってことで、目下の問題は朔夜ちゃんの恋模様ね!」
朔夜 (急展開にキョトン):
「はえ?」
雅 (面白そうに):
「で、結局、真白ちゃんと夜刀ちゃんと、今どんな感じなの?どっちを選ぶの?」
朔夜 (赤面しつつ):
「ええ!?ど、どっちって、そんなの……ってか、姐さん、なんで知って!?」
雅 (ニヤニヤしながら):
「やあねえ、見てればわかるわよ。ね、紅子ちゃん?」
紅子 (すまし顔でお茶を一口):
「ええ。朔夜様も真白様もわかりやすいので。相談される前から気付いていましたわ」
雅 (ニコニコしつつ):
「あら、夜刀ちゃんも、あれで結構わかりやすいわよ?嫉妬深いところとか」
紅子 (何かを思い出したように):
「……ああ、確かにそうですわね」
朔夜 (焦りつつ):
「え!?そうなの!?気付かないの僕だけ!?」
紅子 (残念な子を見る目で):
「まあ、朔夜様は、ね……」
朔夜 (ショックを受けて):
「ちょっ、紅子さん!?」
雅 (可哀想な子を見る目で):
「大丈夫よ、朔夜ちゃん。ちょっとお姐さんと女子力のトレーニングしましょうか?」
朔夜 (涙目になって):
「ええ!?僕ってそんなにダメな子なの!?ってか、男として生きてきたんだからしょうがないじゃないか……」
狛 (よくわからないけど主を慰めたい):
「朔夜様はダメな子じゃないです!素晴らしい御方です!」
朔夜 (ホロリとして狛の頭をナデナデ):
「……ありがと。狛はホント良い子だなあ」
紅子 (静かに呟いて):
「まあ、女の子っぽくなりすぎて世間に正体がバレてしまうのも困りますが。もう少し機微を解せる方がよろしいかもしれませんわね」
雅 (ため息をついて):
「でしょ?頑張ってアプローチしてるのに、当の本人が今一つピンと来てないんだもの。真白ちゃんも夜刀ちゃんも不憫よ」
朔夜 (ちょっと不貞腐れ気味に):
「……そんなことないもん。ちゃんとわかってるもん……」
雅 (キュンキュンしつつ朔夜を抱きしめて):
「やだ、朔夜ちゃん、か~わ~い~い~♡」
朔夜 (もがきつつ):
「ちょっ、姐さん!苦しいって!」
紅子 (ニッコリ微笑みつつ):
「……さて、騒がしい方々は放っておいて。次回はいったん『神代の章』が入る予定だそうですわ」
朔夜 (雅の腕から脱出成功):
「……です!僕とアマテラス姉様がまだ仲良しだった頃のお話らしいよ!」
全員 :
「「「「お楽しみに!」」」」
◇◇◇
初めての女子会、いかがでしたか?
やっぱり雅姐さん無双になりました(笑)
次回もお楽しみに?
応援、よろしくお願いします!
道場で一人、鍛錬に打ち込みながらも、僕はため息をこぼした。
戦いを前に、僕の心は別の悩みに支配されていたんだ。
魂をぶつけるような真白の情熱的な告白。
そして、宴の席で告げられた、夜刀の静かで熱い想い。
二つの真剣な愛情の板挟みになって、僕は激しく揺れていた。
(しっかりしろ、僕。今はそんなことを考えている場合じゃない)
そう思っても、すぐに頭の中が二人のことでいっぱいになってしまう。
男として生きると決めた日から、恋だの愛だの、考えないようにしてきた。
それが急にこんなことになって、どうしたらいいかわからなくなってる。
そんな僕の相談相手になってくれたのは、紅子さんだった。
真白は紅子さんの初恋の君だ。
今も時々、真白のことを切なそうに見つめていることがある。
だから、紅子さんに相談しようなんて微塵も思ってなかったし、何なら告白されたこと自体バレないようにって思ってたんだけど……。
紅子さん、この間の宴の時に、僕と真白の間に何かあったことに気付いてたみたい。
宗近さんのところから戻ってきてからは、もっと空気感が変わったって。
さすがの洞察力と言うべきか、恋のなせる業なのか。
賢いし、美人だし、オシャレだし、よく気が付くし。
めちゃくちゃ女子力高いんだよね。
ホント、真白は何で僕を好きになってくれたんだろう……。
そんな素敵な女の子に
「真白様とのことでしたら、お気遣いなく」
とニッコリ微笑みながら言われてしまって。
結局、話を聞いてもらうことになってしまったんだ。
その日、僕は人目を忍んで彼女の私室を訪ねていた。
「……その、今こんなことを考えてる場合じゃないのは、わかってるんだけど……」
「大丈夫ですわよ。どんなお話でも、喜んでお聞きします」
紅子さんの優しい言葉に促され、僕はぽつりぽつりと話し始めた。
「……真白の想いは、すごく嬉しい。でも、今の僕にあんな真っ直ぐな想いを受け止める資格があるのか……それに、夜刀はずっと僕を支えてくれている大事な式神で……彼の想いをどう受け止めたらいいのか……」
湯呑を両手で弄びながら、僕はため息をついた。
「そもそも、神の転生体である僕が、人として誰かを愛して生きていくことなんて、本当に許されるのかな……」
紅子さんは静かに茶を一口すすると、諭すように言った。
「焦って答えを出す必要などありませんわ」
紅子さんはそこで言葉を切って、窓の外に目をやった。
物思いにふけるような仕草に、心がざわつく。
いくらいいって言われても、やっぱり無神経だったんじゃ……。
せっかく気を許せる女友達ができたのに、こんなことで失いたくない。
不安になってチラチラと顔色を盗み見ていたら、それに気づいた紅子さんが優しく微笑んでくれた。
「……ふふ。大丈夫ですわよ」
「でも……」
「朔夜様は本当に優しいのですね」
「そんなこと……それを言うなら、紅子さんこそだよ」
ものすごく申し訳ない気持ちになってきた。
うつむいて湯呑を握り締める。
その手を、紅子さんの白くてきれいな手がそっと包み込んだ。
「確かに、わたくしは今でも真白様に心惹かれておりますわ」
「……っ!」
「……でも、同じくらい、朔夜様のことも大好きですのよ?」
「紅子さん……」
「真白様の気持ちは、きっとこれから先もずっと変わらない。貴女が彼を選ばなかったとしても」
「それは……」
「でも、それならそれでいいの。そういうところに惹かれたんだから」
しっかりとした口調で、紅子さんは言い切る。
「それでも、わたくしは彼を想い続けるし、そして同時に、朔夜様の幸せも心から願うわ」
「欲張りでしょう?」といたずらっぽく言う穏やかな声が、却って僕の心を締め付ける。
「そんなの、貴女が辛いだけじゃないか……」
「そんなことない……とは言えませんけれど、これがわたくしの生き方なのですわ」
そう言って微笑む紅子さんは、凛としていて美しかった。
「……紅子さんは、すごいな」
「頑固者なだけですわ」
紅子さんは苦笑して、ひとつ咳払いをした。
「さて、話が逸れてしまいましたけれど。改めてお聞きすますわ」
「……はい」
僕は思わず背筋を伸ばした。
「朔夜様にとって、守りたいもの、譲れないものは何ですの?そして、ご自身は、これからどう生きていきたいのですか?」
「……それは……」
「まずは、ご自身がどうありたいのかを考えるのです。その生き方を選んだ時、お二方とどんな関係でいたいか。そうすれば、自ずと答えは見えてくるはずですわ」
紅子さんの理知的なアドバイスが、ごちゃごちゃになった僕の心を解きほぐしていく。
「そもそも、神だの人だの、資格だの、あの方たちは気にしませんわよ。そんな次元を超えて、朔夜様を愛していらっしゃるのですから」
「……そう、だよね。ありがとう、紅子さん」
僕は心から感謝を述べた。
解決したわけじゃないけど、迷いは晴れたかも。
これで心置きなく、戦いに集中できる。
「……もう、どんなお話でもとは申しましたけれど、惚気はほどほどにお願いいたしますわ?」
拗ねたふりで頬を膨らます紅子さんにつられて、僕も晴れやかな気持ちで微笑んだ。
***
そして、ついに夏至が訪れた。
太陽が天のど真ん中に達した、その時。
世界が強烈な光に白く染まる。
やがて光が収まると、空が裂け、そこからまばゆい光を纏った女神がゆっくりと降りてきた。
太陽神アマテラス。
姉様が現世に顕現したんだ!
空を漂いながら内裏へと向かうのが見えた。
今頃、帝や上位貴族が慌てふためきながら姉様の元へ向かっているのだろう。
(やっぱり、私と戦うおつもりなのですね。姉様……)
準備はしてきた。
でも、できることなら戦いたくない。
そんな想いも空しく、宮廷からの使者が僕の参内を命じる手紙を持って、屋敷にやって来た。
「……ついに、来たか」
手紙を読み終えた僕は、静かに顔を上げる。
集まった仲間たちが、固唾を呑んで僕を見守っていた。
みんなの顔を見渡して、僕は覚悟を決めた。
仲間たちを、そして現世の人々を守りたい。
僕は月影刀を手に取り、ゆっくりと立ち上がった。
内裏のある北の空を真っ直ぐに見据えて。
「姉様。……いま、参ります」
決意を込めた呟きに、仲間たちも覚悟を決める。
最終決戦の幕が、今、静かに切って落とされた。
◇◇◇
【あとがき】
カオス会議:第9章第3話「男装の陰陽師は策を練る」編
登場人物
朔夜:伝説級の刀を手に入れたチート系ヒロイン男装陰陽師。女子力アップさせるべきか悩み中。
紅子:美人でオシャレで気の利く女子力高い系宮廷女官。朔夜の心友かつ恋のライバル?
雅:美人で戦闘力も高いデキる女系白拍子。女子でもドキドキしちゃう妖艶なお姉さま。
狛:可愛くしっかり者の子犬系式神。毛のお手入れには余念がなく、いつもフワフワのツヤツヤ。大食いなのが悩み。
雅 (投げキッスしつつ登場):
「チュッ♡ は~い、読者のみんな!第3話、楽しんでもらえたかしら?」
朔夜 (真っ赤になりつつ):
「み、雅姐さん、のっけから刺激強すぎですって!」
紅子 (呆れ):
「あまり下品にならないよう、お気を付けくださいませ?」
雅 (不満顔しつつ狛をぎゅっと抱きしめて頭ナデナデ):
「もう、二人とも真面目なんだから!……ね、狛ちゃん?」
狛 (呼吸困難になって):
「はわわわ!く、苦しいのですううう!」
雅 (デレデレになりつつ尻尾をさわさわ):
「ホント、狛ちゃんの毛並み、最高だわ~♡」
狛 (真っ赤になって):
「ひゃあああ!しっぽはダメですうううう!」
朔夜 (ワタワタ):
「わー!姐さん!気持ちはめちゃくちゃわかるけど、狛を離してあげてえええ!」
紅子 (ため息をついて):
「はあ……せっかく男子が居ないのに、賑やかですこと」
朔夜 (ハッとして):
「……そう!そうなんだよ!今回のあとがきはなんと、女子会です!」
雅 (楽しそうに):
「可愛い女の子に囲まれるのも、悪くないわねえ♡」
紅子 (冷静に):
「なぜ雅さんのハーレムみたいな扱いになっているのかしら?」
狛 (首をコクコクさせながら):
「ですです!」
雅 (ニッコリ):
「細かいことは気にしないの♡」
朔夜 (咳払いしつつ):
「こほん……えー、みなさま!今回ついに、アマテラス姉様が顕現してしまいました」
紅子 (お茶を一口啜って):
「……唐突に本題に入りましたわね。でも、確かに大事件ですわ」
雅 (急に真面目な顔で):
「準備したとはいえ、相手は神界の支配者ですもの。正直、相当厳しい戦いになるわね」
狛 (心配そうに耳をペションとさせて):
「……朔夜様、大丈夫ですか?」
朔夜 (狛に優しく微笑みながら):
「狛、ありがとう。大丈夫だよ。僕にはみんなが付いてるからね!」
紅子 (穏やかに微笑んで):
「ええ、もちろんですわ。全力でお支えしましてよ?」
狛 (耳と尻尾をピンと立てて):
「わたしも頑張ります!!」
雅 (艶やかにウインクしつつ):
「アタシも全力を尽くすわ。……ってことで、目下の問題は朔夜ちゃんの恋模様ね!」
朔夜 (急展開にキョトン):
「はえ?」
雅 (面白そうに):
「で、結局、真白ちゃんと夜刀ちゃんと、今どんな感じなの?どっちを選ぶの?」
朔夜 (赤面しつつ):
「ええ!?ど、どっちって、そんなの……ってか、姐さん、なんで知って!?」
雅 (ニヤニヤしながら):
「やあねえ、見てればわかるわよ。ね、紅子ちゃん?」
紅子 (すまし顔でお茶を一口):
「ええ。朔夜様も真白様もわかりやすいので。相談される前から気付いていましたわ」
雅 (ニコニコしつつ):
「あら、夜刀ちゃんも、あれで結構わかりやすいわよ?嫉妬深いところとか」
紅子 (何かを思い出したように):
「……ああ、確かにそうですわね」
朔夜 (焦りつつ):
「え!?そうなの!?気付かないの僕だけ!?」
紅子 (残念な子を見る目で):
「まあ、朔夜様は、ね……」
朔夜 (ショックを受けて):
「ちょっ、紅子さん!?」
雅 (可哀想な子を見る目で):
「大丈夫よ、朔夜ちゃん。ちょっとお姐さんと女子力のトレーニングしましょうか?」
朔夜 (涙目になって):
「ええ!?僕ってそんなにダメな子なの!?ってか、男として生きてきたんだからしょうがないじゃないか……」
狛 (よくわからないけど主を慰めたい):
「朔夜様はダメな子じゃないです!素晴らしい御方です!」
朔夜 (ホロリとして狛の頭をナデナデ):
「……ありがと。狛はホント良い子だなあ」
紅子 (静かに呟いて):
「まあ、女の子っぽくなりすぎて世間に正体がバレてしまうのも困りますが。もう少し機微を解せる方がよろしいかもしれませんわね」
雅 (ため息をついて):
「でしょ?頑張ってアプローチしてるのに、当の本人が今一つピンと来てないんだもの。真白ちゃんも夜刀ちゃんも不憫よ」
朔夜 (ちょっと不貞腐れ気味に):
「……そんなことないもん。ちゃんとわかってるもん……」
雅 (キュンキュンしつつ朔夜を抱きしめて):
「やだ、朔夜ちゃん、か~わ~い~い~♡」
朔夜 (もがきつつ):
「ちょっ、姐さん!苦しいって!」
紅子 (ニッコリ微笑みつつ):
「……さて、騒がしい方々は放っておいて。次回はいったん『神代の章』が入る予定だそうですわ」
朔夜 (雅の腕から脱出成功):
「……です!僕とアマテラス姉様がまだ仲良しだった頃のお話らしいよ!」
全員 :
「「「「お楽しみに!」」」」
◇◇◇
初めての女子会、いかがでしたか?
やっぱり雅姐さん無双になりました(笑)
次回もお楽しみに?
応援、よろしくお願いします!
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