目覚めたら成長した園児たちに囲まれる話

七瀬

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11.出した答え


六人それぞれとの時間を過ごして、二週間が経った。
僕は、彼らのことを以前よりずっと深く知ることができた。

怜央の真面目で責任感の強いところ。
陽太の明るくて誰にでも優しいところ。
奏の繊細で芸術的なセンス。
颯真の穏やかで包容力のあるところ。
湊の頭の回転の速さと気配り。
蒼の知的で冷静な判断力。

六人とも、魅力的だった。

そして、僕は気づいてしまった。

彼らのことを、もう子どもとしては見られないということに。

ある夜、一人でベッドに横になりながら考えた。

「俺は、どうしたいんだろう」

六人から選ぶ。それは、残りの五人を諦めさせることになる。

でも、六人とも大切で。六人とも、特別で。

「選べない……」

そう思った瞬間、スマホが鳴った。叔父からだ。

「もしもし」
「はる、調子はどうだ」
「うん、おかげさまで」
「そうか。実は、お前に話がある」

叔父の声が、いつもより真剣だった。

「お前を担当していた六人の子どもたちのことだが」
「うん」
「あの子たちの家族が、お前の治療費を全額負担してくれていた」

心臓が跳ねた。

「え……?」
「コールドスリープ、治療、リハビリ。全部だ。莫大な金額だったが、六家族が分担して支払ってくれた」

叔父が続ける。

「あの子たちが、家族に頼んだらしい。どうしても佐伯陽を助けてほしいと」
「そんな……」

涙があふれてきた。

「六人とも、ずっとお前を想っていた。だから、諦めなかった」

叔父の声が優しい。

「陽。お前は、幸せになる権利がある」
「叔父さん……」
「誰を選んでも、誰も選ばなくても、それはお前の自由だ。でも、一つだけ言わせてくれ」

叔父が言った。

「お前の気持ちに、正直になれ」

電話を切った後、僕は泣いた。

六人の想い。その重さを、改めて知った。

翌日、日曜日。六人全員が集まった。

「先生、どうしたんですか。目が腫れてる」

陽太が心配そうに聞いてくる。

「ちょっと、泣いちゃって」
「泣く? なんで?」

僕は六人を見回した。

「叔父さんから聞いたよ。みんなの家族が、俺の治療費を……」

その言葉に、六人は顔を見合わせた。

「先生、それは……」

怜央が口を開こうとして、僕は首を振った。

「ありがとう。本当に、ありがとう」

涙が止まらない。

「俺、何も知らなくて。みんながどれだけ……」

陽太が僕を抱きしめた。

「先生、泣かないで」
「でも……」
「俺たち、当たり前のことしただけだから」

奏が僕の涙を拭う。

「先生を助けたかった。それだけです」

颯真が優しく言う。

「お金の問題じゃないんです」

湊が続ける。

「先生がいないと、俺たちは生きていけなかった」

蒼が静かに言った。

「だから――」

怜央が僕の顔を両手で包んだ。

「先生。もう一度聞きます」

怜央の目が、真剣だった。

「俺たちの中から、誰か選んでください」

その言葉に、僕は六人を見回した。

怜央の真剣な目。
陽太の不安そうな表情。
奏の潤んだ瞳。
颯真と湊の穏やかな笑顔。
蒼の静かな眼差し。

六人とも、僕の答えを待っている。
僕は、深く息を吸った。

叔父の言葉を思い出す。「お前の気持ちに、正直になれ」

そうだ。もう、迷わない。

「僕は――」

六人が固唾を飲んで、僕を見つめる。

僕は、自分の気持ちに正直になることを決めた。

そして、答えを出した。

僕が選んだのは――


****

ここからはルート分岐になります。


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