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デコボココンビ
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自主休校も含めた休みも終わり,久しぶりに大学に行った。普段男友達とつるまない,正確には一緒に盛り上がれる友人がいないおれは,一人目的の場所に移動するためにキャンパスを移動する。そこでは誰かと無駄話に花を咲かせることもなければ,ふざけ倒して羽目を外すようなこともない。時折すれ違うイケイケの集団を見て全く羨ましくないかと言われれば嘘になるが,それはそれで一人お気楽に過ごせる日々に満足もしていた。
講義で強制的にグループワークをやらされる時以外に人の気配を感じることのないおれに,明るく声を掛けてきた男がいた。初めは「おれみたいなやつに声を掛けるやつなんていない」と思っていたので反応しなかった。自分に声を掛けたわけではないのに反応してしまうことほど滑稽なことはない。そう思って声のする方を振り向くことはなかったのだが,声の主は次第に近づき,しまいにはおれに肩を叩いた。
「ちょっと,あゆむっち。そんな軽くあしらわないでよ」
「わっ,びっくりした。ごめんごめん。まさかぼくに話しかけているとは思っていなくて。君は・・・・・・」
塚原って言うんだ,と名乗る男を見て,おれは目を見開いた。
塚原蓮。大学のイケメンナンバーワンを決めるミスターコンで,見事グランプリに輝いた人だ。長身で,長い髪を爽やかに分けた見た目に,服の着こなしもおしゃれで目を引く。周りにはいかにもあか抜けた人たちが常にいて,校内を歩けば女子たちの視線を釘付けにする。そんな男がおれみたいに何のとりえもない芋臭いやつに話しかけるのだ。驚かないわけがない。
「知ってるよ・・・・・・ますよ。去年のミスターコンでグランプリを獲っていましたよね。おめでとうございます」
「敬語なんてよしてくれよ。それに,あんなのたまたま運が良かっただけだし,大学のコンクールで結果がでたくらいで鼻が高くなるほど,身の程知らずじゃないよ」
謙遜して言っている風には見えない。この男は確かに,誰が見てもハンサムな顔立ちをしているのだが,それにおごることなくおれみたいなやつにも対等に接してくれているように思える。点は二物を与えずとは言うが,塚原君に関しては内面までもがイケメンのようだ。
「それで,何か用があったのかな」
「実は,あゆむっちに相談があって・・・・・・。あ,おれは蓮ってよく呼ばれるんだけど,呼びやすいように呼んでくれたらいいな。君付けはよそよそしいから寂しいじゃん。よければだけど」
不快感の伴わない馴れ馴れしさで,絶妙な距離感で関係を気付こうとしているのが伝わる。嫌らしさなくこういうことが出来るのが,蓮の人徳があるところなのだろう。
「おれなんかで助けになることがあるかは分からないけど,聞くぐらいなら出来るよ」
そう言うと,蓮は心底嬉しそうに,子どもがするようにはしゃいだ。
学校の外にある喫茶店で詳しい話をすることになり,冴えないおれと大学一イケメンの蓮というでこぼこした組み合わせで,その場所に向かった。
講義で強制的にグループワークをやらされる時以外に人の気配を感じることのないおれに,明るく声を掛けてきた男がいた。初めは「おれみたいなやつに声を掛けるやつなんていない」と思っていたので反応しなかった。自分に声を掛けたわけではないのに反応してしまうことほど滑稽なことはない。そう思って声のする方を振り向くことはなかったのだが,声の主は次第に近づき,しまいにはおれに肩を叩いた。
「ちょっと,あゆむっち。そんな軽くあしらわないでよ」
「わっ,びっくりした。ごめんごめん。まさかぼくに話しかけているとは思っていなくて。君は・・・・・・」
塚原って言うんだ,と名乗る男を見て,おれは目を見開いた。
塚原蓮。大学のイケメンナンバーワンを決めるミスターコンで,見事グランプリに輝いた人だ。長身で,長い髪を爽やかに分けた見た目に,服の着こなしもおしゃれで目を引く。周りにはいかにもあか抜けた人たちが常にいて,校内を歩けば女子たちの視線を釘付けにする。そんな男がおれみたいに何のとりえもない芋臭いやつに話しかけるのだ。驚かないわけがない。
「知ってるよ・・・・・・ますよ。去年のミスターコンでグランプリを獲っていましたよね。おめでとうございます」
「敬語なんてよしてくれよ。それに,あんなのたまたま運が良かっただけだし,大学のコンクールで結果がでたくらいで鼻が高くなるほど,身の程知らずじゃないよ」
謙遜して言っている風には見えない。この男は確かに,誰が見てもハンサムな顔立ちをしているのだが,それにおごることなくおれみたいなやつにも対等に接してくれているように思える。点は二物を与えずとは言うが,塚原君に関しては内面までもがイケメンのようだ。
「それで,何か用があったのかな」
「実は,あゆむっちに相談があって・・・・・・。あ,おれは蓮ってよく呼ばれるんだけど,呼びやすいように呼んでくれたらいいな。君付けはよそよそしいから寂しいじゃん。よければだけど」
不快感の伴わない馴れ馴れしさで,絶妙な距離感で関係を気付こうとしているのが伝わる。嫌らしさなくこういうことが出来るのが,蓮の人徳があるところなのだろう。
「おれなんかで助けになることがあるかは分からないけど,聞くぐらいなら出来るよ」
そう言うと,蓮は心底嬉しそうに,子どもがするようにはしゃいだ。
学校の外にある喫茶店で詳しい話をすることになり,冴えないおれと大学一イケメンの蓮というでこぼこした組み合わせで,その場所に向かった。
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