Between the Life and the Death

かみつ

文字の大きさ
上 下
24 / 36
喜ばせたい

タメ口きいてよ

しおりを挟む
今日は先にスズコさんに
お風呂に入ってもらうことにした。

スズコさんは
「なんかヤダ。」
と言っていたが、

かなり綺麗にした風呂に
一番に入ってもらいたかった。

案の定、スズコさんは
風呂から上がるなり、
「凛ちゃん、
お風呂凄く綺麗にしてくれたねー!」
ニコニコしている。

この顔が見たかった。

童顔だけど、
やっぱり風呂上がりは雰囲気が少し違う。
大人っぽさと幼さが
入り交じった不思議な色。


僕はスズコさんの頭にポンと一瞬だけ手を乗せて、

「次、僕入ってきますね」
と風呂場へ向かう。

「ねえ、凛ちゃん。」
後ろからスズコさんに呼び止められた。


「どうしました?」

スズコさん
「敬語じゃなくていいよ。それと、スズちゃんって呼んで。」

少し恥じらいながらそう言い出した。

それはなんだか、抵抗がある。

が、「スズちゃん」は呼んでみたい。

僕も恥ずかしくなり
「風呂行ってきます。…スズちゃん。」

うわっ!言ってしまった!

僕、今、耳まで赤いんじゃないだろうか?

風呂で考える。

上がったらタメ語でいこう!

心の中で練習する。

スズコさんのお願いは
全て叶えてあげたいんだ。

見た目年齢は僕は40代だし、
スズコさんは30歳なってないくらいだ。

よし!

僕は風呂から上がった。
しおりを挟む

処理中です...