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第一章
第九話
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クラウス達に見えた集落の長である少女は鷹揚に四人を見回した。そのただならぬ風貌をじっと見ていたランレイは、あっと声を上げた。彼女が思わず身をよじりだしたので、兵士は縄尻をぐいと引いて、彼女を転倒させ横顔を踏みつけてしまった。
それでもなお、ランレイは何やら声を上げている。
「そ、その人、こないだ会った、一番偉い人と似てるよ。髪赤い、眼も緑だ」
「な、何っ。すると貴方様は…」
タリエは疑念が確信に変わった顔で少女を見た。少女はきっと柳眉を逆立て、この人達を斬って、と峻烈に命じた。
ソフィアは振り下ろされる白刃を躱し、刑吏に体当たりを喰らわせた。それを見たランレイも縛められていない脚を動かし、弾かれたように立ち上がり、左脚を軸に、右脚を振り回して、さながら舞うように戦っている。
その時、集落の入り口からどよめきが立った。鬨の声が立ち、男達が武器を持って声がする方向へと向かう。少女もクラウス達を捨てて、剣を持ち駆けて行った。
ソフィアはランレイに気絶させられた兵士の剣で縄を切り、他の三人の縛めも切ってやった。四人が集落の入り口に向かって行くと、丘の下に鉄甲の兵士が百名ほど蝟集して立っている。
先頭にいる将軍が大声で何か叫んでいる。どうやら少女目掛けて呼ばわっているらしい。
「モニカ姫、お迎えに上がりましたっ。そんな下賤な匹夫の群れの中にいては穢れてしまいますよ。さあ、早くお帰りくださいっ」
「お断りよっ。あんな酷い連中の中にいるくらいなら、此処でお腹を空かして暮らしていた方がマシなんだからっ。貴方達の方こそ同じ人間を牛か馬みたいに扱って好き勝手に殺すなんて、恥を知りなさいっ」
それっ、と捕吏共は丘を登り始めた。すると、丘の上から巨岩や丸太が雨あられと落とされ、須臾にして大勢が肉塊となってしまった。しかし十人ばかりが横合いから攀じ登ってモニカと呼ばれた少女に飛び掛かった。
モニカは剣を振るって腰回りに縋り付いてきた一人を斬ったが、背中から蹴倒され、縄を掛けられた――が、その男は頭蓋を砕かれて吹っ飛んだ。ランレイが咄嗟に跳び蹴りでモニカを助けたのだ。
クラウスとタリエは敵の剣を奪い、ソフィアも敵の死骸から槍を奪い取り、りゅうりゅうとそれを右に左に振って敵兵を蹴散らす。クラウスは、戛然、敵と刃を交わし、火華に眼を焼きながら丁々と打ち合う。その一瞬、クラウスはぱっと地面を蹴り、前のめりになった敵の隙を突いて頭を割る、そのまま別の者に斬り掛かっていく。
タリエも敵と打ち合っていたが、体当たりで相手を転倒させ、身を廻らせて描く閃光の輪! 周囲にいた敵兵の剣を落とし、逃げるは追わず、モニカを助け起こした。
「まさか貴方様がモニカ姫だったとは…お噂は聞いておりましたが」
「貴方達は追手じゃないの? てっきりお父様の部下だとばかり」
モニカはクラウス達に恭しく詫びた後、一行を屋敷に招いた。そこでモニカは、自身がヴァークリヒラント全体を治める王国の王女だという身分を明かした。そして自分がウンデルベルク城ではなく、この密林の中で暮らしている理由を語り始めた。
――王国の第一王女であるモニカは生まれてから十二年間、深窓の佳人として王宮の外の世界を知らず、何の苦労も無く育ってきた。しかしある夜、ふと眼を覚まして部屋から出て月光差し込む中庭を歩いていた所、木の下で蹲る黒い影を見た。
モニカが恐る恐る近付いてみれば、肩口を斬られて血にまみれた少年であった。すわや、と彼女は少年を助け起こし、部屋に連れ込んで瘡の手当てをしてやった。
少年は眼が覚めると、急いで逃げようとしたが、モニカは優しく微笑み、
「大丈夫だよ。あたしは貴方を酷い目に遭わせたりしないから。まだ動いちゃ駄目だよ」
「…君だって俺を動物みたいに叩くんだろ」
「そんな事ないっ。今何か食べる物を持ってきてあげるから」
そう言ってモニカは麺麭と肉を厨から持ち出し、少年に与えた。そして牀の傍らに座り、必死でそれを頬張る少年を見ていた。餓鬼のように痩せていた少年は無我夢中の食事を終えると、優しく微笑むモニカを見た。窓から差し込む月明かりに照らされる彼女のあどけなさ残る白皙に、少年は面に紅を呈したが、すぐに顔を背けた。
モニカは少年に、どうしてあんな所にいたのかと尋ねた。少年は、ふん、と鼻で笑い、
「俺は奴隷…いや、もう逃げ出したから不可触民だな。俺らは人間扱いされていないから、食べる物と何か売る物でも無いかと思って此処に忍び込んだんだ」
「えぇ? 親御さんはいないの? 確かに身分が下でも飢える事なんて無いと思うけど…それに、親御さんがいなくても孤児院がある筈だよ」
「ふん。あんな所、安い労働力を閉じ込めておく為の監獄さ。孤児狩りで捕まった孤児はあそこに放り込まれて、長くて一年しか生きられないんだ。さっき食べた麺麭と肉の半分が一日に出れば良い方だ。さて、俺はもう行くよ、ごちそうさま」
と言って立ち上がろうとする少年の姿は、真っ白な月明かりを受けて悄然とし、その薄倖を絵に描いたような眼は、この世の全てに希望など抱いていないように見えた。
モニカは少年の手を握り、あたしもついていく、と言った。少年は仰天して、満面赤くして手を引いた。そして、何を言っているんだ、と吐き捨てたが、モニカは耳を貸さず、その場で衣を替え始めた。少年は慌てて眼を背け、暫くしてから振り向くと、身軽な姿となったモニカが立っていた。
モニカは、少年の言う事が真実か否か確かめたいと言って、少年の手を引いて部屋から出ようとした。少年は、
「辞めなよ。お姫様が城から出るもんじゃない。それに外は危険がいっぱいだよ」
「あら、あたしだって多少は剣を学んでいるんだよ。それに将来、お兄様を補佐するんだから国の全てを知っておかないと。貴方の言う事が本当なら、それを改善できるかもしれないし」
「…解ったよ。でも、邪魔になったら置いていくからな」
少年はマルセルと名乗り、二人は連れだって蒼惶と月明かりの下、闇から闇へ、見張りの網目を掻い潜って王城の外に出た。生まれて以来、駕籠の中の鳥の如く大切に、しかし自由なく育てられてきたモニカ姫は、初めての外の世界に内心では雀躍していた。
初めての外、窓から見ていた広い世界、その実は、その日の食事にすら困り、餓鬼のようになりながらもお上に逆らわない奴隷と家畜にさえ劣る扱いの不可触民に支えられる世界であった。下層民は上の身分に逆らうわけにはいかないので、奴隷と不可触民とは互いにいがみ合い、時には互いの肉を食い合うような惨状があった。
最下層と非人との争いなので治安維持を担う衛兵達は見向きもせず、華やかな王都の端も端に、明らかに過剰な人間が狭い範囲に押し込められた上、日々争いあっていた。
この惨状を見たモニカは思わず、蒼白面で気絶しそうになった。今まで聞かされていた世界、身分ごとに幸せを謳歌する世界など幻に過ぎないと思い知ったのである。マルセルは、二歳上の彼女に肩を貸して王都の外、不可触民が集まる集落まで連れていった。
王都の外の部落でも痩せ細った人間がいた。しかしそこでモニカは、互いに支え合い王宮のどの人間よりも輝く笑顔で働く不可触民を見た。
「ねえマルセル…この人達はどうしてこんな所にいるの? どうして街の中に住まないの、危ないじゃない」
「俺達は生まれた街から逃げ出してきた奴隷だ。もう街の中には入れない。だから、死体を運び出したり下水道の掃除とかをしているんだ。足りない分は盗みをしてるんだ。でも見ろよ、皆笑顔だろ? いつも街の中で怯えている奴隷に比べたら全然良いと思うけど」
そう言われて、モニカは部落を見回した。社会の最底辺同士が集まると、同類相哀れむの言葉通りになるのであろうか、そこでは理不尽な殺傷や傲慢な王侯貴族も無く、外から見れば汚らわしい部落でも、内部では内部なりの幸福があった。
モニカは、マルセルの荒ら家で褥を敷いて横たわったが、絨毯の無い地面、紙のように薄い褥で彼女は中々寝付けなかった。翌朝、崩れ壁から差し込む薄明かりに、モニカは所々痛む身体をさすりながら眼を覚ました。
ほら見ろよ、とマルセルは彼女を連れて川岸に立った。山と山の間、暁天の雲を掻き分けるようにして、真っ赤な朝陽が顔を出した。モニカは、これまで見たどの宝石や装飾品よりも美しい神の宝石を見て、自分が生きている世界が如何に狭い物かを悟った。
モニカは、朝焼けに白皙を照らされ、朝風に紅髪をたなびかせながら、
「マルセル…あたし、決めたよ。もうお城には戻らない。小さくても皆が笑顔で暮らせる街を作ってみせる。でも、ウンデルベルクの近くにいたらすぐに捕まっちゃう。違う大陸に行きたいんだけど、貴方も協力してくれる? 」
「別に良いけど…そ、それって、二人で行くってことか? 」
「当たり前じゃない。行くよっ」
そう言ってモニカは、マルセルの手を引いて部落から出た。二人は何も知らぬ者達から、お熱いね、等と冷やかされながらも、様々な餞別を懐にねじ込まれて旅立っていった。
その後二人は連絡船に忍び込んでガイアール大陸に渡り、散らばっていた不可触民や酷い扱いを受けている奴隷に呼び掛け、ミンリ大森林の神木が麓に集落を築いて二年、今では五百人が暮らす集落の長となっている。
――語り終わったモニカは、クラウス達に頭を下げて、先の非礼を詫びた。人里離れた密林で毎日畑を耕したり、木の実を取って暮らしている内に、日焼けした彼女は薄銅色の皮膚をして、到底貴人の容貌では無い。しかし、纏う雰囲気や言葉の端々に争えぬ品格があった。
クラウスは、モニカが信じられなかった。高貴な家系に生まれ、一生不自由せずに暮らせる身分をどうして捨てるのかが理解出来ないのだ。
「モニカ姫、どうしてわざわざ辛い道を行くんですか? 働かなくても生きていけるし、この世界で一番偉い身分じゃないですか。俺には理解できねぇや」
「こうやって少しでも笑顔が増えて、皆が安心して暮らせる世界に一歩でも近付けるのがあたしにとって、一番大切な事なの。そのためなら、いくら苦労しても良い。あたしにとってはこれが正義なの」
「凄いですね、クラウスみたいな半端者とは大違い。クラウスも見習いなさい。大体あなたは昔から…」
「クラウス、半端者、半端者」
「変な言葉覚えるなっ。ってか、ソフィアはなんでそんな昔の事覚えてるんだよっ」
唐突に子供じみた喧嘩を始めた三人を見て、モニカは険しい顔を崩して破顔した。そこへ入り口の幕を潜って現れた少年がいた。これなん、モニカを連れ出したマルセルである。
何処で発覚したのかは解らぬが、彼は王国の姫を拐かした罪人として人相書で手配されているので、彼もまた集落の一員として暮らしているのである。マルセルは、クラウス達を見て、もしや王国の捕吏では無いかと身構えたが、モニカは彼を引っ張って肩を組むように顔を押さえ、
「ほら、マルセル。そんな怖い顔しないでよ、この人達は旅人だよ。あたしを助けてくれたの。貴方からもお礼を言ってよ」
「ちょ、離れろっ。離れろって」
マルセルは真っ赤な顔で、慌ててモニカから離れた。ソフィアは揶揄うように、じゃれ合う二人の仲睦まじい様子を笑っていた。
不意にタリエは、話題を切り替え、木の精霊クオマが祀られている祠に案内して欲しいと頼んだ。モニカは怪訝な顔で、どうして祠に行きたいの、と尋ねたが、タリエは、クラウス達の事情です、と答えた。
確かに集落の中心にある巨木の下、根元をくり抜いたような洞の中に木の精霊を祀る祠はあるのだが、モニカに率いられた者達は巨木の周りの実りが豊かなので此処に居着き、その祠と巨木を守り神の如く崇め奉ってきたので、見知らぬ人間を祠に近付けることに難色を示すのは必定である。
モニカ自身も今の暮らしが巨木の恵みからの物だと信じて止まないので、クラウス達の望みへ容易に「諾」を与えるわけにはいかない様子。ソフィアは、彼女の顔を見て、
「お願いします。此処にいるランレイの為なんです。ランレイの故郷に帰る為に必要なんです」
「ランレイも、お願いしますだよ。ヤタノ鏡無いと、ランレイ困る」
「俺からもお願いします。事が終わったらすぐに返します。俺達に出来る事があれば何でもします。ランレイの命に関わる事かもしれないんです」
クラウス達は、モニカに近付いて頼み込んだ。モニカはクラウスの眼を見て、何か不思議なものを感じた。ソフィアの瞳からは根拠は無いが、確かな希望を得られる。しかし、クラウスの眼からは、希望とはまた違う、不思議な力をモニカは感じていた。
「モニカ、良いじゃないか。この人達だって困ってるみたいだし、俺達だって今まで色んな人達に助けられてきたじゃないか」
マルセルもクラウス達に力を貸したいらしく、モニカを説得する側に回った。マルセルは、口は悪いが困っている人間や他人の頼み事を断れない気質で、モニカと一緒に城から出奔したの理由の一つにも、彼女の頼みを断れなかったからというのがある。
「…解った。今案内してあげる。気にしないで、何かあったらマルセルが面倒見てくれるから」
「あ、有難うございますっ。ランレイ、良かったねっ」
「な、なんで俺が面倒ごとをっ」
驚くマルセルを尻目に、モニカが屋敷から出た時である。空中から矢のように素早い影が落ちてきた。小さな体躯はすらりと地に立ち、眩い月明かりに照らされたその姿は、身の丈小さく線細く、白皙の少年であった。月光を受けて黒漆の短髪は艶を増し、纏う衣服は煌びやかにも見える。
クラウスが前に立って誰何の声を掛けたが、少年は何も言わず、彼の視界から消えたかと思うと、彼の懐に潜り込んでいった。はっとクラウスは天性の反射で剣の柄を取って抜刀一閃! しかし少年は、身軽な体躯で地面蹴って攻撃を躱した。
「なぁんだ、案外やるじゃん。流石にシュ、いやアンナを倒しただけあるね。あれ…君、モニカ姫じゃん、こりゃ良いやっ。お手柄が二つも転がってるじゃん」
「あ、貴方は…トレントッ」
モニカは震えながら少年を指差した。さもあろう、「王の四星」の一人、トレント・フリーデルが直々に現れたのだ。彼の実力を知っている彼女が怯えるのも当然である。
トレントは一見笑っているが、瞳には一切の笑いが見えず、軽妙にあれこれと話している間も寸分の隙を見せない。
そして彼は懐から、三日月状の刃が交差して楕円になっている奇怪な拳鍔を取り出した。小さな楕円の片方に握り革が巻かれており、彼は両手に拳鍔を持ち、格闘の体勢を取った。
それでもなお、ランレイは何やら声を上げている。
「そ、その人、こないだ会った、一番偉い人と似てるよ。髪赤い、眼も緑だ」
「な、何っ。すると貴方様は…」
タリエは疑念が確信に変わった顔で少女を見た。少女はきっと柳眉を逆立て、この人達を斬って、と峻烈に命じた。
ソフィアは振り下ろされる白刃を躱し、刑吏に体当たりを喰らわせた。それを見たランレイも縛められていない脚を動かし、弾かれたように立ち上がり、左脚を軸に、右脚を振り回して、さながら舞うように戦っている。
その時、集落の入り口からどよめきが立った。鬨の声が立ち、男達が武器を持って声がする方向へと向かう。少女もクラウス達を捨てて、剣を持ち駆けて行った。
ソフィアはランレイに気絶させられた兵士の剣で縄を切り、他の三人の縛めも切ってやった。四人が集落の入り口に向かって行くと、丘の下に鉄甲の兵士が百名ほど蝟集して立っている。
先頭にいる将軍が大声で何か叫んでいる。どうやら少女目掛けて呼ばわっているらしい。
「モニカ姫、お迎えに上がりましたっ。そんな下賤な匹夫の群れの中にいては穢れてしまいますよ。さあ、早くお帰りくださいっ」
「お断りよっ。あんな酷い連中の中にいるくらいなら、此処でお腹を空かして暮らしていた方がマシなんだからっ。貴方達の方こそ同じ人間を牛か馬みたいに扱って好き勝手に殺すなんて、恥を知りなさいっ」
それっ、と捕吏共は丘を登り始めた。すると、丘の上から巨岩や丸太が雨あられと落とされ、須臾にして大勢が肉塊となってしまった。しかし十人ばかりが横合いから攀じ登ってモニカと呼ばれた少女に飛び掛かった。
モニカは剣を振るって腰回りに縋り付いてきた一人を斬ったが、背中から蹴倒され、縄を掛けられた――が、その男は頭蓋を砕かれて吹っ飛んだ。ランレイが咄嗟に跳び蹴りでモニカを助けたのだ。
クラウスとタリエは敵の剣を奪い、ソフィアも敵の死骸から槍を奪い取り、りゅうりゅうとそれを右に左に振って敵兵を蹴散らす。クラウスは、戛然、敵と刃を交わし、火華に眼を焼きながら丁々と打ち合う。その一瞬、クラウスはぱっと地面を蹴り、前のめりになった敵の隙を突いて頭を割る、そのまま別の者に斬り掛かっていく。
タリエも敵と打ち合っていたが、体当たりで相手を転倒させ、身を廻らせて描く閃光の輪! 周囲にいた敵兵の剣を落とし、逃げるは追わず、モニカを助け起こした。
「まさか貴方様がモニカ姫だったとは…お噂は聞いておりましたが」
「貴方達は追手じゃないの? てっきりお父様の部下だとばかり」
モニカはクラウス達に恭しく詫びた後、一行を屋敷に招いた。そこでモニカは、自身がヴァークリヒラント全体を治める王国の王女だという身分を明かした。そして自分がウンデルベルク城ではなく、この密林の中で暮らしている理由を語り始めた。
――王国の第一王女であるモニカは生まれてから十二年間、深窓の佳人として王宮の外の世界を知らず、何の苦労も無く育ってきた。しかしある夜、ふと眼を覚まして部屋から出て月光差し込む中庭を歩いていた所、木の下で蹲る黒い影を見た。
モニカが恐る恐る近付いてみれば、肩口を斬られて血にまみれた少年であった。すわや、と彼女は少年を助け起こし、部屋に連れ込んで瘡の手当てをしてやった。
少年は眼が覚めると、急いで逃げようとしたが、モニカは優しく微笑み、
「大丈夫だよ。あたしは貴方を酷い目に遭わせたりしないから。まだ動いちゃ駄目だよ」
「…君だって俺を動物みたいに叩くんだろ」
「そんな事ないっ。今何か食べる物を持ってきてあげるから」
そう言ってモニカは麺麭と肉を厨から持ち出し、少年に与えた。そして牀の傍らに座り、必死でそれを頬張る少年を見ていた。餓鬼のように痩せていた少年は無我夢中の食事を終えると、優しく微笑むモニカを見た。窓から差し込む月明かりに照らされる彼女のあどけなさ残る白皙に、少年は面に紅を呈したが、すぐに顔を背けた。
モニカは少年に、どうしてあんな所にいたのかと尋ねた。少年は、ふん、と鼻で笑い、
「俺は奴隷…いや、もう逃げ出したから不可触民だな。俺らは人間扱いされていないから、食べる物と何か売る物でも無いかと思って此処に忍び込んだんだ」
「えぇ? 親御さんはいないの? 確かに身分が下でも飢える事なんて無いと思うけど…それに、親御さんがいなくても孤児院がある筈だよ」
「ふん。あんな所、安い労働力を閉じ込めておく為の監獄さ。孤児狩りで捕まった孤児はあそこに放り込まれて、長くて一年しか生きられないんだ。さっき食べた麺麭と肉の半分が一日に出れば良い方だ。さて、俺はもう行くよ、ごちそうさま」
と言って立ち上がろうとする少年の姿は、真っ白な月明かりを受けて悄然とし、その薄倖を絵に描いたような眼は、この世の全てに希望など抱いていないように見えた。
モニカは少年の手を握り、あたしもついていく、と言った。少年は仰天して、満面赤くして手を引いた。そして、何を言っているんだ、と吐き捨てたが、モニカは耳を貸さず、その場で衣を替え始めた。少年は慌てて眼を背け、暫くしてから振り向くと、身軽な姿となったモニカが立っていた。
モニカは、少年の言う事が真実か否か確かめたいと言って、少年の手を引いて部屋から出ようとした。少年は、
「辞めなよ。お姫様が城から出るもんじゃない。それに外は危険がいっぱいだよ」
「あら、あたしだって多少は剣を学んでいるんだよ。それに将来、お兄様を補佐するんだから国の全てを知っておかないと。貴方の言う事が本当なら、それを改善できるかもしれないし」
「…解ったよ。でも、邪魔になったら置いていくからな」
少年はマルセルと名乗り、二人は連れだって蒼惶と月明かりの下、闇から闇へ、見張りの網目を掻い潜って王城の外に出た。生まれて以来、駕籠の中の鳥の如く大切に、しかし自由なく育てられてきたモニカ姫は、初めての外の世界に内心では雀躍していた。
初めての外、窓から見ていた広い世界、その実は、その日の食事にすら困り、餓鬼のようになりながらもお上に逆らわない奴隷と家畜にさえ劣る扱いの不可触民に支えられる世界であった。下層民は上の身分に逆らうわけにはいかないので、奴隷と不可触民とは互いにいがみ合い、時には互いの肉を食い合うような惨状があった。
最下層と非人との争いなので治安維持を担う衛兵達は見向きもせず、華やかな王都の端も端に、明らかに過剰な人間が狭い範囲に押し込められた上、日々争いあっていた。
この惨状を見たモニカは思わず、蒼白面で気絶しそうになった。今まで聞かされていた世界、身分ごとに幸せを謳歌する世界など幻に過ぎないと思い知ったのである。マルセルは、二歳上の彼女に肩を貸して王都の外、不可触民が集まる集落まで連れていった。
王都の外の部落でも痩せ細った人間がいた。しかしそこでモニカは、互いに支え合い王宮のどの人間よりも輝く笑顔で働く不可触民を見た。
「ねえマルセル…この人達はどうしてこんな所にいるの? どうして街の中に住まないの、危ないじゃない」
「俺達は生まれた街から逃げ出してきた奴隷だ。もう街の中には入れない。だから、死体を運び出したり下水道の掃除とかをしているんだ。足りない分は盗みをしてるんだ。でも見ろよ、皆笑顔だろ? いつも街の中で怯えている奴隷に比べたら全然良いと思うけど」
そう言われて、モニカは部落を見回した。社会の最底辺同士が集まると、同類相哀れむの言葉通りになるのであろうか、そこでは理不尽な殺傷や傲慢な王侯貴族も無く、外から見れば汚らわしい部落でも、内部では内部なりの幸福があった。
モニカは、マルセルの荒ら家で褥を敷いて横たわったが、絨毯の無い地面、紙のように薄い褥で彼女は中々寝付けなかった。翌朝、崩れ壁から差し込む薄明かりに、モニカは所々痛む身体をさすりながら眼を覚ました。
ほら見ろよ、とマルセルは彼女を連れて川岸に立った。山と山の間、暁天の雲を掻き分けるようにして、真っ赤な朝陽が顔を出した。モニカは、これまで見たどの宝石や装飾品よりも美しい神の宝石を見て、自分が生きている世界が如何に狭い物かを悟った。
モニカは、朝焼けに白皙を照らされ、朝風に紅髪をたなびかせながら、
「マルセル…あたし、決めたよ。もうお城には戻らない。小さくても皆が笑顔で暮らせる街を作ってみせる。でも、ウンデルベルクの近くにいたらすぐに捕まっちゃう。違う大陸に行きたいんだけど、貴方も協力してくれる? 」
「別に良いけど…そ、それって、二人で行くってことか? 」
「当たり前じゃない。行くよっ」
そう言ってモニカは、マルセルの手を引いて部落から出た。二人は何も知らぬ者達から、お熱いね、等と冷やかされながらも、様々な餞別を懐にねじ込まれて旅立っていった。
その後二人は連絡船に忍び込んでガイアール大陸に渡り、散らばっていた不可触民や酷い扱いを受けている奴隷に呼び掛け、ミンリ大森林の神木が麓に集落を築いて二年、今では五百人が暮らす集落の長となっている。
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クラウスは、モニカが信じられなかった。高貴な家系に生まれ、一生不自由せずに暮らせる身分をどうして捨てるのかが理解出来ないのだ。
「モニカ姫、どうしてわざわざ辛い道を行くんですか? 働かなくても生きていけるし、この世界で一番偉い身分じゃないですか。俺には理解できねぇや」
「こうやって少しでも笑顔が増えて、皆が安心して暮らせる世界に一歩でも近付けるのがあたしにとって、一番大切な事なの。そのためなら、いくら苦労しても良い。あたしにとってはこれが正義なの」
「凄いですね、クラウスみたいな半端者とは大違い。クラウスも見習いなさい。大体あなたは昔から…」
「クラウス、半端者、半端者」
「変な言葉覚えるなっ。ってか、ソフィアはなんでそんな昔の事覚えてるんだよっ」
唐突に子供じみた喧嘩を始めた三人を見て、モニカは険しい顔を崩して破顔した。そこへ入り口の幕を潜って現れた少年がいた。これなん、モニカを連れ出したマルセルである。
何処で発覚したのかは解らぬが、彼は王国の姫を拐かした罪人として人相書で手配されているので、彼もまた集落の一員として暮らしているのである。マルセルは、クラウス達を見て、もしや王国の捕吏では無いかと身構えたが、モニカは彼を引っ張って肩を組むように顔を押さえ、
「ほら、マルセル。そんな怖い顔しないでよ、この人達は旅人だよ。あたしを助けてくれたの。貴方からもお礼を言ってよ」
「ちょ、離れろっ。離れろって」
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不意にタリエは、話題を切り替え、木の精霊クオマが祀られている祠に案内して欲しいと頼んだ。モニカは怪訝な顔で、どうして祠に行きたいの、と尋ねたが、タリエは、クラウス達の事情です、と答えた。
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「お願いします。此処にいるランレイの為なんです。ランレイの故郷に帰る為に必要なんです」
「ランレイも、お願いしますだよ。ヤタノ鏡無いと、ランレイ困る」
「俺からもお願いします。事が終わったらすぐに返します。俺達に出来る事があれば何でもします。ランレイの命に関わる事かもしれないんです」
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「モニカ、良いじゃないか。この人達だって困ってるみたいだし、俺達だって今まで色んな人達に助けられてきたじゃないか」
マルセルもクラウス達に力を貸したいらしく、モニカを説得する側に回った。マルセルは、口は悪いが困っている人間や他人の頼み事を断れない気質で、モニカと一緒に城から出奔したの理由の一つにも、彼女の頼みを断れなかったからというのがある。
「…解った。今案内してあげる。気にしないで、何かあったらマルセルが面倒見てくれるから」
「あ、有難うございますっ。ランレイ、良かったねっ」
「な、なんで俺が面倒ごとをっ」
驚くマルセルを尻目に、モニカが屋敷から出た時である。空中から矢のように素早い影が落ちてきた。小さな体躯はすらりと地に立ち、眩い月明かりに照らされたその姿は、身の丈小さく線細く、白皙の少年であった。月光を受けて黒漆の短髪は艶を増し、纏う衣服は煌びやかにも見える。
クラウスが前に立って誰何の声を掛けたが、少年は何も言わず、彼の視界から消えたかと思うと、彼の懐に潜り込んでいった。はっとクラウスは天性の反射で剣の柄を取って抜刀一閃! しかし少年は、身軽な体躯で地面蹴って攻撃を躱した。
「なぁんだ、案外やるじゃん。流石にシュ、いやアンナを倒しただけあるね。あれ…君、モニカ姫じゃん、こりゃ良いやっ。お手柄が二つも転がってるじゃん」
「あ、貴方は…トレントッ」
モニカは震えながら少年を指差した。さもあろう、「王の四星」の一人、トレント・フリーデルが直々に現れたのだ。彼の実力を知っている彼女が怯えるのも当然である。
トレントは一見笑っているが、瞳には一切の笑いが見えず、軽妙にあれこれと話している間も寸分の隙を見せない。
そして彼は懐から、三日月状の刃が交差して楕円になっている奇怪な拳鍔を取り出した。小さな楕円の片方に握り革が巻かれており、彼は両手に拳鍔を持ち、格闘の体勢を取った。
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