イケメン執事に呼び止められた結果、美少年のお世話係となりました。

クリーム色

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ドキドキの密室?

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湯飲みを握りしめたまま固まっていた私は、ゆっくりとソファの横に控えていたセバスチャンさんに目を向ける。フォッフォッフォッと優しく笑ったセバスチャンさんは(この人喋らないのかな?)、私にこくりと頷いた。
本当に送ってくれるのだと理解して、バタバタと帰り支度を始めるのだった。

それから5分後。

「し、失礼します…」

お高そうな車の助手席のドアを開け、恐る恐る腰掛ける。パリッとした革のシートは、程よい弾力がありながらも、緊張でカチコチの私にはどうも座り心地が悪い…。

「さっさと出すぞ。家の方向を言え」

「は、はいぃっ!!」

ピリピリとした声とは裏腹に、スマートな安全運転で車は発進する。
ざっくりと住所を伝えると「あぁ」とだけ返事が来て、ちゃんとその方向へ向かっているので地理に詳しいみたいだ。
しかし、ラジオも付けず世間話をする雰囲気でもない車内は…

(めっっっちゃ居心地悪っ)

まるで、止まっているかのような一切揺れない運転テクニックに感心する余裕はなく、心許ない感じにモジモジする。しかし耐え切れなくなって、隣の寝てるんじゃないかと思うくらい静かな(いや、寝てたら大事だけど)アルバートさんをチラリと盗み見てみた。

(くっ!ハンドル握る横顔が反則級にカッコいいな!!なんだこのイケメンはっ)

惚れ惚れするその横顔から目が離せなくなりそうになって、ブンブンと首を振る。

(いや!騙されるな私っ。見た目はこんなどストライクでも中身は鬼だっ!猫かぶって、サインした途端本性を現すような意地悪腹黒なんだからっ!そう、鬼…腹黒…鬼教官…鬼畜…)

「…おい」

ビクリっ!「ひ、ひゃい!?」

全力で悪口を考えていた相手から声をかけられて、体が数センチ飛び上がる。

(えっ!?もしかして私、口に出てた!?や、ヤバい…)

冷や汗だらだらで固まっているとアルバートさんの次の言葉は思ってた内容と違った。

「…巻き込んで、悪かったな。本当は俺達で解決しないといけない問題なんだが。どうしても方法が見つからなくてな…、藁にもすがる思いだったんだよ」

「アル、バートさん…?」

運転席に目を向けると、昨日見た辛そうな表情がそこにあった。

「まぁ本当に藁にすがる時点で執事失格なんだがな」

いや、藁って私ですかっ!とツッコミ入れていい雰囲気じゃなくて黙っていると、ゆっくりと車が停車した。気付くと見慣れた自宅近くの信号だった。

「そんな俺だが、責任くらいは取れる。お前は無理せず出来る範囲でやってくれればいい。せめて明日、少しでも坊っちゃんを元気付けてくれ、頼む」

チラリと向けられた視線は頼り無さげで、胸がキュンと締め付けられるのだった。

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