イケメン執事に呼び止められた結果、美少年のお世話係となりました。

クリーム色

文字の大きさ
30 / 30

おまけ

しおりを挟む
今まで、アラン坊っちゃまの中で一番はマリアだった。その次が俺、アルバート。そして、リサを含む屋敷のスタッフ達という順。
マナは最初、マリアの代わりとして接していたので、マリアの間は俺より優先度が高くても良かった。が、しかし。正体がばれた今でもマナの順位は高いまま。例えマナであっても、第2位という俺の立ち位置を譲る気はない!!そう思っていたのだが…。

「坊っちゃま。今日はアルバートが絵本をお読みいたしますよ」

マナのレッスンが長引き、マリアも席を外しているこのチャンスに、坊っちゃまとの癒しの時間を。
そう思って、坊っちゃまお気に入りの本を片手にお呼びするも、何故かアラン坊っちゃまは、立ち止まったままキョロキョロしている。

「あら?坊っちゃま、どうなさいました?」

通りがかったリサに反応した坊っちゃまは、俺に背を向け、トテトテとリサに駆け寄りすがり付く。

「あのね、ご本よんで!」

ピシャーーン!!と、稲妻が直撃したかのような衝撃で固まる。

「ぼ、坊っちゃま…?ご本なら、このアルバートめが…」

「やっ!アルバートは、だめなの!アルバートはてきだもん!」

敵………敵…………敵…………

衝撃の単語が頭の中をゆっくりリフレインし、膝から崩れ落ちた。

第2位どころか、まさかの敵認定されていた事実に、立ち直れないアルバートなのだった。



********



リサは、衝撃のあまり放心状態のアルバートに同情の眼差しを向けた。
今の状況に若干の優越感も感じたが、あまりに可哀想な同僚の為に、そっと坊っちゃまに話しかける。

「坊っちゃま…。アルバートはいつだって坊っちゃまの為を思っておりますよ。どうして敵だと思われたのですか?」

「だってね、一番は一個しかないんだよ?絵本の王子もね、お姫様の一番のために友達とたたかってたよっ!だから僕もアルバートとたたかうの!たたかう人はてきなんでしょ?」

「えっ、と…」

坊っちゃまの愛読の絵本には、親友同士が姫を奪い合う決闘シーンも確かにあった。(最近の子供向けは進んでいるなと、しみじみしたわね…)

つまりは、坊っちゃまはライバル認定をしているわけだ。アルバートを、マナをめぐる恋のライバルとして。

(これは…、フフ。面白くなりそうだわ)

心の中でイタズラに笑いながら、リサはそれはそれは優しい笑みでそっと坊っちゃまを抱き上げる。

「そうですね。それならアルバートは敵、で間違いありませんね。行きましょう坊っちゃま」

敵は敵でも、好手。

そこを敢えて訂正しなかったリサは、灰になるが如く真っ白に霞んだ同僚と、お姑め二人に更なる指導スパルタ教育を受ける後輩。そして腕の中の天使を中心にこれから巻き起こる嵐を、楽しみながら観察するのであった。

しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ちぃちゃん
2019.09.16 ちぃちゃん

クリーム色様はじめまして!
そして更新ありがとうございます(*ˊᗜˋ)
坊っちゃまの前で普通にマナとアルバートさんが呼んでいて
そろそろ可愛い坊っちゃまにバレてしまうのか…?!と気になってます笑
この家の使用人さん達はかっこよくて好きです♡
これからも楽しみにしてます!

2019.09.18 クリーム色

大変お待たせいたしました
勢いでスタートして、思ってた着地点と少し違ったものになりましたが、楽しいと言って頂けて嬉しい限りです!
あと少しで完結予定ですので最後までよろしくお願いします(о´∀`о)

解除

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました

鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。 素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。 とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。 「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。