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有那が海渡を保育所に預け、乗馬の練習に通うようになってから数日が経った。
なるべく昼間に練習を組み、夕方からはミネルヴァの店を手伝う有那は一気に忙しくなり、ユンカースとも挨拶程度しか交わさない日々が続いた。
そんなある日、ユンカースが早めに帰宅すると住人用の食堂の片隅に海渡がぽつんと座っている。
「あれ……アリナさんはどうしたんですか」
「あ、おかえりユンユン。かーちゃん、今日は馬の練習が夕方になっちゃってまだ帰ってきてない」
「そうですか……」
ユンカースから見ればやや過保護気味の有那が、海渡を置いて出ているとは珍しい。軽く眉をひそめると、厨房からミネルヴァが顔を出す。
「おや、帰ってきてたのかいユンカース。カイト、本当にそっちで一人で大丈夫か?」
「うん。なんかあったら言うから、ばーちゃん」
「あいよ」
ミネルヴァももはや「ばーちゃん」と呼ばれても怒らなくなった。
ミネルヴァの親族関係は知らないが、ふいにできた孫のような存在なのだろう。ぶっきらぼうな態度に反して彼女が面倒見が良いことは自分も身をもって知っている。
有那はミネルヴァに海渡を託していったようだ。海渡が座るテーブルに近付くと、古紙が散らばっている。手に取ると、ミミズののたうったような線が並んでいた。
「これはなんですか?」
「ひらがな。オレ、ひらがな書けるんだ。保育園ではまだ習ってないけど、絵本で覚えたから」
「これ……文字ですか? 君たちの国の」
「うん。絵本もなくて忘れちゃうから、だったら書く練習すればーってかーちゃんが」
ん、と海渡が記号のようなものが並んだ紙を差し出す。海渡の筆跡よりはだいぶしっかりとしたその文字たちは、ユンカースが見たことのない丸みと直線で構成されていた。自分たちの文字に比べると、まろやかな印象だ。
「これはアリナさんの字ですか……」
「そう。ここから『あ』『い』『う』『え』『お』……」
「…………」
興味を引かれてユンカースは海渡の隣に腰かけた。手帳を取り出すと、有那直筆のお手本をゆっくりと丁寧に書き写す。
「僕にも教えてもらえませんか。君たちの国の文字を」
「え……。ユンユンも勉強するの? 大人なのに」
「しますよ。外国の言葉は知れば知るだけ役に立ちますし。相手の文字を覚えれば、その国の本を読んだり、手紙を書くこともできます。文字や言葉でなくても、今までまったく知らなかったことを知るのは面白いですよ」
「そうなんだ……」
びっしりとメモが書き込まれた手帳をのぞき込み、海渡が目を瞬く。彼には読めないだろうその文字とユンカースの顔を見比べると、海渡はもじもじとうつむく。
「どうしましたか」
「あのさ……オレ、ユンユンたちが使ってる文字も、練習したい……。それ覚えたら、かーちゃん助かる……?」
「え――」
幼子の言葉にユンカースはぽかんと目を見開いた。海渡はちらちらと、こちらの反応を窺うように視線を向ける。
ふいにユンカースの脳裏に、遠くおぼろな記憶がよみがえった。
『ユンカース! どうして私が言った通りにできないの!』
『ごめんなさい……! ごめんなさい、おかあさん。ぼく、がんばるから……。うっ、ひっく……』
『あなたは出来が良くてお母さん嬉しいわぁ。あの女の子供には負けないのよ。全部あなたのためなの。たくさん勉強して、お母さんに楽をさせてね』
『はい、お母さん……』
容姿だけが取り柄だった、自分の生物学的母親の顔が思い出される。
振り向いてほしくて、必死に詰め込んだ知識は砂のように無味なものだった。励まされたとて、それは息子を想う心から来るものではなくすべて彼女自身のために他ならなかった。
色のない幼少期の記憶の断片に眉を寄せると、海渡が心配そうに見上げる。ユンカースは息を吐くと、ぽんと海渡の頭に手を乗せた。
「……いいですよ。僕も君に『ひらがな』を教えてもらいますから、交換条件です。君の歳なら焦る必要はないですが、覚えておいて損はない。ただし僕は、優しくないですけどね」
「えっ。怖いの……? 鬼から電話来る?」
「なんですかそれは……。誰も来ませんよ」
有那によく似た瞳が見開かれ、嫌そうにひそめられた。海渡は有那に比べると表情が乏しいと思っていたが、こうして見るとやはりよく似ている。
子供なんて苦手だと思っていたが、自ら学びたい気持ちがあるなら――本人が心からそれを望んでいるなら、手助けしない理由はなかった。知識は、のちのち彼がこの世界で生き抜いていく力となる。
有那が帰ってくるまで、二人は互いの国の文字を教え合った。
「ただいまー。カイトー、ごめんね! 大丈夫だった?」
「うん。ユンユンと勉強してた」
「勉強!?」
夕食時になり、有那が教習所――ではなくローレルの馬車屋から帰宅すると、海渡の隣にユンカースが座っていた。
見ると、有那がお手本を渡したひらがなの書き取りにとどまらず、紙に何か見知らぬ文字らしきものを書きつけている。
「ほえ~。自主的に勉強するなんてマジうちの子天才……。ユンユン、仕事帰りなのに構ってくれてありがとう」
「いえ、勉強というほどのものでは……。少しこちらの文字を教えていただけです」
「へー、文字。すごいじゃん、あたしまだ読めないのに」
「え……?」
「ん?」
素直に感心した有那をユンカースがぽかんと見つめ返す。それに有那が首を傾げると、彼はぎょっと目を見開いた。
「えっ! あなたまさか、こっちの文字読めないんですか!?」
「え、うん。読めんけど……。異世界飛ばされて文字まで読めちゃうようなチートスキルはないよー」
「いや分かりませんけど。えっ、だって、配達屋をやるんですよね!? 地図も読めないじゃないですか!」
「あ、地図は読めるよ。むしろ得意。地図さえ手に入れて道をだいたい把握すれば、まあそのうちなんとかなるかなーって」
へらりと答えた有那を信じられないという目で見つめ、ユンカースが深くため息をつく。彼は額を押さえると小さく首を振った。
「字を読めないんじゃなんとかならないですよ……。あなた、先のこと全然考えてないですよね? そんな行き当たりばったりでよく事業を始める気になれますね!?」
「うわ、怒られた。……えー、じゃあユンユンが文字教えてよー」
「なんで僕が。自分でなんとかしてくださいよ」
「だってカイトには教えてくれてんじゃん。だったらあたしには教えないって道理にはなんなくない?」
「…………」
ユンカースの眼鏡の奥の目が、論破されたようにうっと細くなる。彼はもう一度大きくため息をつくと心底嫌そうな顔で口を開いた。
「あなた、人から図々しいって言われませんか?」
「あー。よく言われる」
「嫌味のつもりで言ったんですが。あっさり肯定しないでくださいよ」
「嫌味とか良くないよー? あたし言葉の裏読むのとか苦手だからストレートに言ってよ」
「はぁ……」
声に出して三度ため息を吐かれた。ユンカースは立ち上がると去り際に振り返って告げた。
「夕食が終わったら僕の部屋に来てください。話はそれからです」
なるべく昼間に練習を組み、夕方からはミネルヴァの店を手伝う有那は一気に忙しくなり、ユンカースとも挨拶程度しか交わさない日々が続いた。
そんなある日、ユンカースが早めに帰宅すると住人用の食堂の片隅に海渡がぽつんと座っている。
「あれ……アリナさんはどうしたんですか」
「あ、おかえりユンユン。かーちゃん、今日は馬の練習が夕方になっちゃってまだ帰ってきてない」
「そうですか……」
ユンカースから見ればやや過保護気味の有那が、海渡を置いて出ているとは珍しい。軽く眉をひそめると、厨房からミネルヴァが顔を出す。
「おや、帰ってきてたのかいユンカース。カイト、本当にそっちで一人で大丈夫か?」
「うん。なんかあったら言うから、ばーちゃん」
「あいよ」
ミネルヴァももはや「ばーちゃん」と呼ばれても怒らなくなった。
ミネルヴァの親族関係は知らないが、ふいにできた孫のような存在なのだろう。ぶっきらぼうな態度に反して彼女が面倒見が良いことは自分も身をもって知っている。
有那はミネルヴァに海渡を託していったようだ。海渡が座るテーブルに近付くと、古紙が散らばっている。手に取ると、ミミズののたうったような線が並んでいた。
「これはなんですか?」
「ひらがな。オレ、ひらがな書けるんだ。保育園ではまだ習ってないけど、絵本で覚えたから」
「これ……文字ですか? 君たちの国の」
「うん。絵本もなくて忘れちゃうから、だったら書く練習すればーってかーちゃんが」
ん、と海渡が記号のようなものが並んだ紙を差し出す。海渡の筆跡よりはだいぶしっかりとしたその文字たちは、ユンカースが見たことのない丸みと直線で構成されていた。自分たちの文字に比べると、まろやかな印象だ。
「これはアリナさんの字ですか……」
「そう。ここから『あ』『い』『う』『え』『お』……」
「…………」
興味を引かれてユンカースは海渡の隣に腰かけた。手帳を取り出すと、有那直筆のお手本をゆっくりと丁寧に書き写す。
「僕にも教えてもらえませんか。君たちの国の文字を」
「え……。ユンユンも勉強するの? 大人なのに」
「しますよ。外国の言葉は知れば知るだけ役に立ちますし。相手の文字を覚えれば、その国の本を読んだり、手紙を書くこともできます。文字や言葉でなくても、今までまったく知らなかったことを知るのは面白いですよ」
「そうなんだ……」
びっしりとメモが書き込まれた手帳をのぞき込み、海渡が目を瞬く。彼には読めないだろうその文字とユンカースの顔を見比べると、海渡はもじもじとうつむく。
「どうしましたか」
「あのさ……オレ、ユンユンたちが使ってる文字も、練習したい……。それ覚えたら、かーちゃん助かる……?」
「え――」
幼子の言葉にユンカースはぽかんと目を見開いた。海渡はちらちらと、こちらの反応を窺うように視線を向ける。
ふいにユンカースの脳裏に、遠くおぼろな記憶がよみがえった。
『ユンカース! どうして私が言った通りにできないの!』
『ごめんなさい……! ごめんなさい、おかあさん。ぼく、がんばるから……。うっ、ひっく……』
『あなたは出来が良くてお母さん嬉しいわぁ。あの女の子供には負けないのよ。全部あなたのためなの。たくさん勉強して、お母さんに楽をさせてね』
『はい、お母さん……』
容姿だけが取り柄だった、自分の生物学的母親の顔が思い出される。
振り向いてほしくて、必死に詰め込んだ知識は砂のように無味なものだった。励まされたとて、それは息子を想う心から来るものではなくすべて彼女自身のために他ならなかった。
色のない幼少期の記憶の断片に眉を寄せると、海渡が心配そうに見上げる。ユンカースは息を吐くと、ぽんと海渡の頭に手を乗せた。
「……いいですよ。僕も君に『ひらがな』を教えてもらいますから、交換条件です。君の歳なら焦る必要はないですが、覚えておいて損はない。ただし僕は、優しくないですけどね」
「えっ。怖いの……? 鬼から電話来る?」
「なんですかそれは……。誰も来ませんよ」
有那によく似た瞳が見開かれ、嫌そうにひそめられた。海渡は有那に比べると表情が乏しいと思っていたが、こうして見るとやはりよく似ている。
子供なんて苦手だと思っていたが、自ら学びたい気持ちがあるなら――本人が心からそれを望んでいるなら、手助けしない理由はなかった。知識は、のちのち彼がこの世界で生き抜いていく力となる。
有那が帰ってくるまで、二人は互いの国の文字を教え合った。
「ただいまー。カイトー、ごめんね! 大丈夫だった?」
「うん。ユンユンと勉強してた」
「勉強!?」
夕食時になり、有那が教習所――ではなくローレルの馬車屋から帰宅すると、海渡の隣にユンカースが座っていた。
見ると、有那がお手本を渡したひらがなの書き取りにとどまらず、紙に何か見知らぬ文字らしきものを書きつけている。
「ほえ~。自主的に勉強するなんてマジうちの子天才……。ユンユン、仕事帰りなのに構ってくれてありがとう」
「いえ、勉強というほどのものでは……。少しこちらの文字を教えていただけです」
「へー、文字。すごいじゃん、あたしまだ読めないのに」
「え……?」
「ん?」
素直に感心した有那をユンカースがぽかんと見つめ返す。それに有那が首を傾げると、彼はぎょっと目を見開いた。
「えっ! あなたまさか、こっちの文字読めないんですか!?」
「え、うん。読めんけど……。異世界飛ばされて文字まで読めちゃうようなチートスキルはないよー」
「いや分かりませんけど。えっ、だって、配達屋をやるんですよね!? 地図も読めないじゃないですか!」
「あ、地図は読めるよ。むしろ得意。地図さえ手に入れて道をだいたい把握すれば、まあそのうちなんとかなるかなーって」
へらりと答えた有那を信じられないという目で見つめ、ユンカースが深くため息をつく。彼は額を押さえると小さく首を振った。
「字を読めないんじゃなんとかならないですよ……。あなた、先のこと全然考えてないですよね? そんな行き当たりばったりでよく事業を始める気になれますね!?」
「うわ、怒られた。……えー、じゃあユンユンが文字教えてよー」
「なんで僕が。自分でなんとかしてくださいよ」
「だってカイトには教えてくれてんじゃん。だったらあたしには教えないって道理にはなんなくない?」
「…………」
ユンカースの眼鏡の奥の目が、論破されたようにうっと細くなる。彼はもう一度大きくため息をつくと心底嫌そうな顔で口を開いた。
「あなた、人から図々しいって言われませんか?」
「あー。よく言われる」
「嫌味のつもりで言ったんですが。あっさり肯定しないでくださいよ」
「嫌味とか良くないよー? あたし言葉の裏読むのとか苦手だからストレートに言ってよ」
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