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ACT2/エイリアン、混じる
しおりを挟むなんだ……コイツは
私が呼んだ獲物とは違うでは無いか。
残り少ないチカラを振り絞って、数日掛かりで霊感の強い女をおびき寄せたのに
『人身事故発生から7分』
駅のホーム下では、青色の塊が蠢いていた。
仄かに紫を帯びたその姿は、青味掛かった影の様なオーラをぼう、と吐く。
人間の図鑑には載っていないことが一目でわかる容貌である。
そして、その生き物はかなり弱っていた。
"青色"はぬらぬらと、青年だったものに近づく。
――しかしなんと言う偶然だろうか。
あの女以上の、ここまで凄まじい霊感を放つ人間がこの街に居たとは、嬉しい誤算だ。
この死体を食べれば、私は力を取り戻せるだろう。
"青色"は青年の身体に馬乗りになる。
そこで彼の右手がピクリと動いた。
――なんだこの男、まだ生きてるじゃないか。
なんと言う生命力だ。
死体で無いなら今の私には到底消化仕切れない。
「おーい! シート敷き終わったぞ」
「了解、本部(警察)が来るまであと5分弱だそうだ」
マズイな、これ以上時間を掛けると人間に見つかってしまう。仕方あるまい、この男の身体に入り込もう。融合するのだ。
これほど霊圧の強い相手に試すとなると、不安材料が多すぎるが仕方ない。
青色は男の頸動脈に小さく穴を開ける。鮮血がホーム下に噴き出した。
今は余計な臓器を食べる時間もない、コアは心臓と融合させて、血液の代わりに私の体液を使おう。
溢れ出す血液と入れ替わりで、青色は青年の体内に己の身を流し込む。
人間の血液は体重の13分の1と言われている。
つまりこの個体の受容量はおよそ5リットル。
可能な限り圧縮したが、私の身体全てを詰め込むことは出来まい。およそ3分の1と言ったところだろうか。
それでも体重は3桁にまで増えるはずだ。
170秒が経過。
クソ、想像より多くの肉体を切り離す羽目になった。
勿体ないが、収まらなかった5分の3は放棄する他ない。
しかし心臓との融合には無事成功。
これでこの肉体も私の体液を通して酸素を循環させられる。
つまり脳を通さずとも身体は操作できるわけだ。
ドクンッ
「お疲れ様です」
警察官らしき人物の声だ。これから現場検証でも始めるのだろう。
そろそろ潮時か。
青色は、いや青年"九十九川葵"はぬらりと立ち上がって、反対側へと歩き出す。
ふふ、両脚が千切れてしまって歩きにくいが、ここから逃げ出せれば直ぐに修復できるさ。
なんせ、この私なのだから。そこらの雑魚とは地力が違う。
生命力に満ち溢れたこの肉体ならば、一週間も掛かるまい。
力を取り戻した暁には、私を追い詰めた奴らを喰らってやる。
ケタケタと九十九川は嗤った。
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