花の香りに誘われて

Daisy

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あれはいつだっただろうか?
僕が小6の頃だっただろうか?

僕が初めて迎えた発情期。

最初は僕も戸惑った。
いつもと違う体温。心臓の音。そして体。
全てがいつもと違ったんだ。

でも周りは気付かなかった。


少し匂いを発するだけで周りからは洗剤の匂いだと。それだけで終わったのだ。


だから僕は思ったんだ。
Ωではあるがβとして生きていけるのではないかと。


家族もΩである僕を凄く心配してくれていた。
同じΩである母は特に心配していた。

僕の両親はαの父とΩの母の夫夫だ。
どちらも男であるが、2人は運命の番だった。

運命の番同士であれば生まれてくる子供はαの確率が高いと、ある研究結果が出ていたらしい。
しかし、僕はΩだった。

確率はあくまで確率。
必ずそうなるとは限らない。


それでも両親は僕を大切に育ててくれた。
いつ発情期が来てもいいようにしっかりと対処法も教わった。

今でもそうだ。
フェロモン過少とわかっても変わらない。


でも何度も教わったのに僕はあの時どうすることもできなかった。


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