花の香りに誘われて

Daisy

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漆原先生からの用事を済ませて帰る僕に柏木くんはカフェにでも行かないかと誘ってくれた。

正直嬉しかった僕は目をパチクリさせ、何度も頷いた。


家族以外の人とどこかに出かけるのが初めのて僕は、緊張と初めてづくしで挙動不審だったと自分でも思うほど周りをキョロキョロと見ていた。


柏木くんはこんな所に来るんだ。
あ、このベゴニア色が凄く綺麗だな。
土や日光をちゃんと考えられて育てられている。


「で、ここを曲がる……、何やってんの?」

「あ、え、あ、ごめん、ね。
つい、ベゴニアがめ、目に入っちゃって。」


「あー、ここのベゴニア綺麗だよな。
ここって日があまり当たらないからそれを利用して植えたんだと思うよ。

ベゴニアって日に弱いじゃん?」

「!!
柏木くんは、花に詳しいの!?」


「そこまでではないけど一応漆原ゼミだしな、それなりには俺も分かるよ。」


そっか。
ゼミにいる人達はそれなりに花や土に興味があるんだった。


「ほら、ここだよ。
看板にはカフェてあるけどどう見ても隠れ家的な喫茶店だよな。
ここのマスターがカフェだって言い張るんだよ。」


うわー、すごいな。
大学の近くにこんな昔馴染みのきっさ……カフェがあるなんて知らなかった。



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