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しおりを挟む「慎司!」
すべり台のエリアに着いた途端女性の声が耳に入った。
「ママ!
ママ!ママーっ!!」
慎司くんは女性めがけて走る。
「見つかって良かった。
怪我はない?大丈夫?」
慎司くんは不安から解消されさっきよりも大声を出して泣いていた。
お母さんの呼びかけにも反応できないくらいに。
「おかあしゃん、しんちゃんないてりゅ。
かなしいの?」
「慎司くんはお母さんに会えて嬉しくて泣いてるんだよ。」
嬉し泣きをまだ知らない匡にとって今の状況がよく理解出来ないようだ。
「あの、ありがとうこざいました。」
「いえ、慎司くんずっと不安そうな顔をしていたので見つかった良かったです。」
「もしよければお礼をさせて下さい。
すぐそこにシートをひいているので良ければ。」
「しんちゃん、だいろうぶ?」
「大丈夫よ。
一緒に探してくれてありがとうね。」
さ、こちらです。
と、先に歩き出した女性に慌ててついて行った。
断る暇さへなかった。
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