おれの守護霊疫病神。隣の席は巫女だし邪神と戦う準備できた

根本美佐子

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 部活見学に片っ端から行ってみよう。そんな風に思って、まずは中学でもやっていたサッカー部に見学に行こうと思っていたら、予想外なことが起きた。
「ブンくん。一緒に部活見学まわらない?」
 レナちゃんがそんなことを言ってきた。
「俺、サッカー部に行こうかなって思ってたんだけど……」
「うん。いいよサッカー部マネージャー募集してたし」
 マネージャー。そういってくれた時、それじゃ申し訳ないなって思った。だって、多分レナちゃんはきっとサポート役じゃなくて主役級のレギュラーになれるタイプだと思う。きっと、どんな部活でも結果を残せるような人だ。二流っていっても俺と違って、守護霊に天使がついているんだ。どんなことも上手くやれそうな気がする。
「レナちゃんは、興味ある部活ないの?」
「そうねぇ……弓道は両親がやっていて、私もやることがあるから、どのくらいの設備とどんな人たちの集まりか、雰囲気はみたいわ」
「じゃあ、そっち先に行こう。別に俺、サッカーが凄く好きってわけじゃないんだ」
「そう?じゃあ、弓道部、行ってみましょうか」
 二人で廊下を歩いていると、ずごく視線を感じた。一年生で一番美人な女子と、入学当日にニュースになったスタントマン高校生が歩いているんだから仕方がないかと、諦めていたら、横にいるパキネは不機嫌そうな顔をしていた。
 でも、俺らの二歩前を歩く白いスーツの天使が両腕を広げて、レナちゃんを露骨に守ろうとしている姿を見たら、なんだかパキネのヤキモチの方がずっと可愛く思えた。
 ん?パキネはヤキモチを焼いているのか?そう言えばなんで今、パキネは不機嫌なんだ?
「パキネ、どうした?」
「なんよ?」
「なんでそんな不機嫌そうなんだよ」
「だって、ブンが誰かと行動するって、変じゃん」
「変って、どこが?」
「別に。ただ今まではあたしがいれば別に誰も友達なんかいなくたって平気だったのにさ、高校デビュー順調すぎない?」
「何言ってんだよ。さっきガラスの破片で頬っぺたにこんなデカいガーゼ貼ってんだぞ?」
「そうなんだけど、そういうんじゃないんよ」
 校舎裏の弓道場に着き、靴を脱いで、靴下で道場の片隅で、袴姿の女子八人と男子五人が土壁に埋め込まれた的に向かって、矢を打ち込んでいた。
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