中年sランク冒険者の俺が次世代の育成をしてたら、異世界召喚勇者軍団が俺を魔王と勘違いして攻めてきた。

hakamori

文字の大きさ
32 / 49
二章 後輩冒険者

Sランクへの不信感

しおりを挟む
その日はもう少し進んだところで休むことになった。天狗族の中に亜空間倉庫のスキルを持っている奴がいて、彼がテントや食料を運んでくれるから、すごい楽だ。
が天狗族に料理ができる人が少なく、基本的に携帯食料を温めて食べているらしい。
けど今回はメイドのフーロがいるので、天狗族の分も料理を作ってもらっている。
フーロは俺のところに来るまで料理した事ないと言っていたが、もう他人に振舞っても喜ばれる腕前くらいには上達していた。
今日はもともと持って来ていた、天狗族の携帯食料の一つ、ちまきを温め直したものと、味噌汁になった。
味噌汁というのは味噌という豆から作った天狗族の伝統調味料をお湯に溶かし具と一緒に煮て作るスープだ。
味噌汁はヒノモトの国のニンジャ、サムライも好んで食すとか。
自分の部族の伝統料理が出てくると思わなかったのか味噌汁はかなり盛り上がった。

夜は見張りを交代でやりながら、テントで休んでいる。テントは大きいサイズのが天狗女子、天狗男子、俺とフーロの3つある。あとは3つ小さなテントがある。それは天狗の夫婦とカップル達のものだ。天狗達のルールで夫婦とカップルは個室を用意するのが普通らしい。魔法のパフォーマンスはストレスや不満が疲労や風邪とかよりも影響するので、遠征中だから、接触を制限するのは良くないという考えらしい。

フーロも寝て、そろそろ俺も寝に入ろうとした頃、別の布団で寝ているアミルが布団から出て来た。トイレだろうと思いほっておいたが、テントをどんどんテントから離れていく。アミルはテントの集まる場所から少し離れた開けた場所に止まった。俺は気になったので追いかけてみた。


「何しているんだ?」俺の声に反応して振り向くアミル。
「追いかけてきてくれましたね。実は私どうしてもコウタさんに確かめたいことがあったんです。」不敵な笑みを浮かべている。
「確かめたい事?聞きたいことがあるなら言ってみろ、できる限り答えるから。」
アミルが真剣な表情になる。
「私はSランク冒険者の貴方に憧れてきました。でも正直言ってあなたの実力が信じられないんですよね。どうみても強そうに見えないんです。今日あなたを見てきましたがあなたが動くべきところだとしても戦ってませんでした。だから少しお手合わせできませんか?」
確かに俺は殆ど戦闘に参加していない。理由は天狗達の方が対処するのが速い事と俺のスキル魔導アーマーが、攻撃に向いていないことだ。別に魔法や投擲でも戦えないことはないが、遭遇戦とかだとどうしても出遅れる。ならいっそ参加しないで終わった後の行動をスムーズにした方がいいというのが俺の考えだ。ちなみにコウマはあんたは最後尾守ってるんだから前の戦闘に参加する必要ないと言われているのでノータッチなのもある。
「あ、別に貴方に勝てるからやるってわけではなく、貴方レベルの実力を持つものはAランクにも沢山います。ではなぜ実力の近い彼らと違いSランクなのか。そこが知りたいんですよ。」アミルは真剣に真っすぐを俺を見据えている。腹括って少し本気でやるか。
「確かに俺は天災のウィザや、最恐のクリスティーナの様な常識外れな技は持ってない。だけどな、格下に Sランクに相応しくないとか言われるほど、弱いつもりもねぇ。いいだろう、相手をしてやる。」俺はいつもの鎧の形状を変えマントをつける。
「それは闘技場のイベントでいつもきている奴ですね、新聞に載ってました。てことは本気で相手してくれるんですね!こちらも頑張ります。」アミルが短剣を両手に持ち構えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ
ファンタジー
 僕は十年程闘病の末、あの世に。  そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?  幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。   ※画像はAI作成しました。 ※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...