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第参話──九十九ノ段
【拾壱】屏風ノ中
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――目を開くと、艶やかに彩色された天井が見えた。
重い頭を擦りながら身を起こす。未だに手足が痺れていて、それだけでも一苦労だ。
何とか起き上がり、周囲を見回して、零はそこが、未知の場所である事に気付いた。
部屋の広さは四畳半ほど。格子窓から夜景が見える。
洒落た欄間に模様の入った柱。
そして、斬新な図柄の襖。
その図柄を見て、零はハッとした。絵の構図に見覚えがある。
――緑に囲まれ青空を映した澄み切った清流。対岸では、幼い少年と少女が、跳ねる川魚を眺めている。
篠山栴檀邸の玄関に置かれている屏風。画風がやや異なるが、構図はそのままだ。
息苦しいほどの動悸に襲われる。……この襖絵が意味するところとは、一体……!
「お目覚めかい?」
後ろで声がしてドキリと振り返る。
そこには、こちらに背を向け鏡台を覗く花魁がいた。
紅を引く手を止め、大きく抜いた襟から覗く項を揺らし、彼女はこちらに横目を向けた。……今は普通の目をしている。
「おや、その顔を見ると、まだ思い出していないようだね」
目を細めころころと笑うさまは、花魁の衣装を差し引いても、実に艶美だ。
彼女は枕元に膝を寄せ、零の肩に手を置いた。
「よくわちきの顔をよく見とくれ――伊佐さん」
「……伊佐……」
聞き覚えのない名だ。
だが、と零は考えた。
ここは話に乗らなければ、先程のような痛い目に遭うは必然。無駄に敵意を見せたところで、現状、打つ手が零にはない。
ならば、ハルアキがこの花魁の正体を探り当てるまで、時間を稼ぐ方が賢明だろう。
あわよくば、この花魁本人から、素性を聞き出せたらなお良い。
零は胡座をかき、花魁と向き合う。
「私があなたと離れてから、どれくらいになりますかね?」
花魁は細い指先で襟の縫い目をなぞった。
「最後に会ったのは、明治十一年の秋じゃないか。ほら、あの襖絵を描いてくれた時だよ」
――明治十一年。竜睡楼から失踪者が出だした前の年だ。
その時に描かれた襖絵。
順当に考えれば、伊佐こそが栴檀で、これを描いた張本人とも思えるが、となると辻褄が合わない点があった。
花魁の指が零の左頬を滑り、顔を引き寄せる。
「綺麗な顔。ずっと見ていたい」
――栴檀の顔は、あの通りである。
伊佐という男は、傷のない綺麗な顔をしているのならば、栴檀である事はない。
……いや待て、確か、栴檀が顔を失ったのは、明治十一年。この花魁が最後に会ったというのと同じ年。
――その逢瀬の後に火災があったと考えれば、栴檀と伊佐が同一人物であっても不思議はない。
篠山栴檀の写真は、零が調べた限り、一枚として見付からなかった。そのため、それを確かめる術はない。
しかし、間違いのない事がひとつ分かった。
明治十一年に、この花魁と伊佐なる人物、そして篠山栴檀にとって、大きな転機となる出来事があった。
……そこから何か掴めないものだろうか。
この花魁と篠山栴檀との関わり……。
花魁にされるまま、零は灰色の瞳を見つめ返す。
「あなたの故郷は、確か上州でしたよね」
この花魁が篠山栴檀と関わりのある人物とした場合、同郷という可能性はないだろうか。
それは襖絵の図案にも繋がる。
そう思い口にした言葉に、花魁は小首を傾げた。
「おや、そんな話をしたかしらね。そうだよ。上州の利根川の畔。他に何もない所だから、よく川で遊んだものさ」
花魁はそう言うと、襖絵に顔を向けた。
「あそこに子供がいるだろ? 女の子がわちきで、男の子が弟。よくああやって、魚を眺めたものさ」
花魁の口ぶりは楽しそうだ。
花魁はじめ、花街の女性にとって、過去を語るのは避けるべきところだ。『売り物』としての自分の価値を落としかねないためだ。
そのため、方言が出ないよう、廓言葉が生まれたほどである。
それを嬉々として語る彼女を見れば、伊佐という男は、客という立場を超えた存在であると想像できた。
――お互いに深く相手を知る立場であるならば、下手な話題を出せば、零が伊佐という人物でない事が見抜かれる。慎重に話題を選ばなければ、命はないだろう。
零の背筋を冷や汗が伝う。
その心を表情には出さず、零は花魁の横顔に顔を戻した。
「聞かせてもらえませんか、あなたの故郷の話を」
◇
――一方。
ハルアキは再び座敷に戻り、座布団に胡座をかいて肩を竦めていた。
二人の禿は、それぞれハルアキと桜子の傍らに侍り、お銚子を手に澄ましている。
……二人の禿が現れた時、桜子の意識が乗っ取られたのではないかとヒヤリとした。
しかしその後、彼女は機嫌よく禿からお酌を受け、どうでもいい世間話をし続けている。……その間も、呉服問屋の若旦那の姉という設定を律儀に守っているのは感心する。
そして時々、彼女はハルアキに目線を送り、目配せをする仕草を見せた。
その意図を察するに、酔ったフリをして禿たちを油断させ、その正体、あわよくば零の消息に繋がる情報を聞き出そうとしているのだろう。
ともあれ、零が置き土産にした呪符が役に立っているようだ。禿たちは、お酌以外に桜子に干渉できないでいる。
桜子は、背中の呪符をヒラヒラさせながら、上機嫌に喋り続ける。
とはいえ、ハルアキとは決定的に認識が違っているようだ。
「丁度いいところにお酒を持って来てくれて助かったわ。九十九段を下りて、厨房までお酒のおかわりを貰いに行くの、大変だもの」
と、にこやかに禿に礼を言う。
――つまり、二人の禿はこの料亭のお手伝いだと思い込んでいるのだ。
そんな彼女たちならば、女将の代わりに、九十九段の怪についての詳しい情報を聞き出せるかもしれない。そう思っているのかもしれない。
ハルアキとしても、その勘違いは敢えて訂正する必要はないと考えた。二人の禿の正体を明かせば、桜子、そして禿たちがどんな態度を取るか分からない。
……それに、悔しいが、引きこもり生活が長いハルアキには、桜子のような芸当はできそうにない。
ここは彼女に任せるべきと、彼はお猪口を手に取った。
「あ! ガキンチョがお酒を飲もうとしてる」
桜子はすかさずハルアキの手からお猪口を奪い、一息に呑み干した。
「あ……!」
何度転生を繰り返しても、酒好きだけは変わらない。恨めしい目を桜子に送ると、彼女は片目を閉じた。――作戦開始の合図、といったところか。
「ところで……」
頬を赤くした桜子は、隣の禿からお酌を受けながら問い掛ける。
「あなた、お名前、なんて言うの?」
すると禿は答えた。
「小鮎でありんす」
「そちらは?」
「小依でありんす」
初めて声を出した禿に横目を向け、ハルアキは茶碗蒸しをつつく。……意思疎通は可能なようだ。
二人の禿は、非常によく似ていた。同じ髪型、同じ着物は当然として、背格好も同じくらいだ。
……だが、ひとつ。ハルアキが視線を落とした先。小依の右手には大きな痣がある。
桜子は相変わらずニコニコと話し続ける。
「小さいのに、二人ともしっかりしてるわね。この料亭へはよく来るの?」
「そうでありんす」
「あなたたち、廓言葉を使うのね。芸事の修行をしてるの?」
それには禿たちは返事をしなかった。
……そもそも、桜子が禿というのがどういう立場にあるのか、分かっていないとみえる。
ハルアキは口を挟んだ。
「この者らは、遊廓の花魁に付いて、遊女になるべく見習いをしておるのだ」
「あら、そうなのね。頑張ってるわね」
……やはり、少なからず酔っているのだろう。ハルアキは呆れた目を桜子に向けるが、彼女は構わずお猪口を傾ける。
「その花魁はどんな人?」
「綺麗な方でありんす」
「優しい方でありんす」
二人は代わる代わる答えた。
「二人とも、花魁の事が好きなのね。どんなところが好き?」
「心が澄んでいなさります」
「人を疑わない人でいなさります」
それを聞き、ハルアキは眉をひそめた。裏を返せば、騙されやすいお人好しという意味だ。搾取する側とされる側、欲望の魔窟とも言える遊郭に於いて、その性格でどうやって花魁にまで上り詰めたのか。
「そんな素敵な人なのね、花魁は。――なんてお名前?」
ハルアキは箸を止めた。果たしてすんなり答えるだろうか。
肝が冷える思いで耳を傾けると、だが小鮎は事もなげに答えた。
「――鯉若花魁でありんす」
重い頭を擦りながら身を起こす。未だに手足が痺れていて、それだけでも一苦労だ。
何とか起き上がり、周囲を見回して、零はそこが、未知の場所である事に気付いた。
部屋の広さは四畳半ほど。格子窓から夜景が見える。
洒落た欄間に模様の入った柱。
そして、斬新な図柄の襖。
その図柄を見て、零はハッとした。絵の構図に見覚えがある。
――緑に囲まれ青空を映した澄み切った清流。対岸では、幼い少年と少女が、跳ねる川魚を眺めている。
篠山栴檀邸の玄関に置かれている屏風。画風がやや異なるが、構図はそのままだ。
息苦しいほどの動悸に襲われる。……この襖絵が意味するところとは、一体……!
「お目覚めかい?」
後ろで声がしてドキリと振り返る。
そこには、こちらに背を向け鏡台を覗く花魁がいた。
紅を引く手を止め、大きく抜いた襟から覗く項を揺らし、彼女はこちらに横目を向けた。……今は普通の目をしている。
「おや、その顔を見ると、まだ思い出していないようだね」
目を細めころころと笑うさまは、花魁の衣装を差し引いても、実に艶美だ。
彼女は枕元に膝を寄せ、零の肩に手を置いた。
「よくわちきの顔をよく見とくれ――伊佐さん」
「……伊佐……」
聞き覚えのない名だ。
だが、と零は考えた。
ここは話に乗らなければ、先程のような痛い目に遭うは必然。無駄に敵意を見せたところで、現状、打つ手が零にはない。
ならば、ハルアキがこの花魁の正体を探り当てるまで、時間を稼ぐ方が賢明だろう。
あわよくば、この花魁本人から、素性を聞き出せたらなお良い。
零は胡座をかき、花魁と向き合う。
「私があなたと離れてから、どれくらいになりますかね?」
花魁は細い指先で襟の縫い目をなぞった。
「最後に会ったのは、明治十一年の秋じゃないか。ほら、あの襖絵を描いてくれた時だよ」
――明治十一年。竜睡楼から失踪者が出だした前の年だ。
その時に描かれた襖絵。
順当に考えれば、伊佐こそが栴檀で、これを描いた張本人とも思えるが、となると辻褄が合わない点があった。
花魁の指が零の左頬を滑り、顔を引き寄せる。
「綺麗な顔。ずっと見ていたい」
――栴檀の顔は、あの通りである。
伊佐という男は、傷のない綺麗な顔をしているのならば、栴檀である事はない。
……いや待て、確か、栴檀が顔を失ったのは、明治十一年。この花魁が最後に会ったというのと同じ年。
――その逢瀬の後に火災があったと考えれば、栴檀と伊佐が同一人物であっても不思議はない。
篠山栴檀の写真は、零が調べた限り、一枚として見付からなかった。そのため、それを確かめる術はない。
しかし、間違いのない事がひとつ分かった。
明治十一年に、この花魁と伊佐なる人物、そして篠山栴檀にとって、大きな転機となる出来事があった。
……そこから何か掴めないものだろうか。
この花魁と篠山栴檀との関わり……。
花魁にされるまま、零は灰色の瞳を見つめ返す。
「あなたの故郷は、確か上州でしたよね」
この花魁が篠山栴檀と関わりのある人物とした場合、同郷という可能性はないだろうか。
それは襖絵の図案にも繋がる。
そう思い口にした言葉に、花魁は小首を傾げた。
「おや、そんな話をしたかしらね。そうだよ。上州の利根川の畔。他に何もない所だから、よく川で遊んだものさ」
花魁はそう言うと、襖絵に顔を向けた。
「あそこに子供がいるだろ? 女の子がわちきで、男の子が弟。よくああやって、魚を眺めたものさ」
花魁の口ぶりは楽しそうだ。
花魁はじめ、花街の女性にとって、過去を語るのは避けるべきところだ。『売り物』としての自分の価値を落としかねないためだ。
そのため、方言が出ないよう、廓言葉が生まれたほどである。
それを嬉々として語る彼女を見れば、伊佐という男は、客という立場を超えた存在であると想像できた。
――お互いに深く相手を知る立場であるならば、下手な話題を出せば、零が伊佐という人物でない事が見抜かれる。慎重に話題を選ばなければ、命はないだろう。
零の背筋を冷や汗が伝う。
その心を表情には出さず、零は花魁の横顔に顔を戻した。
「聞かせてもらえませんか、あなたの故郷の話を」
◇
――一方。
ハルアキは再び座敷に戻り、座布団に胡座をかいて肩を竦めていた。
二人の禿は、それぞれハルアキと桜子の傍らに侍り、お銚子を手に澄ましている。
……二人の禿が現れた時、桜子の意識が乗っ取られたのではないかとヒヤリとした。
しかしその後、彼女は機嫌よく禿からお酌を受け、どうでもいい世間話をし続けている。……その間も、呉服問屋の若旦那の姉という設定を律儀に守っているのは感心する。
そして時々、彼女はハルアキに目線を送り、目配せをする仕草を見せた。
その意図を察するに、酔ったフリをして禿たちを油断させ、その正体、あわよくば零の消息に繋がる情報を聞き出そうとしているのだろう。
ともあれ、零が置き土産にした呪符が役に立っているようだ。禿たちは、お酌以外に桜子に干渉できないでいる。
桜子は、背中の呪符をヒラヒラさせながら、上機嫌に喋り続ける。
とはいえ、ハルアキとは決定的に認識が違っているようだ。
「丁度いいところにお酒を持って来てくれて助かったわ。九十九段を下りて、厨房までお酒のおかわりを貰いに行くの、大変だもの」
と、にこやかに禿に礼を言う。
――つまり、二人の禿はこの料亭のお手伝いだと思い込んでいるのだ。
そんな彼女たちならば、女将の代わりに、九十九段の怪についての詳しい情報を聞き出せるかもしれない。そう思っているのかもしれない。
ハルアキとしても、その勘違いは敢えて訂正する必要はないと考えた。二人の禿の正体を明かせば、桜子、そして禿たちがどんな態度を取るか分からない。
……それに、悔しいが、引きこもり生活が長いハルアキには、桜子のような芸当はできそうにない。
ここは彼女に任せるべきと、彼はお猪口を手に取った。
「あ! ガキンチョがお酒を飲もうとしてる」
桜子はすかさずハルアキの手からお猪口を奪い、一息に呑み干した。
「あ……!」
何度転生を繰り返しても、酒好きだけは変わらない。恨めしい目を桜子に送ると、彼女は片目を閉じた。――作戦開始の合図、といったところか。
「ところで……」
頬を赤くした桜子は、隣の禿からお酌を受けながら問い掛ける。
「あなた、お名前、なんて言うの?」
すると禿は答えた。
「小鮎でありんす」
「そちらは?」
「小依でありんす」
初めて声を出した禿に横目を向け、ハルアキは茶碗蒸しをつつく。……意思疎通は可能なようだ。
二人の禿は、非常によく似ていた。同じ髪型、同じ着物は当然として、背格好も同じくらいだ。
……だが、ひとつ。ハルアキが視線を落とした先。小依の右手には大きな痣がある。
桜子は相変わらずニコニコと話し続ける。
「小さいのに、二人ともしっかりしてるわね。この料亭へはよく来るの?」
「そうでありんす」
「あなたたち、廓言葉を使うのね。芸事の修行をしてるの?」
それには禿たちは返事をしなかった。
……そもそも、桜子が禿というのがどういう立場にあるのか、分かっていないとみえる。
ハルアキは口を挟んだ。
「この者らは、遊廓の花魁に付いて、遊女になるべく見習いをしておるのだ」
「あら、そうなのね。頑張ってるわね」
……やはり、少なからず酔っているのだろう。ハルアキは呆れた目を桜子に向けるが、彼女は構わずお猪口を傾ける。
「その花魁はどんな人?」
「綺麗な方でありんす」
「優しい方でありんす」
二人は代わる代わる答えた。
「二人とも、花魁の事が好きなのね。どんなところが好き?」
「心が澄んでいなさります」
「人を疑わない人でいなさります」
それを聞き、ハルアキは眉をひそめた。裏を返せば、騙されやすいお人好しという意味だ。搾取する側とされる側、欲望の魔窟とも言える遊郭に於いて、その性格でどうやって花魁にまで上り詰めたのか。
「そんな素敵な人なのね、花魁は。――なんてお名前?」
ハルアキは箸を止めた。果たしてすんなり答えるだろうか。
肝が冷える思いで耳を傾けると、だが小鮎は事もなげに答えた。
「――鯉若花魁でありんす」
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