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第四十一話
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私は悪魔、天使に憧れる悪魔。
すみれの言葉に、れいこの全ての時が止まる。
あの日、この日、過去、現在、未来、昨日、今日、明日。
全てが混ざり合っては止まる。
だが、自分はもう戻れないしこれからも変えれない。
それに。
「すみれちゃん、そう思ってくれているのは嬉しい。私のためになんでもしてくれるのは嬉しい。でも、貴女は間違っている。私は天使じゃない。悪魔なだけ。綺麗じゃない。美しいだけ。貴女は間違っている。」
れいこはすみれに目線を合わすことなくそう言った。しかし、すみれはしっかりとれいこを見つめて言い張る。
「れいこさんは綺麗な天使様です。だってみんなれいこさんをミカエル様って言うじゃないですか!私はそんなれいこさんに憧れているのです。そんなれいこさんに優しくされて嬉しかったのです。」
「でも、すみれちゃん。私は貴女に酷いことをしてるし、これからもするつもり。貴女を地獄に引き摺り込むつもり。」
「だって、天使様は悪魔に勝つのですもの。れいこさんはそれをしているだけ。私が悪魔なら、れいこさんはそうしているだけ。悪魔だったら悪魔を助けないし、蔑める必要もない。」
「・・・でも、私は天使にはもうなれないの。もう羽根なんてないのよ?貴女には決して分からないし、分かってほしくない。私、もう戻れない。」
れいこは両手を握りしめて震えながら言う。
しかし、すみれはあっけらかんとして答えた。
「れいこさんの言うことはいつも難しくて私にはよくは分かりません。でも、そんなに天使様になれないと言うのなら、人間になればいいのではないですか?」
「人間に?馬鹿らしい。私は悪しかない。」
「でも、れいこさんは私を救ってくれましたよ?例え嘘でも。私は救われたのですよ?人間は良いこともするし悪いこともするのでしょ?れいこさん、悪いこともしたのかもしれないけれど、良いことも沢山してきましたよ?天使になれないと言うなら他にそれができるのはきっと人間だけですよ?私、習いましたから。私、そこまで馬鹿じゃありません。馬鹿ではないと教えてくれたのは、れいこさんですよ?」
「人間・・・。私は人間なの?」
れいこは震えながら、すみれを見つめた。すみれは昔から裏表がない。嘘なんて上手くつける子ではない。だから、純粋にれいこに微笑みかける。
「はい!れいこさんは天使でないと言うし、私はれいこさんは悪魔でないと言います。じゃあ、人間ですよ!」
れいこは目に涙を溜めながら、自分を抱きしめた。
「あの、すみません。私の解釈は変だったでしょうか?やっぱり、私は馬鹿だったのでしょうか?」
れいこは首を振り続けた。
「私、人間でいいのかな?悪魔にならなくていいのかな?」
「悪魔は私だけで十分です!でも、きっとれいこさんは私を助けてくれるから大丈夫です。だから、捨てないで。人間は悪魔もやっつける力を持っています。救う力も持ってます。私、習いましたから。だから、私を見捨てないでください。」
れいこはすみれに飛び込むように抱きつく。
今までで一番強く抱きしめる。
一番優しく、一番清らかな思いで。
「私、天使になりたかった!誰よりも!!本当は悪魔になんてなりたくない!誰よりも!!どこにも行けないなら・・・私、人間になりたい!!」
「よくは分かりませんが、れいこさんが望むならできますよ。だってれいこさん、何でも思った通りにできたじゃないですか。」
「・・・私は人間、天使に憧れる人間。」
そう言うと、れいこはすみれに口付けた。
今までで一番人間らしい口付けだった。
人を愛したい。愛されたい。
こんなにも愛を求めている。
天使でもない、悪魔でもない。
れいこは人間だ。
全てが終わる。
悪は消え去る。
天使にもなれないのに悪魔が消える。
全てが消える。
れいこはただの人間になってしまった。
人間になるということは、今までの代償が待っている。
罰が待っている。
すみれの言葉に、れいこの全ての時が止まる。
あの日、この日、過去、現在、未来、昨日、今日、明日。
全てが混ざり合っては止まる。
だが、自分はもう戻れないしこれからも変えれない。
それに。
「すみれちゃん、そう思ってくれているのは嬉しい。私のためになんでもしてくれるのは嬉しい。でも、貴女は間違っている。私は天使じゃない。悪魔なだけ。綺麗じゃない。美しいだけ。貴女は間違っている。」
れいこはすみれに目線を合わすことなくそう言った。しかし、すみれはしっかりとれいこを見つめて言い張る。
「れいこさんは綺麗な天使様です。だってみんなれいこさんをミカエル様って言うじゃないですか!私はそんなれいこさんに憧れているのです。そんなれいこさんに優しくされて嬉しかったのです。」
「でも、すみれちゃん。私は貴女に酷いことをしてるし、これからもするつもり。貴女を地獄に引き摺り込むつもり。」
「だって、天使様は悪魔に勝つのですもの。れいこさんはそれをしているだけ。私が悪魔なら、れいこさんはそうしているだけ。悪魔だったら悪魔を助けないし、蔑める必要もない。」
「・・・でも、私は天使にはもうなれないの。もう羽根なんてないのよ?貴女には決して分からないし、分かってほしくない。私、もう戻れない。」
れいこは両手を握りしめて震えながら言う。
しかし、すみれはあっけらかんとして答えた。
「れいこさんの言うことはいつも難しくて私にはよくは分かりません。でも、そんなに天使様になれないと言うのなら、人間になればいいのではないですか?」
「人間に?馬鹿らしい。私は悪しかない。」
「でも、れいこさんは私を救ってくれましたよ?例え嘘でも。私は救われたのですよ?人間は良いこともするし悪いこともするのでしょ?れいこさん、悪いこともしたのかもしれないけれど、良いことも沢山してきましたよ?天使になれないと言うなら他にそれができるのはきっと人間だけですよ?私、習いましたから。私、そこまで馬鹿じゃありません。馬鹿ではないと教えてくれたのは、れいこさんですよ?」
「人間・・・。私は人間なの?」
れいこは震えながら、すみれを見つめた。すみれは昔から裏表がない。嘘なんて上手くつける子ではない。だから、純粋にれいこに微笑みかける。
「はい!れいこさんは天使でないと言うし、私はれいこさんは悪魔でないと言います。じゃあ、人間ですよ!」
れいこは目に涙を溜めながら、自分を抱きしめた。
「あの、すみません。私の解釈は変だったでしょうか?やっぱり、私は馬鹿だったのでしょうか?」
れいこは首を振り続けた。
「私、人間でいいのかな?悪魔にならなくていいのかな?」
「悪魔は私だけで十分です!でも、きっとれいこさんは私を助けてくれるから大丈夫です。だから、捨てないで。人間は悪魔もやっつける力を持っています。救う力も持ってます。私、習いましたから。だから、私を見捨てないでください。」
れいこはすみれに飛び込むように抱きつく。
今までで一番強く抱きしめる。
一番優しく、一番清らかな思いで。
「私、天使になりたかった!誰よりも!!本当は悪魔になんてなりたくない!誰よりも!!どこにも行けないなら・・・私、人間になりたい!!」
「よくは分かりませんが、れいこさんが望むならできますよ。だってれいこさん、何でも思った通りにできたじゃないですか。」
「・・・私は人間、天使に憧れる人間。」
そう言うと、れいこはすみれに口付けた。
今までで一番人間らしい口付けだった。
人を愛したい。愛されたい。
こんなにも愛を求めている。
天使でもない、悪魔でもない。
れいこは人間だ。
全てが終わる。
悪は消え去る。
天使にもなれないのに悪魔が消える。
全てが消える。
れいこはただの人間になってしまった。
人間になるということは、今までの代償が待っている。
罰が待っている。
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