シャイな異形領主様に代わりまして、後家のわたくしが地代を徴収(とりたて)いたします。

見早

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1章 ギルド創設への道

7話 まずは用心棒が必要ですね

「新領主って……」

 いったい何の冗談だろうか。
 今すぐ説明して欲しいのだが、ドラグは相変わらずカウンター下で丸まっている。推しと似た姿で情けない――が、2メートル越えの身長とそのツノで、よく隙間に入れたものだ。

「この方こそがシオン領の領主、ドラグマン・グロウサリア卿です!」
「ソイツはただの引きこもりだろうが。あぁ、外から来た人間の後家たぁテメェのことか?」
「後家、キノコかわいい」
「だーからお前は黙ってろってのボロ公! 話がややこしくなんだよ!」

 どうやら竜族の中では、ドラグ再婚の話は広まっているらしい。しかしこちらは、分家のロードンが領主を騙っているとは聞いていない。
 威圧的な筋肉に負けず、「ドラグこそが本家の正統な嫡男」だと繰り返すと。ロードンは小さなロッジが揺れるほどの咆哮を上げた。

「本家やら分家やら関係ねぇ。このシオンの頂点は竜種ドラゴン! その中でも1番強ぇ俺がトップだ!」
「そんな横暴な……あっ」

 もしや、領主の息子が暴君というウワサは。

「まさかそれ、町の色んなところで言いふらしてるんじゃ……」
「当たり前ぇだ。でなきゃ地代取れねぇだろ」

 何ということだ。ドラグが引きこもっているのをいいことに、勝手に新領主として地代を回収していたとは。

「つーわけだ。おいノームの女! 俺らの土地に店を出すっつーんなら地代をよこしな」
「あらまぁ……どうしましょ」

 新領主とはお笑い草だ。やっていることがただのチンピラではないか。

「渡す必要はありません。ドラグ様、立ってください! 彼らに一発ガツンと……ってドラグ様!?」

 目を置き去りにする勢いで視界が揺れ、気づいた時には店の外に出ていた。戻ろうとすると、抗えない力で引き戻される。

「何するんですか!? 早く彼らを止めないと」

 とっさにドラグを見上げると、彼は震える唇を必死に抑えていた。今にも泣き出しそうな顔で。

「ドラグ様……」

 彼は、本当にロードンを恐れているのだ。それもトラウマ並みに。
 怒りに任せて走り出そうとしていた足を止め、震えるドラグの手をとった。

「いったん帰りましょう」

 偽物をはびこらせておくわけにはいかないが、今はどうにもならない。
 ひとまず屋敷まで戻り、ドラグの自室にホットミルクを運んでいった。精神的に参っているのか、ドラグはフカフカの羽毛に顔を埋めたままうつ伏せになっている。

「ドラグ様。ミルク、飲みません?」
「君……あの2人のこと、知ってたの?」

 しまった。とっさに名前を呼んでしまった弊害が、こちらにも起きている。

「何となくそんなお名前なのでは、という気がいたしまして!」

 ドラグは顔を上げない。ひとまず足元に腰を落とし、ベッドにもたれながらミルクをすすることにした。
 とりあえず、今この状況をどうしたものか――首をひねっていると、ドラグはほんの少し身体を起こした。

「いとこのロードンとボロネロは、ゲルダ……前妻の現夫なんだ。で、ロードンは僕を目の敵にしてる」
「前妻の現夫……えっ、ええ?」

 思ったよりも複雑なことになっている。
 それにしてもゲルダ――『シビュラ』ゲームにはいなかったキャラクターだ。

「子どもの頃から苦手だったんだけど、あっちも僕に興味はなくて……彼女にとって大事なのは、『美』」
「美」

 言葉の重みにつられ、思わず繰り返してしまった。

「その美しさっていうのは外見だけじゃなくて、『強さ』と『権力』なんだ」

 何となく話が見えてきた気がする。

「ゲルダは昔から、ロードンの肉体的『強さ』とボロネロの外見的『美しさ』を評価してた」
「評価? 好きとかではなく?」
「彼女の1番は自分だから……とにかく本家の嫡男の僕と結婚したのは金目当てで、それが尽きたからあっけなく捨てられたんだ」

 いや、きっとそれだけではない。むしろ散財直後の離縁は、彼女の中で決められていた筋書き。結婚の1番の目的は――。

「領主の座を奪うこと、なのでは?」
「えっ……ゲルダが?」

 彼女も分家のドラゴンだというのならば。ドラグとの結婚を機に本家へ入り込み、財産を食い尽くすことで力を削ごうとしたのではないだろうか。

「彼女にとっては『権力』が大事なのでしょう? きっと、本家と分家の立場を逆転させようとしているのです」

 ロードンはただ物理的に強いだけで、領主の器ではないことは分かっている。そんな彼を夫にしたのも、力で他の種族に圧力をかけ、分家であるノクサリアを新しい領主家として認めさせるため。きっと折を見て、夫から領主の座を奪うだろう。

「領主の座は私がもらおうと思ってたのに、先を越されてたなんて……」
「え?」
「あっ、あはははっ、何でもありませんわ! ねぇドラグさ……わっ!」

 突然身体が宙に浮いたかと思うと、背中がベッドに着地していた。かすかに涙の滲んだ金色の瞳が、こちらを見下ろしている。

「ごめん……必要以上に触らないって約束したのに。でも僕のためにミルクを入れてくれたり、落ち着いて話を聞いてくれたりするのは、君が初めてで」

「嬉しくて」、と初めて綻んだ顔は、推しに似ても似つかないはずだというのに。なぜか胸のあたりが疼いている。

「僕、本当は、新しい家族になる君と穏やかに暮らしたかったんだ」

 触れるか触れないかの位置にある大きな手がベッドを軋ませ、ドラグの胸が少し近づいた。ほんのり甘い香りが鼻をくすぐる。

「あ、あの、少し近いかなって」

 目が合うことの方が少ないダウナー系ドラゴンのくせに、今は妙に押しが強い。それに彼の放つ匂いを嗅いでいると、鼓動がどんどん速くなっていく。

「生活費は何とかするし、ちょっとした贅沢もできるようにする……だから」

「ただ一緒にいてほしい」――懇願の言葉に、最高潮を迎えた胸の高鳴りが引いていった。
 雰囲気に騙されるところだったが、このトキメキは錯覚だ。泣き寝入りしたところで、あの悔しさは消えないのだから――このままロードンたちを放置しておくものか。

「ドラグ様は、領主を騙られて黙っているのですか?」
「え……」

 困惑を浮かべた顔が遠ざかっていく。その隙に起き上がり、甘い匂いの漂うベッドから飛び降りた。

「私は悔しいです。ニセ領主をこらしめて、ドラグ様が真の領主であると知らしめてみせます!」

 領民の信頼を勝ち取るには、彼らの暮らしを良くしていかねば。しかし今もっとも優先すべきは――。

「まずは用心棒が必要ですね」
「用心棒って……あっ、待って!」

 自室に立ち寄り、ドラグが贈ってくれた首飾りを持ちだした。

「当家に残った最後の財産、用心棒を雇うのに使わせていただきます」

 心配するドラグを振り切り、敷地の門を出ていくと、彼はそれ以上ついてこなかった。カフェにまだロードンたちがいるのでは、と警戒しているのだろう。

「マスター……大丈夫かな」

 キノコ型のロッジは静まり返っている。中の様子が気になるが、今私1人が行ったところで、ロードンには太刀打ちできない。

「早く用心棒を探さなくちゃ」

 雪灯りがまぶしい森の獣道を通り抜けると、すぐにレンガ屋根の建物が連なる町が見えてきた。

「食料と資材の市場に、診療所みたいな建物……町中だけレンガの道も敷かれてる、と」

 丘の上から把握してはいたが、町には最低限の施設が揃っている。領民はそれぞれの民族衣装を身にまとい、各種族が得意とする仕事を担って生活しているようだ。

「ドラグたちで慣れたと思ってたけど……やっぱりスゴい」

 画面の中にしか存在していなかったファンタジーの種族たちが、店の連なる大通りを行き交っている。

「おい、また始まりそうだぜ」
「ミンナ売り物をしまエ!」

 何だろうか。突然、市場が騒がしくなりはじめた。この地響きと、竜巻のような風の音はいったい――。

『軟弱者が! かような風魔法、200年磨き上げたこの体には微風そよかぜも同然!』

 大声で突進してくる青い鉱石の塊――軽自動車よりも大きい彼は、ゴーレム族の長ランドか。

「愚か者が! 200歳の若輩者に、この私が本気を出すはずないでしょう」

 さらにゴーレムの隣を、珊瑚色の髪をなびかせた麗人が飛行している――あのエルフはナノの最愛の姉、ミス・グラニーだ。

「やっぱり、ここでも仲悪いんだ……『シビュラ』だと、どっちも上位種の魔族だったな」

 それぞれ魔法と防御に長けた一族、まとめて仲間にできれば心強いのだが――今は時間も惜しい。やるだけやってみよう。

「止まって! 私の話を聞いてくださいませんか?」

 彼らの進行方向を遮るように、通りへ飛び出そうとしたところ。

『邪魔だ人間!』
「退きなさい人の子よ!」

 耳を貸してくれないどころか、止まる気配すらない。
 暴風のような圧に煽られ、後ろによろけてしまった――が、体制を立て直す間もなく、身体が勝手に起き上がった。

『だいじょうぶ?』

 岩場を反響するような声に顔を上げると、青いゴーレムと目が合った。目と言っても、鉱石の隙間にふたつの光が灯っているだけだが。

「ありがとうございます。あなたが支えてくださったのですね」
『トーさん、ふだんは人間をぞんざいにあつかわない。エルフの長とケンカして、怒ってたから』

 先ほど通り過ぎていったランドの息子――彼のことはよく知らないが、話は分かりそうだ。

「実はあなたのお父上方に、用心棒として働かないか、と勧誘しようとしたのですが」
『ゴーレムもエルフも、仕事もってる。ボクたち、基本おんこう。用心棒むいてない』

 たしかに。冷静に考えてみると、両方とも傭兵向きの種族ではない。それにここは『シビュラゲーム』ではないのだ――プレイヤーの気分次第で、転職や兼職をさせることはできない。

「そうですわね。少し、焦り過ぎていたのかもしれません」

 親切なゴーレムに改めて礼を言い、一度屋敷へ戻ることにした。

「はぁ。もっとこの世界のシビュラを知らないと、か」

 シビュラの幻想種たちは、人間とは違う。下位種が上位種に逆らうことはない。この世界でも当てはまる法則だとすれば、シオンでドラゴンに敵う種族はいないということだ。

「他の領から用心棒を呼び寄せる? でも、どうやって……」
「やめて!!」

 甲高い声に思考が打ち切られた。今の声――カフェの方からだ。

「どうしました!?」

 構わずドアを開け放つと。先ほど見たばかりの憎たらしい顔が、ちびノームに鋭い爪を向けていた。マスターは恐怖で固まり、カウンターから動けずにいる。

「ロードン……なんてことを」
「あぁ? またテメーかよ。今取り込み中だ、帰りやがれ」

 新領主を騙るだけでは足らず、暴力を振るうとは。

「その子を放しなさい。あなたのようなチンピラが新領主だなんて、誰も認めませんよ」

 筋肉ドラゴンに向けて、真っ直ぐに言い放つと。彼は笑いながら、爪をひねる真似をした。

「地代を払わねーってんなら、力で従わせるしかねぇだろ? このシオンでは、『力こそがすべて』だ」

 鋭い眼光で睨みつけられると、自然に身体が震え出した。彼には絶対に敵わないと、生き物としての本能が警告している。
 しかし――。

「助けておばあちゃん!」
「ニシカ……!」

 にんげんは、シビュラの幻想種とは違う。どんな相手にだって、立ち向かう勇気さえあれば挑めるのだ。

「その子を、放して」

 震える足を一歩、二歩。そうして動き出した足をひと思いに駆り、ロードンの手からノームの子を奪い取ろうとした、その時。

「おいっ! どけ――」

 鋭く伸びた青い爪が、視界から消えた。瞬間、生暖かい感覚が下腹部を伝う。

「え……?」

 心臓の鼓動が、やけに大きく聞こえる中。おそるおそる腹を見下ろすと。

「う、そ……」

 ドラゴンの爪が、エメルレッテの薄い腹を貫いていた。
 惨状を理解しても、痛みは感じない。
 ただ。
 暑い。
 寒い――。

「おい、俺はそんなつもりじゃあ……ちょっと振り払おうとしただけだって! 人間って、こっ、こんなに脆いのか……?」

 戸惑いの咆哮を最後に、五感が消え去った。



『目覚めなさい、匡花』

 真っ暗な視界の中。
 聞き覚えのある、厳かな女性の声が頭に響く。
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