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荒れ始める輝介

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そんな時、後ろからひそひそ声が聞こえた。

「俺、最近の輝介あんまり好きじゃないかも」
「分かる。なんか自分勝手だし私も苦手かも。」

...え?
輝介が嫌われている?

「ねえねえ。輝介となんかあったの?」
「あ、美苗。なんか最近輝介変だと思わない?」
「え、なんで?」
「なんかね、輝介が暗かったから、みんなで私達はずっと輝介の友達だからねって言ったら、輝介が言っていることに反論する度に、俺ら友達だろ?って言って、なんでも自分の思い通りにするの。」
「そ、そうなんだ...」

輝介は、みんなが離れていく恐怖から、だんだん友達がなにか分からなくなってきてるのかな。
それで、離れていかないようにずっとそばで友達を縛っていくつもりなのかもしれない。

どうしよ...。


授業が始まった。

あ。

輝介はゲーム機を持ってきているようだ。
授業中なのに平気でやっている。

「こら!そこ!なんで学校でゲームをしているんですか!」

先生が怒鳴る。当たり前だ。

「はぁ?うるせぇんだよ。ばばあ。」

シーン。
クラスが静まり返る。

だめだ。輝介は取り返しのつかないほどまでに狂っている。これは想定外だ。

「先生にその口の聞き方してはいけません!」

先生の顔がみるみる赤くなっていく。
その時だった。

〝バーン 〟

嫌な音がする。
輝介が先生を殴ったのだった。

やばい。どうすれば。
そんなことを考えてるうちに私の身体は勝手に動く。
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