ブラッディソード・エクレア

渋谷かな

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「今の僕なら何でもできる気がする。」
教会の外に出たシューは剣を見つめる。
「エクレアさん、僕に力を貸してください。」
シューは剣に眠る神の血を司る天使のエクレアに願う。
「ブラッディ・アバター!」
シューの言葉に答えるように、ブラッディソードから血が噴き出し人の姿を形成していく。
「よし、できた。」
シューにソックリの血の人間が出来上がった。
「僕の代わりに、エリザさんや避難している街の人々を守るんだ。」
血でできたシューの分身はコクっとうなずいた。
「うわあ!?」
その時、街の方から何か建物が崩れる大きな音がして地響きが起こる。
「クソッ! アダイブめ! これ以上、好きにはさせないぞ!」
シューは駆け足で修道院の敷地の外に駆け足で出た。
「これは!? ま、街が!? なんて酷いことを!?」
シューが見たものは、水と緑とエクレアに溢れていたスイーツ街の町並みが、火の海に囲まれ建物は瓦礫と化している。
「血が、血が流れている。これじゃあ、皆殺しじゃないか!?」
街にはゴブリンやガイコツなどの大量の魔物が人々を殺して死体にしていた。
「・・・ゆ、許さない。許すもんか。絶対に許すもんか!」
シューは死んだ人の死臭に触れたのか、感情の起伏が大きくなり興奮気味である。
「血だよ。エクレアさん。」
もう、シューは優しい修道士から血を司る天使の剣士に豹変していた。
「魔物はすごい数だけど、ペルセポネーさんに輸血して、血が足らないよね。」
シューは剣に語り掛ける。
「一体一体、魔物を倒している時間はないんだ。やれるよね? エクレアさんなら。」
シューはブラッディソード・エクレアを空にかざす。
「殺された人々の血よ。生きている魔物の血よ。こい! 血よ! 全て吸いつくしてやる!」
「エクレアさん、僕に力を貸して下さい!」
シューは剣の中にいるであろうエクレアに祈る
「ブラッディソード・エクレア!!!」
一瞬、何事も起こらなかったように思えた。
「空が真っ赤に染まる!?」
青かった空が夕日でもないのに赤い空になる。
「こ、これは!? 血だ!? 血が空を覆っているんだ!?」
空が赤くなったのは、魔物に殺された人間の血が、天使エクレアに導かれ天国に旅立ち、魂が抜けた肉体から血だけが噴き出し空を覆ったのである。同様に街に進行している命ある魔物の血も天使エクレアに抜き取られ空を覆ったのである。
「来る!?」
空に舞い上がった血は、一斉にシューの持つブラッディソード目掛けて降り注ぐ。
「うわあ!?」
血が剣に吸われていき、血液不足で薄い赤い剣に血が補充され、深紅の剣に戻っていく。
「エクレアさん。美味しい血と不味い血のブレンドだよ。お腹を壊さないでね。」
シューは血が吸える魔物以外は一瞬で全て倒した。

つづく。
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