あなたの月 8月

渋谷かな

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とりあえず第2話

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「チキン!」
 泣きながら葉月が自分の部屋に帰って来る。
「コケッ?」
(どうした? 葉月。)
 不思議そうに見るチキン。
「皆が私の箸の持ち方がおかしいってバカにするんだ!」
 葉月は学校でご飯を食べていたら、箸の持ち方がおかしいとバカにされたらしい。
「コケッ。」
(なんだ。そんなことか。)
 軽くあしらうチキン。
「酷い!? 干支守の私がバカにされたってことは、チキンもバカにされたってことだよ!」
「コケッ?」
(なに!? 干支様である私をバカにしただと!? 許せん! 嘴で突きまくってやる!)
 プライドの高いチキン。
「やったー! チキン! 突きまくって!」
 大喜びの葉月。
「コケッ。」
(でも、その前に。葉月が箸を普通に持つことができれば誰にもバカにされないよね?)
 本質をいうチキン。
「え?」
 思わず時間が止まる葉月。
「コケッ。」
(特訓しよう。葉月が箸が持てるように。)
「ええー!? 無理無理無理!? 私なんかにできる訳がないよ!?」
 葉月は苦手なことには超ネガティブだった。
「コケッ。」
(私に任せなさい。私に不可能はない。私が必ずできるようにしてあげる。)
 干支様チキンの絶対的自身。
「ほれ、できないよ。」
 箸を持ってみるが葉月は上手に箸を持つことができない。
「コケコッコー!」
(私の実力を見せてやる! くらえ! 干支パワー! ダー!)
 干支のエネルギーを葉月に送る。
「おお! 私の中に力が漲って来るぞ!」
 葉月の体中に干支のエネルギーが漲ってくる。正に一日一本の栄養ドリンクを飲んだような感じだ。
「持てた!?」
 初めて葉月は箸を普通に持つことが出来た。
「持てる! 持てるぞ! 私にも箸を持つことができるぞ! ワッハッハー!」
 葉月は子供の様に喜んだ。
「コケッ。」
(良かった。立派だぞ、葉月。)
 葉月の成長に感動するチキンであった。
「学校に行って、皆に自慢しよう!」
 これでも葉月は高校一年生。
 つづく。
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