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ヒマワリと通りすがりの者
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「夢と希望があれば生きていける~、どんなにつらくても、あなたがいれば~。」
歌が大好きなヒマワリが歌を歌っている。
「私は何か動物が干支になるために戦ってと頼まれることもないし、ただ大好きな歌が歌えればそれでいい。」
ヒマワリは全エトワールでも有名で人気のある歌姫でした。
「本当にそうですか?」
そこに一人の人が現れる。
「誰?」
「私はただの通りすがりの者です。あなたの歌声があまりにもきれいなので、ついつい引き寄せられてしまいました。」
それほどにヒマワリの歌声は美しかった。
「歌がきれい? 歌には容姿もないのに。クスクス。あなたって面白い人ね。」
思わず笑いがこぼれるヒマワリ。
「あなたに願いはないのですか?」
「願い?」
「私にはあなたの願いが歌に込められているように思えて仕方がないのですがね。」
通りすがりの人間は歌からヒマワリの感情を読み取ったという。
「そうね。確かに私の歌には、みんなに明るく元気に頑張ってほしいという私の気持ちが込められているわ。そうよ。私は世界の平和のために歌っているのよ。」
ヒマワリは仲間の葉月やユリたちの顔が思い浮かぶ。生きとし生ける水と緑のために。
「果たしてそうでしょうか?」
ゆっくりとゆっくりと通りすがりの者がヒマワリに近づいていく。
「え?」
「私には、あなたが一人のために歌っているように聞こえましたが?」
顔と顔が触れるほど近づいた二人。
「あなたは!? いったい!?」
動揺するヒマワリ。
「私には人の心の中が見えるのです。」
通りすがりの者は人の心を読むことが出来た。
「人の心が読める!?」
「はい。」
「あなたはマジシャンか、催眠術師か何かなのかしら?」
「いいえ。違います。」
「それでは人間ではないのかしら? 神か? 天使とでもいうの?」
「ご名答。私は人ではありません。」
通りすがりの者は人間ではなかった。
「人間ではない!?」
「さすが私を引き寄せる歌声の持ち主だ。」
通りすがりの者は自分の正体を見破ったヒマワリを、さらに気に入った。
「まさか!? 悪魔!?」
「いいえ。違います。私はあなたの歌声。あなたの歌声が作りだした者。」
「私の歌!?」
「はい。ディーバ。あなたが心に秘めた恋心を叶えるためにやって来ました。」
ヒマワリの恋心とは?
「あなたの願いを叶えましょう。」
通りすがりの者はヒマワリの心に忍び込む。
「私の願いを叶えてもいい!?」
少しづつ前に進みだすヒマワリの秘めた思い。
「あれ? 誰もいない!?」
気がつけばヒマワリしかおらず、通りすがりの者は姿を消していた。
つづく。
歌が大好きなヒマワリが歌を歌っている。
「私は何か動物が干支になるために戦ってと頼まれることもないし、ただ大好きな歌が歌えればそれでいい。」
ヒマワリは全エトワールでも有名で人気のある歌姫でした。
「本当にそうですか?」
そこに一人の人が現れる。
「誰?」
「私はただの通りすがりの者です。あなたの歌声があまりにもきれいなので、ついつい引き寄せられてしまいました。」
それほどにヒマワリの歌声は美しかった。
「歌がきれい? 歌には容姿もないのに。クスクス。あなたって面白い人ね。」
思わず笑いがこぼれるヒマワリ。
「あなたに願いはないのですか?」
「願い?」
「私にはあなたの願いが歌に込められているように思えて仕方がないのですがね。」
通りすがりの人間は歌からヒマワリの感情を読み取ったという。
「そうね。確かに私の歌には、みんなに明るく元気に頑張ってほしいという私の気持ちが込められているわ。そうよ。私は世界の平和のために歌っているのよ。」
ヒマワリは仲間の葉月やユリたちの顔が思い浮かぶ。生きとし生ける水と緑のために。
「果たしてそうでしょうか?」
ゆっくりとゆっくりと通りすがりの者がヒマワリに近づいていく。
「え?」
「私には、あなたが一人のために歌っているように聞こえましたが?」
顔と顔が触れるほど近づいた二人。
「あなたは!? いったい!?」
動揺するヒマワリ。
「私には人の心の中が見えるのです。」
通りすがりの者は人の心を読むことが出来た。
「人の心が読める!?」
「はい。」
「あなたはマジシャンか、催眠術師か何かなのかしら?」
「いいえ。違います。」
「それでは人間ではないのかしら? 神か? 天使とでもいうの?」
「ご名答。私は人ではありません。」
通りすがりの者は人間ではなかった。
「人間ではない!?」
「さすが私を引き寄せる歌声の持ち主だ。」
通りすがりの者は自分の正体を見破ったヒマワリを、さらに気に入った。
「まさか!? 悪魔!?」
「いいえ。違います。私はあなたの歌声。あなたの歌声が作りだした者。」
「私の歌!?」
「はい。ディーバ。あなたが心に秘めた恋心を叶えるためにやって来ました。」
ヒマワリの恋心とは?
「あなたの願いを叶えましょう。」
通りすがりの者はヒマワリの心に忍び込む。
「私の願いを叶えてもいい!?」
少しづつ前に進みだすヒマワリの秘めた思い。
「あれ? 誰もいない!?」
気がつけばヒマワリしかおらず、通りすがりの者は姿を消していた。
つづく。
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