伝説の生き物、エクスカリパー。

渋谷かな

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オクトーバー1

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かつて世界は滅ぼされかけた。
魔物が暴れ出し、人間は無力だった。

世界が闇に覆われた時、伝説の生き物が現れて、魔物を倒した。
人々に平和が戻った。

そして何百年という月日が経ち、再び魔物が現れ出した。


普通の俺の家で、居間に俺とじいちゃんがいる。
「これが言い伝えられている伝説だ。」
俺のじいちゃんは言った。伝説には伝説の生き物がいると。
「おまえは伝説の生き物に選ばれた者だ。」
とも、俺にじいちゃんは言った。
「我が家は代々伝説の生き物に選ばれてきた家系なのだ。」
俺の家柄はすごいと、じいちゃんは言った。
「うそつき! なら、なんでうちは貧乏なんだ!? じいちゃんのうそつき!」
俺は怒って家を飛び出した。
「こら!? 待て!? アイン!?」
じいちゃんは怒りながらも、どこか寂しそうに俺の後姿を眺めている。

俺は村が一望できる村の側の丘に来た。空を見上げながら草むらに寝転がって不貞腐れている。
「なにが伝説の生き物に選ばれた者だよ。」
俺の名は、アイン。16才。マンス王国の小さなオクトーバー村で、じいちゃんと二人で暮らしをしている。ばあちゃんは若い頃に死んだらしい。俺のお父さんとお母さんも死んだと聞かされている。兄弟はいない。
「はあ・・・。」
思春期の悩みの多い俺は、ため息しか出ない。なぜなら俺の家は病弱なじいちゃんしかいないので、村から少ない貧困者給付金で辛うじて生きながらえている。貧乏生活に俺は嫌気がさしていた。
「お金持ちになりたい・・・。」
俺の夢はお金持ちになること。そうすれば今日食べるものに困らない生活が出来る。それに好きな人とも結婚できる。
「どうした? 悩める少年よ。」
そこに一人の女がニタニタと現れた。
「なんだ、イリーナか。」
俺は冷たくあしらう。
「なんだとは何よ?」
女も俺の冷たい態度に少しイラついた。
「金持ちに生まれたおまえに、貧乏な俺の気持ちは分かるまい。」
女の名前は、イリーナ。16才。オクトーバー村の村長の娘である。俺のような貧乏人は、こいつのお情けで生かされているのだった。
「分からない。ワッハッハー!」
俺の冷たい言葉にイリーナは去らずに、楽しそうに俺の横に寝転がって空を見上げる。
「んん~! 気持ちいい!」
イリーナは手足を伸ばして気持ち良さそうにしている。
「私に貧乏人の気持ちは分からないけど、あなたの気持ちは分かるわ。」
何もかも違うのにお金持ちのお嬢様が貧乏人の俺なんかと普通に話し無邪気に同じことをしている。不思議な気持ちだが、俺はイリーナの笑顔の横顔に見とれていた。
「あれは何!?」
イリーナが何かに気づき腰まで咄嗟に起き上がる。
「村が燃えている!?」
俺も腰まで起き上がり目視で村が火に包まれて煙が上がっているのを見た。
「村に戻ろう!」
「ええ!」
俺とイリーナは急ぎ村を目掛けて走った。

つづく。
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