伝説の生き物、エクスカリパー。

渋谷かな

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ノーベンバー4

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「エクスカリパーは自分のことを伝説の生き物って言うんだ。」
俺は岩場に戻って来た。
「へえ、しゃべる剣ね?」
俺は狼を倒したことよりも、変剣エクスカリパーとしゃべったことを中心にイリーナと師匠に話した。
「聞いたことがある。魔王が現れると現れ、世界を平和に導く伝説の生き物と呼ばれる者がいると。」
さすが師匠。オーガスは伝説の生き物を聞いたことがあるらしい。
「すごく偉そうで、嫌な奴って感じなんだけどな。」
俺は実際にしゃべったので、伝説の生き物のエクスカリパーが、とてもじゃないが魔王を倒す正義の使者に感じなかった。


「町が見えてきたわよ!」
遂にオクトーバー村の人々は、隣町のノーベンバー町が見える所までやって来た。
「ちょっと待て。なにか様子が変だ。」
師匠は町の様子がおかしいと感じた。
「私とアインで町の様子を見てこよう。イリーナは村の人々を木陰に隠れて休んでいてくれ。」
「分かりました。」
師匠は的確なアドバイスをイリーナに言う。
「いくぞ、アイン。」
「はい、師匠。」
俺は師匠と共にノーベンバー町の偵察に向かった。


「これは!?」
俺がノーベンバー町で見たものは悲惨な光景だった。
「スライムか!?」
至る所で村の人々はスライムに呑み込まれ窒息死していた。
「皆殺しだ!? みんな死んでる!? あの時と同じだ!?」
オクトーバー村がゴブリンに襲われた時と同じ光景を見た俺は、足がガタガタ震えてしまって動けなかった。
「まだ生き残りがいたか?」
そこに黒いマントの男が現れた。
「何者だ!?」
師匠が黒いマントの男に聞いた。
「私はキニール。スライム部隊の隊長です。あなた方は、この町の人間ではないみたいですが、運が悪かったですね。スライムに呑み込まれて死ぬがいい!」
男の声でスライムが俺と師匠を目標に一歩一歩近づいてくる。
「やるしかない。私が魔法でスライムどもの相手をする。アイン、おまえは敵の大将をやれ。」
師匠の言葉にまだ俺は震えていた。
「む、無理ですよ!?」
俺はオクトーバー村が襲われた日のことを思い出してしまっていた。恐怖はトラウマになり俺の脳裏に鮮明に映し出される。
「やらなければ、ただ死ぬだけだぞ。ファイヤー・ボール!」
師匠は俺を置いてスライムと火の魔法で戦い始めた。
「そ、そんな!?」
俺の前にはスライム使いのキニールがいる。
「かわいそうに、仲間にも見捨てられて。感謝しろ。私が楽に殺してやる。くらえ! スライム・スロー!」
キニールはスライムを投げつけて、俺を殺す気満々である。
「ヒイイ!?」
俺は死を覚悟した。
「出てくるがいい。伝説の生き物。」
オーガスはアインがピンチになれば伝説の生き物が現れると予想していた。

つづく。
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