伝説の生き物、エクスカリパー。

渋谷かな

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フェブラリー3

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ここは炎で燃えるフェブラリー山。アインが師匠オーガスを助けにやって来た。
「こ、これは!?」
俺が見たものはレッドドラゴンが炎で焼け死んでいた。
「レッドドラゴンが死んでいる!? 逃げ遅れたのか? そうだ!? 師匠を探さなければ!? 師匠! 師匠どこですか!」
俺は周囲に叫んで師匠に呼びかける。
「ホブ。」
その時、俺の背後から何者かが現れ、手に持っている斧を俺の後頭部に振り下ろす。
「師匠!」
俺は背後から命を狙われていることに気づかなかった。
「ホブ!?」
変剣エクスカリパーが光り出し聖なる光の騎士が現れ、背後から振り下ろされた斧を勝手に受け止める。
「アイン。油断し過ぎだぞ。」
「エクスカリパー!? うわあ!? 化け物!?」
俺は初めて自分が狙われていたことに気がついた。
「こいつはホブゴブリンだ。普通のゴブリンの何倍もの力がある。ここは必殺エクスカリパー・スラッシュだ!」
「おお!」
俺は聖なる光をエクスカリパーに集約して輝かす。
「いくぞ! 必殺! エクスカリパー・スラッシュ!」
光を解き放った俺はホブゴブリンを一撃で切り裂く。
「ホブ!?」
ホブゴブリンは断末魔の叫びを上げて死んだ。
「さすがのエクスカリパー。」
「いやいや、アインもなかなか良かったぞ。ワッハッハー!」
「この上から目線がなければ、もっといい奴なんだが・・・。」
慣れても疲れるエクスカリパーとの会話。
「ホブホブ!?」
その時、一人の男が現れた。ウァズワースである。ホブゴブリンの死体を見て血相を変えている。
「また新しいのが出てきた。」
俺はドラゴン、ゴブリン、その次は何が出てくるのと呆れた。
「気をつけろ!? あいつは只者ではない!? 魔族だ!?」
いつも余裕をかましている変な聖剣エクスカリパーの様子が変だった。少し緊張しているような感じだった。
「魔族?」
「魔族とは、普通の魔物より魔力が強い者のことをいう。」
俺は魔族といわれても普通の人間に見えた。
「許さんぞ! 私の部下を殺したな! おまえも燃やしてやる!」
ウァズワースは怒りに任せて手の平から手品のように火の玉を出して燃やし始めた。
「まさか!? この山火事も、あいつの仕業なのか!?」
俺は火を見てフェブラリー山の山火事も目の前の魔族の仕業だと感じた。
「アイン! 光の鎧も装備しろ! とてつもない火力を集めて凝縮しているぞ!?」
「おお! こい! 聖なる光の鎧!」
アインの体を光の鎧がまとっていく。
「聖騎士、参上!」
アインは光の聖騎士になった。
「くらえ! 必殺! デビル・ファイア!」
ウァズワースは必殺の一撃の火の玉をアインに迎えて放つ。
「アイン! いくぞ!」
「おお!」
俺とエクスカリパーの息はバッチリである。
「いくぞ! 必殺! エクスカリパー・スラッシュ!」
俺は火の玉に向けて必殺技を放つ。
「なんだと!?」
ウァズワースは目を疑った。火の球がアインの斬撃に真っ二つにされたのだった。
「やった!」
火の玉は左右に飛び散り爆発した。
「さすがのエクスカリパーだ。」
「分かっている。今更、褒めるなよ。ワッハッハー!」
エクスカリパーは得意げに笑っている。
「そういえば魔族の奴がいないぞ?」
「爆発のどさくさに紛れて逃げたに違いない。」
フェブラリー山からウァズワースの姿はなかった。
「おい! 大丈夫か!?」
そこに師匠が現れた。
「師匠!? ご無事だったんですね。良かった。」
「アインも無事で何よりだ。」
俺と師匠は互いの身を案じ心配していたが無事を確かめることが出来て安堵した。
「私は一度マンス王国に戻り、今までのことを報告してくる。アイン、みんなのことは、おまえに頼んだぞ。」
「はい。師匠。」
師匠は戦線を離脱し、マンス王国に帰るのだった。
「伝説の生き物には、魔物やドラゴンなど様々な種類があるが、エクスカリパーのように武器が伝説の生き物になった者を探さねば。」
ウァズワースは伝説の生き物の本質を悟った。

つづく。
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