蛍光刀 いつ蛍は光る?

渋谷かな

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「蛍ちゃん! できたよ!」
「え?」
「楓の愛情たっぷり! 巨大おにぎり!」
「ゲ!?」

蛍たちは越後屋さんのご厚意で給仕場で用心棒たちの夜食のおにぎりを作っていた。

「食べ物で遊ぶな! クソガキ!」
「蛍ちゃん! 酷い! 楓は一生懸命やったのに!」
「桜さんを見ろ。幽霊だけど、きれいにおにぎりを握ってらっしゃる。」
「私だって、たまには本気出しますよ。」
「お姉ちゃん! すごい!」
「ワッハッハー!」

和やかな雰囲気の中、楓の殺人巨大おにぎりは量産されていった。

「んん?」

虫の報せならぬ、蛍の報せに蛍が気づいた。

「蛍ちゃん! どこ行くの?」
「厠。」
「ここですればいいのに。」
「誰がするか! クソガキ!」

蛍は給仕場を去って行く。


「ああ、退屈だな。こんだけ剣客がいる所に野盗なんか攻めて来るわけがない。ふわ~あ。zzz。」

護衛の越後谷の用心棒たちは、次々とサボって眠っていく。

「本当に眠っちまいやがった!? スゴイな! ナメクジ先生は!」
「眠り香なめなめ。」

そこに野党、源夜叉が現れた。その中に人間のようで人間ではない異形の者がいた。越後屋の用心棒たちが眠りに着いたのはナメクジ先生と呼ばれる者の仕業であった。

「おい! 野郎ども! さっさと米を運び出せ!」
「おお!」

米蔵の鍵を次々と開けていく野盗たち。

「すげえ! これだけ米があれば、当分の間、食うには困らないぞ!」
「急げ! さっさと運ぶんだ!」

野盗たちは米俵を運び始めた。

「泥棒は止めませんか?」
「誰だ!?」

そこにエプロンをしたままの蛍が現れる。野盗たちは用心棒たちは眠っていると思っているので驚く。

「ただの通りすがりの者です。」
「こ、子供?」

野盗は蛍を見て子供だったので、さらに驚く。

「見られた!? お頭! 殺しましょう!」
「ダメだ! 俺たちは義賊、源夜叉だ。女、子供は殺さない。おい、若僧。大人しくしていれば命は助けてやる。おい、縛れ。」
「へい。」

子分の野盗が蛍を縛ろうと近づいていく。

「ギャア!?」

野盗が蛍の刀による一撃で倒される。

「なに!?」

野盗のお頭は蛍が強かったことにまた驚く。予想外であり、推測外の出来事が続いているのだ。

「悪いけど、三食昼寝付きがかかっているんだ。見逃すことはできない。」

珍しく飄々と薄っぺらい蛍が戦う気がある。

「なんだと!? 子供だと思って優しくしていれば!? みんな米を運ぶ前に、この若僧をやっちまえ!」
「おお!」

野盗たちは米を運ぶのを止め、大人数で一斉に蛍に襲い掛かる。

「蛍狩り!」

蛍は襲いかかってくる野盗を次々と倒し無双していく。

(強い!? この若僧は!? 子供のくせに刀裁きが出来ている!? どこかの流派の門下生か!?)

野盗のお頭は蛍の強さに、またまた驚く。

「安心しろ、峰打ちだ・・・ん? なんだか目が霞むな? そういえば体もフラフラするような?」

蛍の体に異変が生じ始めた。

「お頭、ここは私に任せるなめ。」
「おお! ナメクジ先生!」

詠に変わる野盗の用心棒の3人の内の1人、ナメクジ先生が現れた。

つづく。
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