蛍光刀 いつ蛍は光る?

渋谷かな

文字の大きさ
18 / 92

18

しおりを挟む
「問題・・・それは鎌倉幕府側にも、私同様に悪霊がいたということだ。」
「なんですって!?」
「正確には、鎌倉幕府を守っている守護霊とでも言った方がいいだろう。」
「守護霊!?」

霊は悪霊だけではない。守るために霊もいるのだ。

「そうだ。彼らは強い。源頼朝、源頼家、源実朝の3人の征夷大将軍の守護霊だ。」
「3人も!?」
「現在の鎌倉幕府は亡き源頼朝の妻、尼将軍と呼ばれている北条政子が最高権力者だ。北条氏は執権を代々継承している豪族だ。」
「女?女が1番偉いのか?」

この武家時代に女が強いというのが信じられない蛍。

「権力とは、何かを作る時は一つにまとまるが、得るものを得てしまえば不要なのさ。」

平将門は、栄華を誇った平氏なので、権力の儚さ、権力を維持することの難しさを知っている。

「死者を生き返らせる方法は、3人の守護霊を倒すこと。単純だろう?」
「簡単に言う。」
「悪いが私は悪霊でね。私には守護霊は倒せないんだ。相性が悪くてね。」
「相性?」
「霊と霊が戦っても、呪い合うだけで意味がない。やはり生身の者が霊と戦って打ち勝つことに意味がある。」
「そういうものですか?」
「そういうもんだよ! 蛍ちゃん!」

昼寝から楓が目を覚ました。

「そうだね・・・ん!? 目を覚ますな! クソガキ!」
「蛍ちゃん! 目を覚ましたんじゃないよ! 起きただけだよ!」
「・・・か、勝てん。」
「ワッハッハー! 楓は強いのだ!」

楓は寝起きから元気全快の女の子だった。

「そうだ。お嬢ちゃんは強い。」
「オッサン! 蛍ちゃんより見る目があるな!」
「だろ? 蛍は夜に光る虫だからな。」
「虫・・・俺は虫だったのか。」
「蛍ちゃんは虫! ワッハッハー!」

落ち込む蛍の周りを元気に楓が走り回る。

「落ち込んでいる暇はないぞ。蛍。死者を生き返らせたいなら、鎌倉幕府を倒しに行くことだ。」
「は、はい。」
「大丈夫か? おまえより楓の方が頼りになりそうだ。」
「蛍ちゃん! 楓の勝ち!」
「俺はどうせ虫ですよ・・・。」

蛍は根に持つタイプだった。

「だが、今のおまえでは勝つことは難しいだろう。」
「え?」
「それほどに3人の守護霊を倒すことは難しい。」
「それじゃあ、どうすれば!?」

蛍と守護霊との戦いは厳しいものになる。

「私がおまえに剣の使い方を教えてやる。」
「稽古をつけてくれるんですか?」
「そうだ。私がおまえを強くしてやる。」

蛍は平将門に稽古をつけてもらうことになった。

「蛍ちゃん! 良かったね!」

いつも明るい楓であった。

つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

レオナルド先生創世記

ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

処理中です...