ESF 楽しい・サイ・ファン

渋谷かな

文字の大きさ
22 / 63

22

しおりを挟む
「ようこそ! サイコロの支配する世界へ!」

町の名前は、別名サイコロになった。僕のさいぴょんという名前と、ころぴょんの名前を足して、サイコロになった。

「マスターだ。サイコロマスターだ。」

ちなみに師匠は、サイコロマスターと呼ばれ町で一番の長になった。まだまだ若い女町長の誕生であった。

「姐さんだ! 姉さんのお通りだ!」
「おはようございます! 姉さん!」
「みんな元気? いい響きね!」

ころぴょんは町の住民である奴隷たちから、かわいいのに姐さんと呼ばれ恐れられていた。

「兄貴だ! 大召喚士の兄貴も来られたぞ!」
「おはようございます! 兄貴!」
「どうも。兄貴・・・まだ慣れないな。」

僕はサイコロを振っているだけだが、心のサイコロなので誰にも見えないので、大召喚士の兄貴と呼ばれることになった。

「それでは、全体集会を始めます。」
「おお!」

これはサイコロ隊の隊員全員を町の広場に集めて行われる、師匠の言葉が聞ける有難い集会である。

「我がサイコロ隊も、新人冒険者の加入により、ついに隊員数1000名を超えました。」
「おお!」
「すげえ!」
「1000人だって!?」

僕たちは町を支配することによって、冒険者として先に進むことをせず、イチの町、はじまりの町で富国強兵を行っていた。

「あなた! 新人冒険者! 新人はサイコロ隊に入るのがルールよ! 決まりなのよ!」
「は、はい!? 入隊します。」

新人のひよこたちに嘘のルールを押し付けた。拒む新人には、1人に10人で取り囲んで仲良く勧誘した。みんな快くサイコロ隊に入隊してくれた。新人は奴隷ではない。新人サイコロ隊員なのだ。

「森に30人の盗賊ゴブリンが住み着いただって!? いくぞ! サイコロ隊!」
「おお!」

時には、町周辺の敵を倒しに部隊を編成したした。

「何が出るかな? 何が出るかな? ヤッホー! ヤッホー!」

サイコロの目は・・・。

「地獄の砂地獄あり。」
「ギャア!? 砂に呑み込まれる!? 助けて!?」 
「さようなら。」
「やったー! レベルアップだ!」
「兄貴! 万歳!」

30人の敵を100人の部隊で滅ぼす。まあ、僕のサイコロを振るだけで一撃で倒せるので、部隊の100人は経験値を楽に稼ぐことが出来る。サイコロ隊の平均レベルは10くらいにまで上がった。

「米を収穫するぞ!」
「いもだ! いも!」
「大きなキャベツ!」
「見ろ! 今日は魚も大量だぞ!」
「薪を拾ってくるよ!」
「川の上流にダムを造ろう!」

イチの町は完全に自給自足ができる良好な状態だった。町の人々も恐怖だけでは、サイコロ隊にはついてこない。町の発展があって、はじめて町の人々が付いて来てくれる。ここまで町は発展しなかっただろう。

「ここまで住みやすい町が、はじまりの町だと、誰も命の危険にさらしてまで冒険しないね。」
「いいじゃない。平和なんだから。」
「私もお金が儲かれば、どうでもいいよ。」
「もう!? 師匠たら。」
「敵襲だ!? 敵が攻めてきたぞ!?」
「またか!?」

敵襲を知らせる警笛が鳴る。町が豊かになれば、奪い取ろうと敵が攻めてくる。これも人の世の常であった。

「くそ!? はじまりの町が大きくなってどうするよ!?」
「俺たちの町に人が来ねえじゃねえか!?」

敵はサンの町を縄張りにしているライト・レフト兄弟だった。彼らの怒りは最もで、イチの町が発展し過ぎて、ライト・レフト兄弟に潰された滅びの町ニや、ライト・レフト兄弟がアジトにしているサンの町や、魔物が住んでいると噂のヨンの町に誰が行きたいと思うだろうか?

「ライト・レフト兄弟も毎回毎回、懲りないね。」
「さいぴょんはゴブリン退治に行ってるから、私が指揮をとるわ。」
「みんな! 迎え撃つわよ! サイコロ隊! 出撃!」
「おお!」
「300本の弓を放て!」

こうして僅か50人のライト・レフト兄弟の部隊を500人のサイコロ隊が迎え撃つのだった。

「覚えていろ!」
「これで勝ったと思うなよ!」

ライト・レフト兄弟の部隊は、一瞬で壊滅した。もうサンの町では人手不足、食糧不足で戦闘員は、ほぼいないのであった。

「勝利の雄叫びをあげろ! エイエイオー!」
「エイエイオー!」

結論、僕無しでも、ころぴょんだけでもサイコロ隊はかなり強い集団になっていた。

つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

処理中です...