ESF 楽しい・サイ・ファン

渋谷かな

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「それでは、王様、王妃様に応募される方は、応募用紙を箱に入れてください。」

ショッピングモール計画の目玉企画である、王様と王妃様の公募が始まった。応募会場には大勢の人々が応募にやって来ていた。

「よろしくお願いします。」
「俺も王様になれる! エッヘン!」
「私は王妃になって、ダイヤモンドを身に着けるわ!」
「とりあえず応募してみようか?」
「ええ、あなた。」
「さっと、王妃になって、成り上がってやる。ヒッヒッヒ。」

多くの人々が夫婦で住み込みのショッピングモールの管理人の王様と王妃様に応募した。ライト・レフトさんとセーラさんも。中には、逃亡生活中のありぴょんも応募していた。


一方、その頃、僕は・・・。

「何が出るかな? 何が出るかな? ヤッホー! ヤッホー!」

サイコロの目は・・・。

「閃光で全てを切り裂く、神の光!」

ショッピングモールの建設に必要な木々を伐採していた。

「さすが! さいぴょんさんだ!」
「サイコロがあれば無敵ですね!」
「いや、それほどでも。て、いうか、僕の能力を一発芸のように言わないで下さいよ。」
「はははははっ!」

僕は建設現場の兵士たちと仲良く作業をしていた。ショッピングモールの建設もイチの町側は建物も完成に近づき中間地点の道路工事も順調に進んでいた。


その様子を上空から眺める者たちがいた。

「面白くない。」

うさぴょんと、くまぴょんの神様コンビである。

「どうして、うさぴょんの最高傑作だろう?」
「それはそうなんだが・・・サイコロを振るだけで、夢が叶ってしまうでいいのかな?」
「いいじゃないか。分かりやすくて楽しいじゃないか?」
「でも、面白くない。強すぎるんだ。そう、サイコロを振るだけで一撃で終わるから。」
「爽快でいいじゃないか? いったい何が問題なんだ?」
「ありきたり過ぎなのかな。せめて、サイコロを振るために、エネルギーをチャージするとか、条件設定をつけておけば良かった。無念だ。」
「そんなに残念がらないでも。自分の生み出したさいぴょんだろ? 素直に応援してやろうぜ?」
「それはそうだが・・・神はひねくれているのだ。」
「一緒にするな。私は神だがひねくれていない。」
「しまった!? せめて、悪役のありぴょんに、さいぴょんと互角に戦えるぐらいの能力をつけておけば良かった!?」
「そんなことをしたら、さいぴょんが負けるだろうが。」
「あ、そっか。うわあー!? どうすればいいんだー!?」
「うるさい奴だ。神なんだから、自分の好きな様にできるんだから、すればいいだけなんじゃない?」
「そ!? そうか!? その手があったか!? 俺は何でもできる神だったのだ!」
「勝手にしてくれ。」

俺は、神だった。何でもできるのだ。自分の創り出したサイコロ士なんかに負けるはずがない。調子に乗っている者には罰を与えよう。

「豪雨だ! 神の力で、凄まじい雨を降らせ、ショッピングモールの建設を中止させる位の大雨を降らせてやる。これでさいぴょんも終わりだ。苦しむがいい。人間どもよ。」
「おまえ、だんだん性格が悪くなってきたな。」
「何とでも言え! 降り注げ! 集中豪雨!」

俺は神として、大量の雨を短期間に集中して降らす大雨、集中豪雨を地上に降らした。

「雨だ?」
「うわあー!? 雨が急に激しくなった!?」
「キャアアア!? 助けて!?」
「こんな雨は初めてだ!?」
「雨が膝まで溜まって来た!? 浸水しているぞ!?」
「このままではショッピングモールの建設ができなくなってしまう!?」
「助けて! 神様!」

地上では、神が嫉妬で降らせた雨とも知らずに、町人やショッピングモールの建設の現場の作業員たちが雨宿りできるところに避難した。

「はっははは! 面白い! これだよ! これ! 俺が求めていたのは、こういう展開だよ! さあ! 苦しめ! 人間! 神である俺様に救いを求めるがいい!」
「うさぴょん。おまえ、人間よりも性格が悪いな。」

俺は楽しかった。人間に嫌がらせをすれば、神である俺に救いを求めてくるという好循環。もっと弱い人間をいじめれば、いじめられたくないと強い神に救いを求めるのだ。神を崇め、神に服従するのだ。神として真面目なモラルがあったからか? どうして、こんな簡単なことに俺は気づかなかったんだ。

「僕が何とかします!」

僕は神の雨とも知らずに、神に戦いを挑んだ。

つづく。
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