ESF 楽しい・サイ・ファン

渋谷かな

文字の大きさ
52 / 63

50

しおりを挟む
「はい! カトリーヌお姉さんだよ!」

牢屋にいる鎖に繋がれたうくぴょんは怒っているようにカトリーヌを睨むのであった。

「出せ。」
「え?」
「ここから出せ!」
「それは無理。」
「僕にはサイコロがあるんだぞ! 僕のサイコロは黒くて、邪悪な者たちを呼び出すことが出来るんだ!」
「だから呼び出せないように鎖でつないでいるのよ。」
「クソッ!? 鎖を解け! ここから出せ!」
「出せと言われて出すバカはいないでしょう。本当に子供ね。」
「子供が子供で何が悪い!」
「口だけは達者ね。まあ、落ち着いて、私の話を聞きなさい。」

カトリーヌは鎖をつけていても暴れようとする、うくぴょんをなだめる。そして自分の考えた、これからの行動を伝え始める。

「あなたを魔界に連れて行くわ!」
「魔界!?」
「そうよ、魔界。あなたの持っている黒いサイコロは、邪神うさぴょんによって作られた物なの。」
「邪神うさぴょん!?」
「そう、あなたのサイコロは邪神が封印されているサイコロなの。だから凶悪で邪悪な魔物を呼び出すことが出来るのよ。」
「そうだったのか。だったら、おまえなんか僕の一振りで殺してやる!」
「若いわね。どうしてそうなる?」
「知るか! この鎖から解き放たれたら、真っ先におまえを殺してやる!」

うくぴょんの目は殺気に満ち溢れていた。あながち言葉通りカトリーヌを殺しかねない狂気に呑み込まれていた。

「そうやって、友達を2人も殺したの?」
「!?」
「あなたの自分勝手な行動や気持ちの暴発が、あなたの大切な友達を殺したのよ。」
「そ、そんな・・・嘘だ。・・・僕は殺してなんかいない・・・殺そうとしていない・・・殺す気なんか無かったんだ!?」
「きれいごとは結構。結果をみなさい。友達は2人共いないわ。甘ったれないで、現実をみなさい。」
「う、うわあああ!?」

うくぴょんは現実の残酷さに心が砕けてしまう。大声を出して発狂するしかなかった。そして力尽きて静かになる。

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・。」
「ああ、うるさい。やっと静かになったわね。」
「はあ・・・はあ・・・。」
「もし、死んでしまったあなたのお友達を生き返らせる方法があるとしたら、どうする?」
「!?」
「お、動きが止まった。やっと私の話を聞く気になったのね。」

暴れていたうくぴょんの動きが止まった。自分の性で死んでしまった友達を生き返らせることが出来るかもしれないと聞いたからだ。

「そんな方法があるのか?」
「あるわ。魔界にいる魔王に聞きに行けば、きっと方法を教えてくれるはずよ。」
「だ、騙している訳じゃないだろうな?」
「失礼ね。私が人を騙すような悪い顔をしている? カワイイ顔をしてるでしょ?」
「若作り。」
「そう、若作り! ・・・誰が若作りだ! おまえ、殺すぞ!」
「ハハハハハッ!」
「わ、笑った。」
「ハハハハハッ!」
「ハハハハハッ!」

思わずカトリーヌも笑った。笑うしかないという感じであった。それでも男の子が笑うとカワイイと思う年増のおばさんのカトリーヌであった。

「行こう! 魔界へ! 僕はらとぴょんとぱこぴょんを生き返らせたい!」
「よし! 魔界へ行くぞ!」
「よろしく、おばさん!」
「こちらこそ! よろしくね! うくぴょん! ・・・誰がおばさんだ!? カトリーヌお姉さんと呼べ!」
「ハハハハハッ!」

こうして無事にカトリーヌとうくぴょんは、一緒に魔界を目指すことになった。

つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

後宮の死体は語りかける

炭田おと
恋愛
 辺境の小部族である嶺依(りょうい)は、偶然参内したときに、元康帝(げんこうてい)の謎かけを解いたことで、元康帝と、皇子俊煕(しゅんき)から目をかけられるようになる。  その後、後宮の宮殿の壁から、死体が発見されたので、嶺依と俊煕は協力して、女性がなぜ殺されたのか、調査をはじめる。  壁に埋められた女性は、何者なのか。  二人はそれを探るため、妃嬪達の闇に踏み込んでいく。  55話で完結します。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

慈愛と復讐の間

レクフル
ファンタジー
 とある国に二人の赤子が生まれた。  一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。  慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。  これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。  だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。 大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。  そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。  そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。  慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。  想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……

処理中です...