ESF 楽しい・サイ・ファン

渋谷かな

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「ズバリ! 今日の天気は台風! だって私の機嫌が悪いんだもの!」

平和になった世界で、気象予報協会の女会長、女CEのカトリーヌはご機嫌斜めだった。

「だって仕事が忙しいんだもん!」
「・・・邪神カトリーヌだ。」

黒いサイコロの持ち主だったうくぴょんは、サイコロ人生から解放されて、コネで気象予報協会に就職した。

「うくぴょん! どうしておやつのモンブランが無いの!? あれほど買ってきてって言ったのに!?」
「カトリーヌ!? どうして仕事中にケーキを食べるんですか!? 真面目に働いてください!?」
「私は世界を救ったのよ!? 仕事をサボって何が悪いのよ!? あなた、クビにするわよ!」
「ええ!? 今の発言はパワハラですよ!?」
「いいのよ。私は何をやっても許されるのよ!」
「・・・最低。」
「なんか言った?」
「言ってません。さあ、昼休みの時間だ。ご飯を食べに行こう。」
「待ちなさい! 私はあなたの体も触りまくることができるのよ!」
「や、やめてください!? セクハラで訴えますよ!?」
「冗談よ。はははははっ!」
「アホなことばかり言っていると天罰が下りますよ!?」

こうして日々の生活の中で邪神カトリーヌは成長するのであった。人間とは、そういう生き物だった。


「・・・神って、暇だな。」

天界にいる神カトリーヌは暇を持て余していた。神の仕事は困っている人を助けることなのだが、困っている人がいなければ特にすることは無い。

「やりました! カトリーヌ様!」
「どうした? ラキ、キラ。」
「じゃん!」

中級天使のラキ、キラは書状を神カトリーヌに見せた。

「これは!? 上級天使、合格証明書!?」
「はい! 僕たちは上級天使になれました!」
「カトリーヌ様! ご褒美を下さい!」
「そうだな。地上に降りて、何か美味しいものでも食べに行こうか。」
「わーい! やった!」
「人間カトリーヌに会いに行きましょうよ!」
「そうだね。・・・あ、あれは?」

そこに暗い顔をした万年中級と上級の狭間のラキキが現れる。

「今年もダメだったのか。可哀そうに。」
「よし! ラキキをおちょくって遊ぼう。」
「わーい! そうしよう。」
「ラキキ! 僕たちは上級天使に昇格したぞ! おまえより偉いのだ!」
「私もあなたより偉いのだ! ワッハッハー!」

ラキ、キラの二人は上級天使合格証明書をラキキに見せびらかし自慢する。ここでも立派な堕天使が生まれていた。

「誰が私より偉いだと? これを見ろ!」
「え?」

ラキキが見せたのも合格証明書だった。

「上級天使と最上級天使の狭間の合格書!?」
「えええええ!?」
「私はどうやって生きていけばいいんだ・・・。」
「知らなかった。そんな合格証明書があったなんて・・・。」

神カトリーヌですら知らないことはあるのだった。


「どう? 魔界の暮らしは?」

魔界では女魔王カトリーヌが誰かと話をしながらアフタヌーンティーを優雅に飲んでいる。

「悪くない。俺に似あうのは、やはり魔界だ。」
「そうよ。だって、あなたは邪神なんですから。」

なんと魔界で女魔王カトリーヌとお茶をしていたのは、邪神うさぴょんだった。3人のカトリーヌに滅ぼされたはずのなのに? なぜ?

「あなたが邪神だから消滅する寸前、助けてあげたんだから。」
「感謝する。俺はこれから女魔王カトリーヌに忠誠を誓う。」
「そんなに気にしないで。魔界には悪霊の神々や、最強最悪のドラゴンとか、あなたみたいな化け物が多いんだから。」
「邪神も手に入れたい・・・コレクション欲のようなものか?」
「かもね。でも正確には違うわ。私の夢のためよ。」
「夢? 聞かせてくれないか? カトリーヌの夢を。」
「私の夢は、魔界、人間界、天界を手に入れることよ。」
「おお!? 3界統一!?」
「そうよ。そのためには神に勝てるだけの戦力が必要なの。」
「だから俺を生かしたというのか。」
「そうよ。人間は一瞬で殺せるけど、神は強敵だからね。」
「はっはっは! あなたの夢に俺も乗った。どこまでもお供します。魔王カトリーヌ様!」
「ありがとう。私の手足になってね。」
「はは!」

こうして俺は偽りの忠誠を誓い魔界で生き延びることに成功した。人生は面白いものだ。人生に答えはない。あるのは人生の答えを見つけることだけだ。

おわり。
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