少年少女剣客隊

渋谷かな

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15の災い。その14

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「ねえねえ、ペリー。」
「なに? ちいちゃん。」
「やっぱり思うんだけど、このオープニングトークが長過ぎて、物語が進んでいないんじゃないかと。」
「そうそう。私も思ってた。」
「合いの手かよ。」
「そういう揚げ足取りが、物語が進まない原因よ。」
「でも、こういった手法が、イマドキの流行らしいのよ。」
「流行るのは、災いだけで結構よ。」
「困ったわね。楓は、どう思う?」
「なんか言った?」
 楓は話には興味が無くおにぎりを食べている。
「美味しいね。実朝くん。」
「楓ちゃんの手作り特大おにぎりは美味しいよ。」
「楓に聞いた私がバカだった。私の時間を返して頂戴。」
「え!? 時間って、戻せるの!?」
「おまえは真面目か?」
「おまえたち! おまえたちのそのくだらない会話が物語を先に進めていないとなぜ気づかない! おまえたちの存在が災いだ!」
「そうか! 私たちが災いだったのか!?」
「いいね! 昔、災いと呼ばれた3人の女の子がいた! これはイケる!」
「ああ~、自分たちを災いだと認めちゃった。」
「おにぎり美味しい!」
「楓ちゃんは、いいお嫁さんになる!」
「こっちは、まだご飯を食べ続けてるし、いったいどうなるんだ? この物語の主人公は僕とご先祖様たちだぞ!」
「誰が決めた? この物語の主人公が徳川家だと誰が決めた!?」
「桜先生!?」
 子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「この物語の主人公は私です! 寺子屋女教師幽霊! 桜先生! これで決まりです!」
「次から次へと、ややこしい!?」
「ということで、最近、流行りの日常会話だけで、十分な物語が成立していますので、ノープレブレム!」
「立派な歴史学園モノよね。キャッハッハ!」
「もう笑うしかない。ワッハッハー!」
「それでは、皆さん、さようなら。」
「桜先生、さようなら。」
 子供たちは寺子屋から帰って行った。

「そうか。私たちが災いと呼ばれる存在になればいいんだわ。」
「そうね。災いよりも大きな災い。なんだか楽しくなってきたわ。」
「大きなおにぎりを作るためには、より多くのお米が必要になる。」
「みんなが完全に災いモードに入っている。」
「甦った徳川15将軍よりも、本当に強い災いになりそうでござる。」
「災いの霊媒師? 違うな。災いの祈祷師。災いの召喚士。んん~、なかなか、いい呼び方がないわ。」
「素直に災いの竜の使い士、略して竜使士でいいんじゃない?」
「災いの竜使士か。いいかもね。ありがとう。」
「どういたしまして。ニコッ。」
「こら! 偉大なる竜の使いを、災いにするな!」
「あら? 海ちゃん。」
「あら? 海ちゃんじゃない!」
「呼んでないわよ?」
「自由意志です。」
「そうなんだ。ハッハハハ。」
「笑って誤魔化すな。」
「ていうか、竜の使いは大人数いるのに、なんで、まだ海ちゃんと火ちゃんしか出てこないのよ? どちらかというと私は、ティアマトお姉さんの方が親しいんだけど。」
「まだ、制覇の読み直しも45話までしか読めてないから、まだ九州を統一したぐらいなのよ。」
「先は長いわね。ところで青春一直線キャラの燃える女の火ちゃんはどこに行ったのよ?」
「10連休なので、世界一周火祭り旅行に行ったわよ。」
「海ちゃんも一緒に行けばよかったのに。」
「行ったら蒸発して死んじゃうでしょ。」
「バレたか、惜しい。」
「惜しくない!」
「確かにちいは、災いって存在よね。」
「あんたもね。ペリー。」
「何を言うのよ。教会の娘の私が災いを漏らすだなんて、冗談はやめてよ。」
「なんで聖女のあんたがピストルを持ってるのよ。」
「護身用よ。」
「嘘おっしゃい。あなたの手は汚れているのよ!」
「そう、私の手は血塗られている。そうか、私って、夢見る少女じゃいられないんだわ。なんて可哀そうな私。」
「悲劇のヒロイン気取りすな! 楓を見習え、何も言わずに、自分を災いだと受け入れているではないか。」
「なんか言った? モグモグ。」
「ゲッ!? まだおにぎりを食べてる!?」
 楓はおにぎりを食べることに夢中で、ちいとペリーの話を聞いていない。
「楓ちゃん、そろそろおにぎりを食べるのをやめようよ。太っちゃうよ?」
「いいよ。運動して痩せるもの。」
「意外と前向きね。」
「災いが私たちに決まったら、家々のご先祖様も出なくなったぞ。」
「災いでなくなったから、出番が取り上げられたんだろう。」
「恐るべし!? 災いの効果!?」
「とりあえず、私たちも、ここで一時休戦にしとこう。」
「そだね。私たちの存在が消されても困るし。」
「魔法でも、転移でもない。完全な和モノへ置き換えだね。ニコッ。」
「災いの少年少女剣客隊! リーダーは、僕、家々だ! ワッハッハー!」
「帰ろ帰ろ。」
「バカは死ななきゃ治らない。」
「お腹空いた。」
 どんな時も子供たちは強く成長していくのであった。
 つづく。
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