剣物語

渋谷かな

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混在

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「私が君たちの新しい担任になる伝家宝刀だ。よろしく。」
「はい。」
 な、な、なんということだ!? 僕の担任が伝説の剣騎士デカノーホウトとそっくりな教師になってしまった。やはり現実世界と剣物語の世界とは、なんらかの理解しがたいつながりがあるのだろうか?
「ああ~、カワイイ女の先生が良かったな。」
「どうせまた、精神疾患で休業するんだろ? 公務員教師って楽でいいな。」
「税金泥棒。」
「キャッハッハー!」
「おまえたち、うるさいぞ!」
 その時だった。僕、鈴木、高橋、田中、渡辺、山本、中村の仲良しグループが、新任の先生を笑って茶化していたら、他の生徒たちから睨まれた。
「ゲゲゲッ!?」
 僕たちを注意してきた奴の顔を見た。剣物語の世界で見たことのある悪夢の剣騎士クロムを始めとする、悪者の皆さんであった。やっぱり現実の世界と剣騎士の世界は微妙につながっている。
「すまん。」
 とりあえず謝る。すると他の生徒たちは前を向いた。
「おい、鈴木。」
「なんだ?」
「あいつらは何者だ?」
「あいつらはガリ勉グループだ。伊藤、小林、加藤、吉田、山田、佐々木、山口の秀才の連中だ。将来は、東大に進学して、国家公務員になると言われている。」
「キモイな。」
「ああ、キモイ。」
「夢見グループの次男の僕に尻尾を振っている、おまえたちと、教師に媚びを売っている、あいつらとどちらが気持ち悪いかな?」
「どちらもキモイな・・・って、おい!? それが友達に言う言葉か!?」
「気にしないでくれ。」
 高校一年生くらいの男の子なんて、みんな同じようなものである。カッコイイ男がいないと女子は最悪な学園生活を送ることになってしまう。
「佐藤は、男子のことを、どう思っているのだろうか?」
「相手にしてないんじゃないか? 誰かと付き合っているという噂もないし、まさに孤高の存在だからな。」
「美し過ぎるのも罪ってやつか。」
「佐藤の行動を監視してみようか?」
「ストーカーは犯罪だぞ?」
「ストーカー・ゲームにすればいい。王様ゲームだって、犯罪だが、ゲームと付けておけば、キス、セクハラ、それ以上、何をしても許される。お酒を飲まして動けなくすれば勝ちだ。被害者が泣き寝入りすれば、日本の警察も動けない。」
 佐藤の学校生活、私生活を調査するのも面白いと思った。これはクエストだ。佐藤のことを知りたいと思うことは罪じゃない。佐藤をストーカーすることで、佐藤のことを知ることができる。しかし、ストーカー行為は犯罪である。
「おお、佐藤が帰るぞ。」
「後をつけろ。」
「おお。」
 僕たちは佐藤が学校から帰るので、後を尾行した。
「俺と付き合ってください。」
「一緒に帰りましょう。」
「お花をどうぞ。」
 案の定、正門で佐藤を待ち構える男子が大量にいた。中には、同じクラスの伊藤、小林、加藤、吉田、山田、佐々木、山口なんかもいた。
「すごい人気だな。」
「ストーカーしようとしている私たちも、あいつらと同レベルだ。」
「それを言うなよ。」
 ドカ! バキ! ブス! ア、タタタッタタタタタタタター! 
「私の道を塞ぐな。」
 次の瞬間、佐藤に群がるゴキブリ男子は四方八方に飛び散った。
「なんだ!? 今のは!?」
「覇気だ!? 覇気に違いない!?」
「いや!? 暗殺拳だ!?」
「ストーカー、やめた。」
 佐藤美姫。顔は姫と同じでカワイイのだが、現実の佐藤は、謎だらけで怖かった。
 つづく。
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