剣物語

渋谷かな

文字の大きさ
37 / 78

水を司る天使

しおりを挟む
「そうです。海王ポセイドーンの剣騎士の鎧です。」
「サキエル様!? 水を司る天使ともあろうものが、海王様の剣騎士の鎧に手を出せと言うのですか!?」
「はい。そう言ったつもりです。」
「やめてください!? バレたら海王様に殺されます!?」
「でも、彼はやる気満々のようですけど。」
「やったー! 海王ポセイドーンの剣騎士の鎧だ! これで私も神級に強くなれるぞ! ワッハッハー!」
「バ、バカ弟子!?」
 天使サキエルの話に目を輝かせるウスイであった。
「どうです? 海王ポセイドーンの剣騎士の鎧が欲しいですか?」
「はい! 欲しいです! とっても欲しいです!」
「よろしい。まずポセイドーンの海底神殿に行くまでに、あなたの実力を見させてもらいましょう。」
「分かりました。」
「やめろ!? ウスイ!? おまえごときでは、かなうはずがない!?」
「大丈夫ですよ、師匠。私だってプリンセスを守るために、邪悪なる者となった伝説の剣騎士デカノーホウトと戦ってきたんです。天使様の試練ぐらい乗り越えてみせます! うわあああー!」
 ウスイは剣気を高めていく。ウスイの全身を水の剣気が覆っていく。
「おお!? これがバカ弟子の剣気!? ここで修行をしていた時とは比べ物にならない位、強大になっている!?」
「どうだ? 天使様。私の剣気は?」
「いいでしょう。合格です。」
「やったー! ポセイドーンの海底神殿に連れて行ってくれるんですか?」
「いいえ。それは、まだです。代わりに私が直接、稽古をつけてあげましょう。」
 天使サキエルが技を放つ構えに入る。
「エンジェル・ウォーター・ショット!」
「水鉄砲!? うわあああー!?」
 ウスイはサキエルの水鉄砲に吹きとばされる。
「大丈夫か!? ウスイ!?」
「大丈夫ですよ。これぐらいの水圧。」
「大丈夫というなら、あれぐらいの水は耐えてもらいたいものですね。あなたにハンデをあげましょう。」
「ハンデ?」
「あなたは自分の水の剣騎士の鎧を着ることを許しましょう。これも天使のご慈悲です。」
「それはありがたい。だが天使様、私を甘く見たことを後悔させてやる! こい! 水の剣騎士の鎧!」
 ウスイに水の剣騎士の鎧が装着していく。
「天使様は、自分の剣騎士の鎧を着ないんですか?」
「私が? 私に水を司る天使の剣騎士の鎧を着せたければ、あなたの実力を私に認めさせることですね。」
「そうさせてもらいます。水よ! 渦巻け! 高鳴れ! 私の剣気! 水の剣騎士の最大の必殺技! ウォーター・ソード・スラッシュ!」
「こんなものですか? 避けるまでもない。」
 天使サキエルは、ウスイの水の斬撃を受けてもビクともしない。
「なに!? 私の技が効いていない!?」
「水の剣騎士の鎧を着たのです。これで今度は手加減無しで、こちらも必殺技を放つことができます。」
「なに!? さっきの攻撃は手加減していただと!?」
「受けるがいい。水を司る天使の必殺技を! エンジェル・ウォーター・ショット!」
 前の攻撃とは比べ物にならない水の塊がウスイを襲う。
「うわあああー!?」
 ウスイは水の中に閉じ込められ気を失ってしまう。
「バカ弟子!? サキエル様!? ここまでする必要があるのですか!?」
 マーメイドはウスイを心配する。
「弱い者は邪魔でしかない。」
「その通りです。」
 そこに一人の男が現れる。
「あなたは!? 海の天使クリオネ様!?」
「どうした? クリオネ。おまえが陸にあがってくるとは珍しい。」
「悪魔が攻めてくるぞ。」
「やはり来たか。」
 海の天使クリオネは、悪魔が攻めてくることを伝えに来たのだった。
 つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

処理中です...